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インタビュー ヴァレンティーノ・ロッシ
ヴァレンティーノ・ロッシ
ヤマハに移籍した04年シーズン
YZR-M1を駆りMotoGPクラスで4年連続チャンピオンとなった
バレンティーノ・ロッシ
世界王者にふさわしい
圧倒的な速さと強さを武器に
ライバルたちを実力で抑えつけ
ヤマハに12年ぶりとなる
タイトルをもたらした
ヴァレンティーノ・ロッシ
「今シーズン、厳しい戦いになることは最初から覚悟していたんだ」
 1位と2位が0・097秒という稀にみる僅差で決着がついたロードレース世界選手権シリーズ第15戦オーストラリアグランプリ。この瞬間、熾烈なバトルを制したバレンティーノ・ロッシのモトGPクラスチャンピオンが確定した。
 昨年まで所属していたホンダからヤマハへ電撃移籍したロッシの今シーズン、最強マシンと言われているホンダRC211Vを相手に「どんなレースを見せてくれるのか」「果たして優勝できるのか」など、シーズンインを前にして我々メディアの間ではさまざまな憶測が飛び交った。
 だが、04年の開幕戦の舞台となった南アフリカグランプリでロッシはヤマハYZR-M1を巧みに操り、昨年まで彼自身が乗っていたチャンピオンマシンRC211Vを実力で抑え、いきなり優勝を飾ったのだ。
「ベストレースのひとつ」とレース後にうっすらと涙を浮かべながら語ったロッシ。スタート前のグリッドで見せたいつもの明るい表情とは裏腹に大きな不安を抱えていたことはたしかであり、この結果がロッシとヤマハにとって大きな自信を得られたレースとなったに違いない。
 タイトル獲得後、記者会見のためにヤマハ本社を訪れたロッシは今シーズンをこう振り返った。
「初めてYZR-M1に乗ったのはマレーシアでのテスト。マシンの状況を探り、どこを改善すべきかを考えることから始まった。全体的な印象は悪くなかったけど、エンジン特性の改善やリアの安定性を向上させることが必要だと感じたんだ。その時点ではタイトルを取れるなんて正直わからなかったよ」
 我々の予想を良い意味で裏切ってくれたロッシはその後も好成績を収め、第6戦オランダグランプリからランキングトップを死守。最終戦を待たず、移籍一年目にしてチャンピオンとなったのである。しかも、ロッシにとっては世界グランプリ最高峰クラス4年連続のタイトル獲得だ。
 また、ヤマハの最高峰クラスにおける年間優勝回数のタイ記録(9回)を達成したほか、ヤマハに12年ぶりとなる最高峰クラスでのシリーズチャンピオンという輝かしい栄冠をもたらしたのである。」
王者の風格が漂うクレバーなライディング
 97年に125ccクラス、99年に250ccクラス、そして01年に500ccクラスと、いずれのクラスも参戦2年目でチャンピオンとなったロッシ。結果だけをみると文句の付けようのない成績を残しているが、そこに至るまでには必ずしも順風満帆ではなかったはずだ。
 その当時のロッシは他をまったく寄せつけない圧倒的な速さをみせる一方で、転倒によるリタイアやケガなどに見舞われ、どちらかと言えばリスキーなライディングをするライダーという印象が残っている。
 しかし、01年まで最高峰だった500ccクラスからモトGPクラスへ移行してからというもの、ロッシの転倒シーンを目にする機会はほとんどなくなった。それはチャンピオンという実績を積み重ねてきたことによって、タイトル獲得の難しさを誰よりも深く理解しているライダーへと成長したからに他ならない。
 つまり、多くのジャーナリストはロッシを天才と形容しているが、チャンピオン獲得に対して人一倍貪欲で、いざレースとなればクレバーなライディングができる数少ないライダーだと言えるだろう。
 チャンピオン獲得の喜びは尽きないだろうが、すでに各メーカー来シーズンに向けてのテストが始動している。今後もロッシの一挙一動に視線は集中するだろうが、ライバルたちも簡単には勝たせてくれないはず。そうした中で、進化の手を緩めない王者ロッシがどんなレースを我々に披露してくれるのか、いまから開幕戦が待ち遠しくて仕方がない。
ヴァレンティーノ・ロッシ ヴァレンティーノ・ロッシ ロッシのライディングはタイヤを大きく滑らせ、マシンの向きを変えるドリフト走行。最高出力240馬力以上を誇るモンスターマシンをまるで自分の手足のように自在に操ってしまう
PROFILE
1979年2月16日、イタリア出身。弱冠18歳で125ccクラスの世界チャンピオンを獲得したのを皮切りに、250ccクラス、500ccクラス、MotoGPクラスでもチャンピオンを獲得し、4階級制覇という偉業を成し遂げた唯一のライダー。さらに、04年シーズンはホンダからヤマハへ移籍し、史上4人目となる異なるメーカーのマシンを駆って最高峰クラスを制するなど、実力・人気ともにナンバー1のライダーである
写真=松川 忍、ヤマハ 文=相原嘉隆

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