ドゥカと言えば、イタリアンレッドのスーパースポーツ。熱いスパルタンさも持ち味だ。だから、ネイキッドのモンスターにしても、そんなパッションはしっかり貫かれている。
そんなイメージをお持ちの読者が多いはずである。たしかに、それは間違ってはいない。でも、新しいモンスター696はそれだけではないのだ。
ビギナーの初めてのバイクとしても扱いやすく、通勤や普段の街なかの足としても使えるのだ。それでいて、ドゥカらしいパッションを求めるエンスーを裏切ることもない。こいつはドゥカそのものなのだ。
またがると、低く前方にあるワイドなハンドルに手を伸ばすモンスター独特のライポジは健在。でも、ハンドルはこれまでより高く手前にあって、幅も狭くなっているので、結構自然だ。何より、足着き性が良くなり、ハンドル切れ角も十分にある。いかにも、使えそうなバイクに生まれ変わっている。
エンジンは、低回転域は排気量相応と言ったところながら、扱いやすく、鼓動感もある。しかも中高回転域ときたら、従来の800〜900ccモデルを勝ると思えるほどの、走りっぷりを見せつける。
フレームは剛性アップされていて、走りはつねに安定、安心感があるから取っ付きもいい。おまけに、コーナーを攻めると、これまで以上にドゥカらしくこたえてくれる。新世代モンスター、いや新世代ドゥカを思わせるニューカマーなのである。