新型CBR1000RRは、初めてのスーパースポーツ、もしくは最初のリッターバイクとして乗るのに、ちょうどよいモデルかもしれない。
なんと言ってもまず、異常なほどに小さくて軽い。カウルのなかには400ccエンジンが入っているのではないかと、疑いたくなるほどだ。今回は、福島県の山奥にある、狭くてツイスティな峠道を中心に試乗を行なった。本来なら、あまりリッタースポーツを走らせたいと思えるような道ではないが、おかげであまり神経質にならずに走ることができた。
あまり前傾がキツくないライポジも、1000とは思えない親しみやすさにつながっている。この3代目なら、たぶんロングツーリングも大丈夫だ。
またエンジンも、リッタースーパースポーツ初心者に優しい仕様だ。国内4メーカーの最高出力自主規制の撤廃により、先代国内仕様の94馬力から、118馬力へと大幅な出力向上が図られたとはいえ、それでも欧州仕様の178馬力という数値と比べれば、最高出力はだいぶ抑えられている。腕に覚えのあるライダーだと、この数値を物足りないと思うだろうが、初心者にとっては怖くないと思える設定となっているのだ。
唯一、僕が不満だったのは、国内の加速騒音規制に適合させるために設定された、あまりにハイギヤードな変速比。これにより、低中回転域での加速は鈍すぎる印象だった。もっとも、スプロケットならあまりコストを掛けずにチューンできる。大きな問題ではないかもしれない。
いずれにせよ今度の1000RRは、カタチはちょっと取っ付きづらく思えるけど、乗ればとってもフレンドリーなのだ。