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インタビュー バイクにゆかりのある人物へのインタビュー記事です。
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インタビュー 清水"Shakin"知巳
清水 Shakin 知巳
ハーレーダビッドソンのカスタムで有名な
「シェイキンスピードグラフィックス」の清水氏
「かっこいい」ものを「遊び心」豊かに提供したいという
スタンスが質の高い作品を生む
そのオリジナリティあふれる作品の
背景にあるものはいったいどんなものなのだろう
清水 Shakin 知巳
他人とは違った「かっこいい」バイクに 乗りたいという思い
 バイクに乗るならかっこよく乗りたい、だれもが少なからずそう思っているに違いない。「だれよりも速く走る」、「街に行くからバイクも服もビシッときめる」、「自分だけのカスタムをしたい」……。人によって視点や表現する言葉はいろいろだけど、その根底には「かっこいい」という意識に集約される感情がどこかにあると思う。機能って面はもちろん前提としてあるんだけど、そういうかっこよさを求める心がなかったら、バイク自体はもちろん、こんなにたくさんのショップやカスタムパーツ、ウエア類ってきっとなかったはずだ。
 今回お話を聞いたのが、その「かっこよさ」をカスタムの世界でつきつめている、「シェイキンスピードグラフィックス」の清水知巳さん。とくにハーレーダビッドソンのカスタム界で有名なショップだ。普通、外装も含めたカスタムの場合、塗る人、描く人、パーツを作る人、組み上げる人、それぞれ作業が分担される。でも清水さんは、ピンストライプやレタリングなどのカスタムペイントから、カスタムパーツの製作まで、エンジンの中身以外ならトータルでハーレー1台をカスタマイズしてくれ、しかもその仕事がすごくかっこいいという貴重な存在なのだ。
「根底には、つねに『かっこいいものを』という考えがあります。みんな他人と違うバイクに乗りたいという思いがあるはずです。自分もそうだったし。だから、自分が描くことでお客さんには喜んでもらいたいし、そのバイクを大切にしてほしい」
 ピンストライプやファイヤーパターン、キラキラと輝くフレーク……。バイクとヘルメットを含めると仕事の8割はハーレー系のもの、という作品のベースには、アメリカのサインボード(ここでは『看板』の意味)デザインの影響があるそうだ。
「60〜70年代アメリカのサインボード文化とかコマーシャルカーなどのテイストが好きなんです。なんの変哲もないドライブインのウインドウに描かれたペンキの剥げた看板とか、アートではなく、仕事になってるものから出てくる味わいがいいんです。それをハーレーにのせたかった。グラフィックの場合、ヘルメットにレタリングするならそのスペルにあててみたり、サインボードのノリをタンクにのせてみたり。サインボード文化の空気感をハーレーに落とし込めたら、すごく独自性が出ると思ったんですよ。それにアメリカのサイン文化って、遊び心がありますよね。アメリカの看板は装飾性が豊かでいい。そういうところも、自分の作品に落としこんでいきたいですね」
そう、この「遊び心」は、清水さんの仕事のキーワードになっている。
「ハーレー屋がハーレーに乗ってないとさまにならないのと同じで、バイクっていう遊びの道具をかっこよくして提供するっていう仕事をしている以上、自分も遊んでないと(笑)。アメ車に乗って、ハーレーに乗って、スノーボードもスケートボードもやる。自分の好きなことはなんでもやる。スノボやスケボーのグラフィックも仕事としてやってますよ。
 アメリカのX系ユースカルチャーには、すごく影響を受けますね。たとえばスケートボードのデザインなどはすごくかっこいいですよ。ボードだけじゃなく、かっこいいウェブサイトを作ってる人とか、いろんなジャンルの若いアーティストとのつながりも大事にしてます。ハーレーの仕事をしているからそれだけってわけじゃなくて、かっこいいものにはフレキシブルに影響を受けたい。だから、情報にはどん欲ですよ」
 好きなことをかっこよく楽しむ。この非常に自然な流れが今の清水さんにはとても居心地がいいそうだ。
「力が入りすぎても、いい作品ができないんです。好きなことを仕事にして、家族が暮らせて、アメ車とハーレーに乗れれば十分。このユルイ感じが自分には合ってるんですよ」
 絶妙な力の抜け具合と、クオリティの高い作品。それでいて「自分はアーティストって柄じゃない。看板職人、ペンキ職人がいいんです」というスタンス。作品はもとより、人間的にも興味深い。カスタム系のイベントではよくブースを出しているということなので、面白そうだと思った人は、ぜひ訪ねてみてほしい。
清水 Shakin 知巳 これがまさに「サインボード」。アメリカ映画などで観たことがあるかな? このテイストが清水さんの作品の根底にあるのだ。
清水 Shakin 知巳 仕事場に飾られた作品には、シェイキンスピードグラフィックス独特の雰囲気が漂う。自分だけのアイテムが欲しい人にはピッタリだ。
清水 Shakin 知巳 制作中のタンクや、清水さんの作品が並ぶ仕事場。清水さんの作品は、初期のトロイ・リーのデザインなどにも影響を受けているそうだ。
清水 Shakin 知巳 何層も塗って乾かして、という作業を繰り返すため、タンク、前後フェンダーのセットで、完成まで1週間から10日の時間が必要。
清水 Shakin 知巳 雑然と積み上げられた商売道具だが、いい味わいを醸し出す。この塗料の組み合わせが、かっこいい作品となっていくのだ。
清水 Shakin 知巳 あるオーダーのラフスケッチ。希望の雰囲気を伝えると、こういったラフ案を提示してくれる。直接やりとりしてデザインを決定する。
PROFILE
清水 Shakin 知巳クシタニの販売員やバイクショップ勤務を経て、1992年に独立し、現在の場所にショップをかまえた。学生時代に出入りしていたカスタムペイントショップでノウハウを学んだが、デザインのスタイルは独学で獲得したそうだ。
Shakin SPEED GRAPHIX
住所:茨城県東茨城郡城里町石塚1530
TEL:029-288-5791
FAX:029-288-5748
http://www.shakin-speedgraphix.com
写真=増井貴光

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