バイク試乗レポート:CBR600RR
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試乗レポート ホンダ CBR600RR

 ホンダ CBR600RR

「国内仕様」も想像以上
軽量化が大命題の最新型が見せた
渾身のウエル・バランスに触れる
HONDA CBR600RR HONDA CBR600RR
楽しさは上方修正走りの裾野はワイドに
 5月24日に待ちに待った新型CBR600RRの国内仕様がデビュー。ヨーロッパでは半年前に発売され、インプレなども専門誌に紹介されているから身近に感じている読者も少なくないはず。先代からのスタイルを踏襲したかにも見えるが、実際はRC212Vと同時にデザインを造り上げたという。
 各部は新しいディテールにあふれている。正面中央にガバッとインテークが口を開け、面積の小さなミッドカウルは今までにない造形。シャシー、エンジンという機能部品をチラッと見せるパートでは、アスリートの筋肉のような力強さが印象的だ。
 跨った印象はスリムだ。前端を狭めた足着き性のいいシートと、全体で8kgも絞られたウエイトの恩恵で、とても小さく軽く感じる。新型はトルクの厚さを感じさせ、神経質な面がない。高回転まで追従するノッキングセンサーの採用を含め、初めて無鉛ハイオク指定にしたこと、そしてエンジン全体のドライバビリティの向上と軽量化、多くのことがかみ合い、いい感じだ。
 そのまま4000回転前後までを使って走っても不足を感じない。ハンドルバー位置を10mmほど上げたポジションは「ツーリングがラクだ」と思えるほど上体がリラックスできる。開発者は「中速域の充実、高回転でのエキサイティングさを楽しませる特性造りに腐心した」という。適度にピッチングを許すサス設定は、ツーリングペースでも曲がりやすく、クルマの流れに合わせても退屈しない。
 国内仕様に合わせた騒音対策により、メカノイズがきれいに淘汰され、雑味のないきれいな吸排気音。そしてエンジン音は見事なサウンドとなり、心地よさを享受できたのは望外だった。
 ワインディングに踏み入れると、それはファンの一言。高回転まで迫力がある。輸出仕様から無理してパワーを抑えている感じがなく、自然な特性が嬉しい。トップエンドこそ劇的ではないが、10000回転を超えてからもパワーは上向きだ。全域でトルク&パワーがたぎる。
 フレームはしなやかで安心感がある。明快なピッチングを利用してアクセルのオンオフだけでも、十分に曲がるきっかけを誘い出せるから、知らない道でもバイクの動きと操作の遊離感が少ない。ブレーキのスタビリティも高い。サスはサーキットにでも持ち込まない限り、減衰調整をする必要もなさそうだ。高速コーナーでのスタビリティは自由度を失わず、安心感だけを抽出したような上質さ。
 この新形フレームと、CBR1000RRよりもコンパクトになったHESDにより、接地感の芳醇さもアップ。ブリヂストンのバトラックスBT015のパフォーマンスもさることながら、バイク全体の特性のよさが際立つ。これはデビューまで待った甲斐がある。
 2時間の試乗は本当にあっという間に過ぎてしまった。それが完成度の高さをあらわしている証拠でもある。
文=松井 勉 写真=松川 忍
HONDA CBR600RR VTR1000SPで採用したV字型エアインテークが眉間に収まるのが新型の特徴。アッパーとミッドカウルのスリットにも注目。
HONDA CBR600RR ステップは荒いローレット仕上げとして、グリップ感を高めている。ステーは某有名工具(スナップオン?)のデザインを意識している。
HONDA CBR600RR 軽量化が大命題のこのモデルでは、重量増は何においても許されなかった。ラジエターは冷却効率を11%向上、重量は230gダウン。幅も40mmダウン。
HONDA CBR600RR エンジンまわりのボリュームに対し、絞られたシートまわり。乗り手がボディコンタクトする場所はスリムだ。一体感はこの上ない。
HONDA CBR600RR リヤホイールも剛性バランスを変更、400g軽量化した新作。スイングアームも240g軽量化。ユニットプロリンクは継続採用している。
HONDA CBR600RR アウターチューブに黒のアルマイト処理を施し、表面硬度をアップ。跳ね石などによるキズへのタフネスと質感の向上を果たしている。
HONDA CBR600RR エンジン左側には国内仕様専用となる遮音用のカバーが取り付けられる。ドライブスプロケット、チェーンなどの音が低減、疲労感も軽減されている。
HONDA CBR600RR アクセル急開時に不足する吸気を補うチャンバー室も兼ねるエアインテーク。メーターステーなどの機能も備えているのだ。
HONDA CBR600RR サイレンサー、灯火などの位置関係を変更をした新型。マフラーエンドもスラッシュカットとなり、速そう度をアップ。
HONDA CBR600RR メインフレームは4ピースとなり、溶接距離は従来型比で1/3程度。溶接による剛性バランスの変位量も少ないのが美点。
HONDA CBR600RR
SPECIFICATIONS
エンジン 水冷4ストロークDOHC 4バルブ4気筒
排気量 599cc
最高出力 51Kw(69ps)/11500rpm
最大トルク 51Nm(5.2Kgm)/8500rpm
全長×全幅×全高 2010×685×1105mm
シート高 820mm
乾燥重量 158kg
燃料タンク 18L
燃費 29km/L(60km/h定地走行)
タイヤサイズ F120/70-17 R180/55-17
価格 107万6250円
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カウルを外すと見えてくるCBRの真の性能
「新型の凄さ」はフレームの製法にあった。従来モデルでは11のパーツを組み立てていたフレームボディが、新型ではわずか4つ。すべてアルミ鋳造部品で、溶接部も大幅に低減、これにより理想的な軽さ、強度、そしてしなやかさを手に入れた。特にエアインテークをヘッドパイプ部に通したのは、技術者的には感涙の手法なのだとか。肉厚も2.5mmほどと、押し出し材と同等にまで仕上げている。このフレームが新型の走りの原点だ。
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