ビモータは30余年に渡り、他メーカーのエンジンをハンドメイドの車体に搭載したスペシャルマシンを製作、マシンの造りだけでなく走りにかんしても、アートと呼べる世界を生み出してきた。そのビモータから登場した新作は、ドゥカティエンジン搭載の7番目のビモータ車であることを意味するDB7。搭載されるエンジンは、スーパーバイクの1098用だ。
こうしたスーパースポーツでは、走りにアートの世界が入り込む余地などなさそうなものだが、そこはビモータである。
DB7は、レーシングマシンとして高次元化された1098にはない味わいと、操る面白さを感じさせる。マシンには調教されたしなり感があり、ライダーをホッとさせてくれるし、マシンが何をしようとしているか伝えてくれるのだ。
低めのシートに座って遠めのハンドルに手を伸ばしたライポジはちょっと昔風。リヤへの荷重を維持したまま寝かし込めば、高まる横Gによって車体がしなり、胸が透くぐらいに曲がっていく。マシンを身体で感じ、感じることで、マシンが旋回性を発揮してくれるのは最高だ。
またエンジンは、1098にある中速域のトルク谷が一掃され、サーキットで4000回転まで落ちても、コーナーを力強く立ち上がっていくことができるし、レスポンスもスムーズになっている。
サーキットを味わいたっぷりに駆け抜け、より日常領域から広く楽しめるDB7なのだ。