はっきり言って、ニューR1はレーシーでサーキット指向の強いマシンである。サーキットでは、ほぼ1万回転以上に保ち、上限回転数の1万3750回転までを使い切る高回転型特性ぶりで、エキサイティングな世界に導かれていく。
しかし、ここで注目すべきは、その先鋭ぶりではなく、最高出力域をキープできるコントロール性である。コントローラブルだから、高回転域をキープして性能を発揮させることができ、それゆえ、なおさらレーシーな世界を堪能できる。
M1と同じクロスプレーン型クランクが投入されたR1では、トラクション感覚がスキッと澄み切って届く。既存の並列4気筒にない感覚で、スロットルとトラクションが直結、スライドをコントロールできる。いっぽう低回転域は、トルクフルではないにせよ、まるでVツインのようなビートを放ち、ある意味で官能的。反対に6000回転から上では、スムーズさの中にパルスを感じながら、コーナーを立ち上がっていくことができる。
ハンドリングはフロントヘビーで、フロントが高い接地感を維持。フロントを軸にした感覚が保たれ、リヤに集中してのライディングを許してくれる。
またフロントブレーキも、強力な上にコントローラブル。その効き具合はレバータッチを通して伝わってくる。
そんな究極のコントロール性能が追及されたR1だが、国内の発売は、いまだ未定。これを待ち望んでいるユーザーは多い。
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