　伝統のスチールモノコックボディを採用し軽量化を実現。乾燥重量はなんと148kg。同クラスの国産スクーターと比較すると50kgほども軽いのだ。それだけじゃない。1395mmのショートホイールベースによるコンパクト化も達成しているのだ。　国産スクーターとではコンセプトが異なるから、といってしまえば単純な比較はできないのだが、軽量コンパクトであるのは事実。シート高こそやや高めだが、取りまわし性で考えればはるかにラクなのだ。
　いかにもベスパらしいレトロな雰囲気のあるスタイリングデザインも、個性的でおしゃれ。どんな街並みにもよく似合うし、なにより見飽きることがないので長く付き合えるのがいい。
　外観的にはそんなふうにクラシカルだが、搭載するパワーユニットは、インジェクション採用の水冷SOHC4バルブ単気筒。最新技術を取り入れたこのクオーサーエンジンは、低回転域から強力なトルクを発生し、侮れない発進加速性を発揮するのだ。しかもCVTのスムーズなパワーフィーリングが、スピーディで扱いやすい走りを提供してくれる。
　乗り心地はいいし、走行性にクセもない。市街地での足としてはもちろん、快適なツーリングを楽しむこともできる。サイドスタンドの使い勝手に不満はあるものの、いつでもどこでも気軽に乗ることができるミドルスクーターとしての魅力は、十二分に詰まっている。

ライダー・文＝栗栖国安　写真＝橋本秀法

ヘッドライト、ハンドルカバー一体式のメーターパネルには、アナログ式スピードメーター、液晶ディスプレイなどが装備。

インジェクション採用のクオーサーエンジンが、力強くスムーズな走りを実現。排ガス対策としてはユーロ3に対応する。

片支持タイプのフロントサスペンションは、ソフトな乗り心地を与えてくれるボトムリンク式。ブレーキは前後ディスクを採用する。

スペースは小さいながらもフロントインナーボックスを装備。小物入れに便利だ。また上部には、コンビニフックも装備する。

格納式のタンデムステップはリンク構造で節度がある。これならタンデムライダーも安心して足を載せることができる。

シート下にはもちろん収納スペースがある。また、この収納トレイを取り去ればエンジンメンテもできる。キャリアは標準装備だ。

全長×全幅	1940×755（mm）
シート高	790mm
エンジン	ピアジオクオーサーエンジンSOHC4ストローク4バルブ液冷単気筒
最高出力	16.2Kw／8250rpm
最大トルク	20.2Nm／6500rpm
タンク容量	9.2L
乾燥重量	148kg
タイヤサイズ	F120／70-12　R130／70-12

試乗レポート ベスパ GTS250 IE

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試乗レポート　ベスパ　GTS250 IE

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