マッシブトルクを持つストリートドラッガーである一方で、クルーザーのように快適に巡航できるVMAXは24年間に渡り、その確固たる地位を不動のものにしてきた。
そして、ついに登場した新型。初期型登場から四半世紀を経ているだけに、動力性能はもちろん、ハンドリングにいたるすべてが高次元化されている。200馬力を発揮し、並みのスポーツネイキッドをしのぐほどのコーナリング性能と高速安定性、ブレーキング能力を見せつけるのだ。
ところが、スロットルをワイドオープンすれば、頭が真っ白になるような怒とうの加速を見舞ってくれるというのに、低回転域ではVフォアの鼓動を奏でながら、大らかな気分でのクルージングも味わえる。そして、すべてが高性能でエキサイティングであっても、それらがとがって感じられることはない。しかも、すでに以前味わったことのある趣さえある。紛れもなくVMAXなのだ。
そして、しっかり存在感を訴えてくる。けっしてビギナー向けにフレンドリーな外っ面を見せるわけでなく、どちらかというと強面だ。とくに低速域ではステアリングが重く、扱いづらく感じるかもしれない。だが、身体がほぐれてリズムに乗るほどに、マシンが身体の一部になってくる。こいつは、この上なくマニアックなバイクなのである。
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