昨今、趣味としてのバイクの市場が成熟し、逆にバイク離れが進んでいるのは、日本だけのことではない。その原因の一つには、趣味性=性能を追求していったことで、バイクがデカく高性能になり過ぎた弊害もあるのではないだろうか。
本来、バイクとは足代わりにも使える手軽さがあって、そうやって使うこと自体が楽しく、また気が向けばどこでもスポーツし遊べることが身上のはず。でも、最近は取りまわしに苦労するほどデカかったり、ビギナーが立ちゴケの不安と闘わなければならないバイクも珍しくない。また、高性能エンジンには、街なかでの扱いに難しさがあることも否めない。
ところが、このXJ6ときたら、最近のバイクが忘れていたものがギッシリと詰まっている。まず発進すると、従順で優しいレスポンスにホッとさせられ、ワクワクしてくる。スロットルを戻してもスムーズに減速、停止したときもマシンはピタリと安定していて、ストレスがない。
そのレスポンスに呼応して、ステアリングもスムーズに応えてくれるから、Uターンさえも楽しくなってくる。街なかを走っていても、サスの動きや車体のしなりが伝わり、マシンの表情は豊か。とにかく楽しい。それでいて、ワインディングを攻めても不満はない。
そんなXJ6には、バイクの原点を見る思いがする。
|