バイク試乗レポート:MT-01
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試乗レポート ヤマハ MT-01
ヤマハ MT-01
ソウルビートとスポーツ性を併せ持つV2
お披露目から5年! ヤマハ入魂の新作
MTー01は、'99年の東京に発表された参考出品車(車名もMTー01と同じだった)をもとに開発されたビッグVツインスポーツである。もちろん、ここに登場したニューモデルは参考出品車と別モノではあるが、その前年に登場したロードスター1600のエンジンを搭載(このMTー01は1700ccのウォーリアベースのエンジンを採用するが、それはロードスターから発展したものだ)することや、基本的なスタイリングは変わらない。
産声を上げてからここに量産車として姿を現すまで、ずいぶんと時間がかかったことになるが、その理由は乗ればすぐに納得できるというものである。MTー01にはこれまでのバイクにはない走りの世界が繰り広げられていて、それを具現化するまでのヤマハの苦労がしのばれ、またボクたちは造り込まれた濃厚な魅力を堪能できるからである。
さて、MTー01は見た目に大きく映るが、またがれば一般的なビッグネイキッドという感じのライポジで、これが普通に楽しめるバイクであることがわかる。
たしかに、並列4気筒のビッグネイキッドと車重はあまり変わらなくても、重心が高めで足着き性があまりよくないことが加わって、それらよりも重さを感じることも事実だが、走り出せば素直で、重さによってステアリングがきれ込むようなこともない。歩くような速度でもふらつかないので、街なかの渋滞でも苦労することはない。
そして、走り出すやいなや、いきなり路面を蹴り出し、身体が揺さぶられるような鼓動感に、思わず声を上げそうになってしまう。なんと、普通のバイクのライポジでアメリカンクルーザーのような鼓動感を味わえるのだ。
日常域で味わえるこれまでにない鼓動感
いや、鼓動感はそれを超えているといっていい。エンジンの粘りこそベースとなったウォーリアよりも劣るが、パルスのひとつひとつが明確に感じられ、さらに軽い車体をそのパルスが押し出してくれるのが感じられる。おまけに2000回転付近にはウォーリアにはないトルクの膨らみがあるから、なおさらである。その回転数で5速トップだと約90km/hだから、日常域でこれまでにない鼓動感を味わうことができる。
それだけではない。ワインディングロードでは一般的なネイキッドモデルの水準を超えたコーナリングを楽しむことができるのだ。
とにかく、乾燥重量240kgの巨漢を思いどおりに止め、曲げることができる。CFダイキャストによる高剛性アルミフレーム、φ43の倒立フォーク、YZFーR1と同じ一体成型ラジアルマウントキャリパーといった最新のアイテムを採用しているのは、ダテではない。それもとがったところを感じさせるのではなく、巨漢をコントロールするためにそれらのポテンシャルが生かされている。
ブレーキは強力そのものであっても、微妙なコントロール性も抜群だ。そして、寝かし込みにしたがって、フロントは接地感を高め、狙いどおりに旋回半径を小さくしてくれる。そこにはデカくて重いバイクと格闘するというイメージはない。
これだけ、強烈なビートを伴った味わいがあって、そのくせコーナーでは思いきりスポーツできる。そんな二面性を持ち、それらが両方ここまで秀でているバイクってこれまでにあっただろうか。はっきりいって、ボクには思い出せない。
写真・文=和歌山利宏
ロードスターウォーリアに搭載する空冷48度Vツインエンジンをベースに、吸排気効率を徹底追及。パフォーマンスを大幅に向上させたことで、優れた加速特性を発揮する
シンプルで視認性に優れる輝度調整付きメーターパネルは、アナログタコメーターとデジタルスピードメーターを採用した
ラジアルポンプ式のマスターシリンダーとラジアルマウント型のキャリパーはYZF-R1と同タイプのブレーキシステムだ
高次元のドライバビリティを引き出すために、逆トラス形状のアルミ製リヤアームを採用。低圧鋳造アルミ部材を相互に溶接してボックス構造を形成、剛性強度バランスを確保
全長×全幅×全高
2185×790×1160(mm)
シート高
825mm
ホイールベース
1525mm
乾燥重量
240kg
エンジン
空冷4サイクルOHV4バルブV型2気筒
ボア×ストローク
97.0×113.0(mm)
総排気量/圧縮比
1670cc/8.36:1
最高出力
90ps/4750rpm
最大トルク
15.3kg-m/3750rpm
燃料タンク容量
15L
燃料供給
電子制御フューエルインジェクション
タイヤサイズF
120/70ZR-17
タイヤサイズR
190/50ZR-17
ボディカラー
ベリーダークバイレットメタリック1、シルバー3
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