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FZ1 |
FZ1 FAZER |
走る場所にきっちりチューニングを合わせる。FZ1の国内仕様に乗って、僕はこの大切さを再認識した。
バイクの楽しさは、シャシー、エンジン、それにギヤ比。それぞれの特性が、走る速度域と和音を奏でる。その時に心は「楽しさ」を享受する。これが外れていると、乗りにくさを感じたり、乗りこなせないストレスを感じたり、疲れてしまったりするのが一般的だ。
ヤマハが送り込んだ、国内仕様のFZ1は、きっちり日本チューニングを施した結果、逆車よりも楽しめる乗り物に仕上がっていたのである。
それは乗り出せばすぐにわかる。低開度のアクセルワークでも充実のトルク感。輸出用で感じた、低速トルクの薄さは皆無だ。1速で140km/h近く出る高いギヤ比を物ともしない。当日は寒かったが、フラットなパワー特性の恩恵で、安心してアクセルを開けられた。二次的にパワフルになる輸出仕様では、ここまで無意識に開けられない。駆動力を安心して引き出せるから、バイクがいきいき走る。
だからバイクをコントロールするのがどんどん楽しくなる。馬力は楽しさの絶対条件ではない。日本のワインディングなら、これ以上パワーの必要性も感じないだろう。ブレーキにも不満はない。タイヤのグリップも上質だ。唯一、アクセルの重さを緩和してくれれば百点満点だ。 |