今、世界中で人気なのがビッグオフローダー系マシン。乗りやすくて速い。ツーリングにも使えるし、アドベンチャーなイメージで、タフなライフスタイルを表現できる。つまり4輪でいうところのハマーやポルシェカイエンといったところか。
この世界でダントツの人気を誇っているのが言わずと知れたBMWのR1200GS。ここに、真っ向から殴り込みをかけたのがモトグッツィ・ステルビオだ。
自慢の4バルブエンジンは、排気音が気持ちいい。設計が古いことが逆に幸いして、今ではとても味があるエンジンとして高い評価を受けている。スロットルを開けた瞬間、ドコドコという力強い鼓動感とともに大きな車体が押し出されていく。しかもまわすと突然性格が変わり、この巨体のフロントタイヤが持ち上がりそうな加速をする。
ハンドリングは大径ホイールならではのゆったり感がある。17インチのスポーツバイクがグイグイ曲がろうとするのに対し、スーっとバンクしていき、それからマシンが向きを変えていく。
それでいて飛ばそうと思えば、スポーツバイクにまったくひけをとらない。そればかりか、スポーツバイクより速く走れてしまうことの方が多いくらいなのである。
この性格と面白さは、日本の道路事情にピッタリで、どこを走っても面白いし、どんな状況にでも使えてしまう。一度乗ってみれば、ヨーロッパでこの手のマシンが人気だということも納得できてしまうはずである。
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