バイク試乗レポート: セロー250
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試乗レポート ヤマハ セロー250
ヤマハ セロー250
20年目のハロー&グッバイ
アプローチを変えて登る、セローの頂
いい意味で、やはり
セローはセローだった
20年前にヤマハがセローで打ち出した「マウンテントレール」というコンセプトを継承しつつも、そこへと至るアプローチを今の時代にマッチさせアップデイトする。つまり、セロー225の引力から脱却しながらも、セローが造ったムーブメントが持つ慣性モーメントをうまく使って、独自の宇宙を突き進む……新型セロー250は、まさにそんな印象だった。
トリッカー用のOHC2バルブの250エンジンを載せ、フレームボディもダイヤモンドからダブルクレードルへと変更、剛性の高い骨格となった。サスはストロークこそ225と同様ながら、減衰圧特性を一新。初期からフルストローク域まで安心感を持った特性となった。リヤショックのバンプラバーは材質にまでこだわり、フルバンプ時のガツンを控えた点も自慢だ。
スタイリングも、スタックハンドルやライト、タンク、シート、リヤフェンダーなど、すべてを一新しながら、イメージはセローらしさをうまく表現した秀逸なものだ。
今回、新しいセローで走ったルートは、ガレ場の多いラフな林道だった。乗り始めの最初の印象は、トルクフルで全体にしっかり感のある乗り味に、これまでのセローにはない重厚感を感じた。エンジンは回転に頼らずともアクセル開度でトラクション調整が効き、初期から動きの良いサスペンションと、ライダーの意志を正確に反映するフレームのコンビで、速度域を問わずライディングが楽しい。接地感、安心感が充実しているから、積極的にバイクをコントロールしよう、と乗り手をその気にさせるのだ。
つまり、パワーアップはしたが、セローはセロー。森深い道を走ることも得意なままだった。今回は林道からの短信となったが、今度は街や高速度路などを含めた複合的な場面でこの新しいセローを堪能してみたい。
写真=松川 忍 文=松井 勉
車体サイズのほとんどが先代同様ながら、各部からボリュームが感じられるセロー。タンクの質量の大きさが印象的。
トリッカーから流用したエンジン。フレームデザインもトリッカー同様、サイドパイプを使ったダブルクレードルを採用。
スタックハンドルには角度が付き、持ちやすさと、ロープを掛けたときに位置決めしやすいようになった。
短いアッパーとタイヤに沿うように配置した後部側の2枚構成になったフロントフェンダー。
時計、ツイントリップの装備はもちろん、トリップメーターの拡大表示など、パネルを含めたデザインが印象的な物になった。
全長×全幅×全高
2100×805×1160(mm)
シート高
810mm
ホイールベース
1360mm
乾燥重量
115kg
エンジン
空冷4サイクルOHC2バルブ単気筒
ボア×ストローク
74.0×58.0(mm)
総排気量/圧縮比
249cc/9.5
最高出力
21ps/7500rpm
最大トルク
2.14kg-m/6500rpm
燃料タンク容量
9.8L
燃料供給
キャブレター
ミッション
常時噛合式5段リターン
ブレーキF
油圧式シングルディスク
ブレーキR
油圧式ディスク
タイヤサイズF
2.75-21
タイヤサイズR
120/80-18
ボディカラー
ホワイト、ガンメタ
メーカー希望小売価格
46万2000円
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