バイク試乗レポート:ZX-6R
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試乗レポート カワサキ ZX-6R

 カワサキ ZX-6R

フルモデルチェンジされたZX-6R
高いサーキット性能だけでなく
ストリートの乗り易さも追求されていた
KAWASAKI ZX-6R KAWASAKI ZX-6R
ミドルクラスらしく高次元化された走り
 これまでのZX6Rは、いい意味でも悪い意味でも、ナナハンのスケールダウン版みたいなところがあった。
 いい意味で言えば、存在感があって、軽薄さはなく、マニアックにメリハリよく駆っていく醍醐味に満ちていた。とくに従来型は排気量を636cc(レース対応の6RRは599ccだが)としており、600にはない力強さがあった。
 でも、悪い意味では、エンジンが軽量コンパクト化されたライバルマシンと比べて、重量車的でとくにレースにおいては、ハンドリング性能で不利になっていたと思う。
 そんな状況で、登場した07モデルのZX6Rは、エンジンを新設計、ライバル車と同様に3軸を三角形に配置し、コンパクト化を達成。もはやナナハンのスケールダウン版ではなく、400のスケールアップ版とも表現できるマシンへと変貌したのである。
 しかも、コンセプトに軽量級マシンみたいなハンドリング性能の実現をかかげ、レースでのポテンシャルに本気で取り組んだマシンになっている。
 実際、またがっても、ライポジは腰高感があって、コンパクトで体の収まりとホールド感は抜群ながら、サーキット指向の強いものとなっている。
 サーキットを走り出し、コーナーに向けてフルブレーキングすれば、ラジアルマウントのフロントブレーキは、強力かつコントローラブル。おまけに従来型のように、減速Gに耐えて踏ん張らなくてもいい。車体は安定していて、コーナーにアプローチしやすいのだ。
 コーナーでは、リラックスできるほどにクルッと向きを変えるばかりか、スロットルを開き始めるのに応じて、今度はリヤから向きを変え始める。スロットルと荷重のかけ方で旋回性をコントロールできるわけだ。
 立ち上がり加速でも、リヤの踏ん張り感は、スロットルを開き始めたときの延長にある。車体は適度にしなやかで、コントローラブルだ。これがガチガチの車体だったら、ちょっとしたことで、リヤのトラクションがフロントを押し出したりとか、神経質になりがちなのに、こいつはじつに寛容である。
 試乗したEUR仕様のエンジンは、14000rpmで125ps(実際はラム圧が掛かり131ps)を発揮しながら、16500rpmまで回り切る高性能ぶりで、しかも、その高出力域がワイドなので、扱いやすく、実際に速い。
 でも、これが単なるサーキットツールかというと、けっしてそうではない。エンジンは突然パワーバンドに入って性格を豹変させるなんてことがなく、5000rpmからだって、それなりについてきて、スムーズに高回転域につながっていくから、走る場所や腕も問わない。
 コーナーでも、しなやかな車体は、攻める度合いにかかわらず、コントロールしていることを堪能させてくれる。なにより、普通に転がしていて軽快で、バイクに対して構えなくていい親しみやすさもあるのだ。
ライダー・文=和歌山利宏 写真=kawasaki
KAWASAKI ZX-6R 06モデルまでのZX-6Rとはまったく違う顔つきになった。効率よくフレッシュエアを取り込みながら、精悍さを増したデザインに仕上げられている。
KAWASAKI ZX-6R メーターは大型のアナログ式回転計の右側に液晶パネルを組み合わせる一般的なもの。回転計は16500rpmからレッドゾーンで、パネル内でギヤ段数を表示できる。
KAWASAKI ZX-6R エンジンはミッションをクラッチ軸をロアケース側に置くカセット式とし、3軸を三角形に配置。エンジンは前後長、左右幅ともに40mmのコンパクト化を実現している。
KAWASAKI ZX-6R エキゾーストは4-2-1構造で、エンジン下部にキャタライザー内蔵のプリチャンバーを設置。その手前、エキパイを2本にまとめた部分に、酸素センサーが装備される。
KAWASAKI ZX-6R スイングアームは、鋳造製のピボット部、角パイプによるトラス構造の左側アーム、プレス材合わせの右側アームが組み合わされた構造。この構造は従来型と同様だ。
KAWASAKI ZX-6R 右側アームはパネル材製だが、造形がユニークで、スタイリングのポイントにもなっている。リヤブレーキは1ピストンキャリパーとφ210mm径花弁形ディスク。
KAWASAKI ZX-6R フロントブレーキのキャリパーは、ニッシン製ラジアルマウントの4パッド式。ディスクはφ300mm径の花弁形で、厚さは6mmと大きい。
KAWASAKI ZX-6R ステップブラケットの造形にもデザイン上のこだわりが感じられる。リヤは圧側減衰力が高低速2系統調整式。リンケージにはブッシュに代わり、ピロボールを使用。
KAWASAKI ZX-6R フロントフォークはφ41mmサイズの倒立型だ。新開発のフロントサスは、セッティング範囲が広く、ベストな走りを可能にしている。
KAWASAKI ZX-6R キャタライザーをエンジン下に設置することで、マスの集中化を実現。サイレンサー手前には排気バルブも装備。LEDテールはサイレンサーの下側に置かれる。
KAWASAKI ZX-6R
SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高 2105×720×1125mm
シート高 820mm
エンジン 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ
排気量 599cc
最高出力 125 〜131ps/14000rpm(EUR/AUS仕様)
最大トルク 6.7kgm/11700rpm
タンク容量 17L
タイヤサイズ F120/70ZR-17 R180/55ZR-17
価格
発売日
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一段と進化した07モデルは
眞子&柳川選手らの開発で生まれた


07モデルのZX-6Rの試乗会は、昨年の12月、アメリカのアラバマ州、バーミンガム近郊にあるバーバー・モータースポーツパークで行われた。本誌でインプレッションを担当する和歌山氏の向かって左側は、元GPライダーで1998年のWGP125でランキング2位となった後、カワサキのテストライダーとして活躍、ZX-6Rの開発ライダーを務めた眞子さん、右側はご存知カワサキワークスの柳川選手だ。

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