バイク試乗レポート:990アドベンチャー
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試乗レポート KTM 990アドベンチャー

 KTM 990アドベンチャー

最速オンオフツアラー
Vツインアドベンチャー
ABSとインジェクションで資質をUP!
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990をひと言で表すなら、「劇的」
 誕生から3年。950アドベンチャーがモデルチェンジし、990アドベンチャーとして登場した。名前が示すとおり942ccから990スーパーデュークが搭載する999ccエンジンに換装。それまでキャブレターだった燃料供給をFI化させ、専用にデザインされたシリンダーヘッドをもち、6000rpm以下のトルク特性を大幅に充実化させているのも大きな特徴となっている。これにはエンジンマネージメントの変更が大きく作用し、性能と高い環境性能を同時に手に入れている。また、ブレンボとボッシュが共同開発した最新世代のABSを市販車としては初めて搭載したこともニュースのひとつだ。
 走り出しても、低中速トルクの厚みはこれまで経験した950、990を搭載するどのKTMのVツインモデルよりも潤沢だ。アイドリングからクラッチだけで不安なく発進できる。そして2500rpm付近でエンジンの回転がより滑らかになっている。力はあるのに滑らか。これはいい。微細なアクセル操作でぎくしゃくすることなく、今までよりひとつ高いギアでも、しっかり後輪にトラクションが伝わるのがわかる。それだけに、この排気量のバイクでは使用頻度の高いこの回転域で、バイクとの一体感が950時代よりもはるかに高いことがわかる。
 6速100km/hで巡航したとき、回転はちょうど3500rpmほどになるが、この回転域をキープするのが、じつは950は苦手だった。もっとレスポンスのよくなる4000から4500rpmあたりの回転域に自然と落ち着き、巡航速度は130から150km/hあたりとなっていた。中低速トルクの厚みは、こうした日常域で大きな効力を生み出しているのだ。
 そんなエンジンのドライバビリティの向上はダートに990アドベンチャーを連れ込んでも明らかにそのよさが実感できる。従来モデルにあった微細スロットル開度領域でのトルク感の細さがなく、3000rpmあたりを使っていてもリヤが適度にアウトに流れ、ハンドリングのバランスを絶妙なものにしてくれる。そこから開ければテールアウトの姿勢を取ることも意のまま。リヤがブレークするまでの一体感がものすごく高い。意のままだ。
 今度はアスファルトの峠道だ。パワフルだがやや大柄なバイク、というイメージがぬぐえなかったアドベンチャーが、まるでひとまわりコンパクトになった印象で、狭いつづら折れをきりとってゆく。どんどんペースを上げても前輪のステアレスポンがダルになることはなく、アクセルをあけて後輪のトラクションを強めると、さらに旋回性にニュートラル感が増してゆく。まさにねらいどおりだ。
 最後になるが、ABSについて。120km/h程度からフルブレーキングを試みてもすぐさまABSが顔を出さず、ホワイトパワーのサスペンションがぐっと荷重を受けとめ、最後の最後でグリップ回復のために油圧をリリースする、というイメージ。これまで乗ったどのABSよりもナチュラルだった。また、車体とのバランスもすばらしく、これほど気軽に全制動をかけられるバイクも世界ではまれだろう。イザというとき、きっとライダーの強い味方になってくれることは間違いなさそうである。
取材協力=KTMジャパン 文=松井 勉 写真=KTM、酢和与日無
KTM 990ADVENTURE メーター読みでは軽く200km/hを越す速度まで加速するこのバイク、オフ用ヘルメットでも快適なフェアリングを装備する。
KTM 990ADVENTURE 9500rpmからレッドとなるアナログタコメーター、速度、ツイントリップ、時計、リザーブ燃料での走行距離など多機能デジタル表示。
KTM 990ADVENTURE ステアリングヘッドまわりのデザインを変更し、ハンドル切れ角をこれまでより左右とも3度づつ増加させたクロモリトラスフレーム。
KTM 990ADVENTURE 左右別体の燃料タンクを持つアドベンチャー。その下部を覆う樹脂製カバーを新たに標準装備。ダートでも立ちゴケでも強い味方となる。
KTM 990ADVENTURE φ300mmのフロントブレーキ。ブレンボ製型押しダブルピストンキャリパーはABSを装備しているとは思えないソリッドなタッチ。
KTM 990ADVENTURE ケイヒンと共同開発したFI、エンジンマネージメントは秀逸。前後シリンダーにそれぞれ酸素濃度を計測するラムダセンサーを配備。
KTM 990ADVENTURE よりオフロード色を強めた990アドベンチャーSは前後にストローク、245mmのサスを装備。シートトップはフラット形状となる。
KTM 990ADVENTURE φ240mmのリヤブレーキ+ダブルピストンキャリパーのリヤブレーキ。キャリパーピストンの材質などを吟味し耐フェード性も高い。
KTM 990ADVENTURE ドライサンプ採用でコンパクトさを追求した水冷75度DOHCVツイン。3000rpmですでにマキシマムトルクの8割を生み出す。
KTM 990ADVENTURE 汚れ、耐久性を考慮しシート下の特等席に鎮座するABSユニット。小物入れスペースはシートエンドのカウルの中に設けられている。
KTM 990ADVENTURE
SPECIFICATIONS
車名 KTM990ADVENTURE(ABS付)/990ADVENTURE S(ABSなし)
全長×全幅×全高 2250×860×1480(S:1515)(mm)
車重 204kg(S:199kg)
シート高 865mm(S:895)
ホイールベース 1570mm
最低地上高 261(S:296)mm
エンジン型式 水冷DOHC4バルブV型2気筒
総排気量 999cc
圧縮比 11.5:1
燃料供給方式 電子制御燃料噴射装置
フレーム チューブラークロモリスペースフレーム
フロントタイヤ 90/90-21
リアタイヤ 150/70-18
燃料タンク容量 22L
オイル容量 3.0L
日本導入時期 4月
価格 186万9000円(S:189万円)税込み
充実のオプションパーツもADVENTUREの魅力のひとつ

スポーツ性が高くアグレッシブなアドベンチャー。しかし、ロングディスタンスのツーリングをバックアップする魅力的なオプションも多く用意される。タンクバッグや左右に振り分けるパニアケースなど、アドベンチャーの性格を反映し、多少の転倒では壊れないタフな造りになっている点も見逃せない。
KTM 990ADVENTURE

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