ティアドロップ型のタンクやメッキフェンダーなど、ネオクラシック的な演出が施されて登場したCB223S。
このCB223Sは、シャシーとエンジンの基本をFTRから譲り受けているが、外装パーツを載せ替えただけの、単純な着せ替えモデルではない。
エンジンは日常使用で多用される低中回転域を中心にリファイン。フレーム各部の剛性バランスを見直し、ロードスポーツとして最適化。小柄な車体が生み出す、取りまわしの良さは抜群。そして「走り」のバイクの称号であるCBを名乗るだけあり、コーナリングがすごく楽しい。
ハンドリングは素直で、じつにイージーに曲がるのだが、フロントに適度な重さがある。その手応えがバイクを操っていると強く感じさせてくれるのだ。ライダーとバイクは対等の関係ながら、あくまで主役はライダーといった感じだろうか。
ただし、サスペンションの設定はソフトだし、ブレーキもそれほど強力ではないので、調子に乗ってコーナー進入時に突っ込み過ぎると、冷や汗をかかされるかもしれない。個人的には、より制動力の高いブレーキパッドを試してみたいところだ。
最高出力わずか16馬力。当然、驚くような速さはないが、楽しさはその数値以上。車格や排気量から、エントリーユーザー向けととらえがちだが、さまざまなライダーが楽しめる1台だ。