扱いやすさに軍配!次世代を担う4スト登場 |
今、モータースポーツシーンも環境負荷の少ない2ストから4ストへの転換が進んでいる。モトクロス、モトGPではその転換期を経験し、'06年にはトライアルも4スト化が待ちかまえている。ホンダはその移行期限に先んじてRTL250Fをリリースした。
じつはこのモデル、6月に行われたトライアル世界選手権日本グランプリに、プロトタイプながら小川友幸のライディングで総合9位入賞という戦歴を上げている。「あの時点ではドノーマルでどこまでいけるのかを探りました」という開発者の言葉どおりならば、市販状態でのポテンシャルは高レベルにあることは間違いない。
開発コンセプトはふたつ。2ストから4ストへのスイッチにあたり、車体重量の増加抑制と、その移行に違和感のないエンジン特性を作ることだ。
軽量化は、エンジン単体でも2ストのRTL250Rの24.2kgに肉薄する25.1kg。その走りは2スト時代よりもよりダイレクトだ。レスポンスのよさとその確実さは、どんな場面でもエンジンがついてきてくれるという頼もしさにあふれていた。
たとえばステアケース状の段差を越えたとき。2ストの250Rでは大きなバックトルクの影響で、後輪が壁を上ったときにスロットルオフでも加速モーションが起こり、クラッチ操作などでそれをいなしてやる必要があった。4ストはそれがより少ない。トライアル・ドシロートのボクでさえ、4ストの乗りやすさに助けられる場面が多かった。
2ストの名誉のためにいえば、2年前に乗ったRTLのエンジンにはいたく感銘を受けたし、その乗りやすさには驚いた。しかし、それを凌駕するような扱いやすさがこの4ストユニットには存在するのである。 |
 |
 |
フレームチューブを小型化した250F。単体で1.5kgの軽量化を果たしている。音質はセクシーではないが、サイレンサーからは歯切れのよいサウンドが届く。また、燃費に優れるため、アルミ製タンクは容量も小型化された
|
 |
 |
前後のサスペンションユニットでも480gの軽量化がされたほか、ディスクプレートの肉厚を0.5mm肉薄化。スプロケットも含めマウントするボルトの数を減らすなど、細部まで徹底した軽量化を施している
|
 |
 |
CRF250Rをベースに作られたエンジン。しかし、ストロークは2mmアップの54.2mm、キャブからFIへ。しかもその燃料ポンプへの電力供給をバッテリーレスで具現化。クラッチも大径化と同時に油圧クラッチの採用など、まったくの別物だ
|
全長×全幅×全高 |
2010×830×1130(mm) |
シート高 |
650mm |
ホイールベース |
1320mm |
最低地上高 |
335mm |
乾燥重量 |
72kg |
エンジン |
水冷4サイクルSOHC4バルブ単気筒 |
ボア×ストローク |
76.5×54.2(mm) |
総排気量 |
249.1cc |
最高出力 |
14kw/7000rpm |
最大トルク |
21.8N・m/5500rpm |
燃料タンク容量 |
1.9L |
燃料供給 |
PGM-FI |
ミッション |
常時噛合式5段リターン |
ブレーキF |
油圧式シングルディスク |
ブレーキR |
油圧式ディスク |
タイヤサイズF |
2.71-21 |
タイヤサイズR |
4.00-18 |
メーカー希望小売価格 |
83万7900円 |
|
|