途中、北関東自動車道と関越自動車道を使い、花園ICに向かう。それからまずは東秩父村にある「秩父高原牧場」周辺を経由した。この山越えの道は、場所によっては多少幅員が狭いところもあるがおおむねきれいで、木々の開けた明るいワインディングがずっと続く。路肩にバイクを止めて、新緑の草の上で昼寝をしたくなるような斜面が、いくらでも発見できる。
天気さえ良ければ、間違いなく気分爽快なルートだ。上体を起こせば、サラサラな風を胸に受けて涼みながらライディングできる。ネイキッドバイクを自分のペースで走らせることが、こんなにもすばらしく感じることができる場所はほかにないと思えるほど。XJR1300に乗って来て良かったと思えたいちばんの場所は、街なかでも高速道路でもなく、この道だ。
その山を越えて、行き着いた街が目的の長瀞だ。長瀞駅を目標に進んでいき、駅近くの駐車場にバイクを止めた後、歩いて川岸の岩畳へと向かった。通りの両側にはたくさんの土産物屋が軒を連ねている。しゃくし菜の漬け物や、そば粉、コンニャクなどの特産品が並んでいる。ブリキのオモチャなどを置いているお店もある。わかりやすく典型的な観光地である。
肝心の岩畳だけど、まぁそこそこスケールが大きいからすごいといえばすごい。また、その岩の上までダレもがテクテクと歩いて行けるから、観光地としても非常に良いロケーション。だけど、どちらかといえば観光バスでやって来る団体さん向けって感じが強い。まったく同じ岩畳でも、もし木々の枝をかき分けながら獣道を進み、その先で見付けた風景だったなら、絶対に感動するはずだ。
ここで落胆してはいけない。長瀞・秩父エリアには、ほかにもまだまだ見どころがいっぱいあるはず。長瀞の岩畳は、このエリアにたくさんある見どころのうちの、たったひとつにすぎないはず。……ということで、気を取り直してここからは、今回のツーリングで秩父高原牧場周辺に勝るとも劣らなかった見どころを紹介しよう。
それは、古い建物や街並みだ。言ってしまえば長瀞駅の駅舎も趣のある木造だし、そこからほど近い旧新井家住宅も時代は随分違うが見応えがある。でも、さらに価値があると思えたのは秩父市街や、その西側の小鹿野の街なかで見ることのできる建物。
小鹿野の市街では、街道沿いの両側に旧来の手法で建てられた家が建ち並ぶ。さらにそこから横路に入っていけば、土壁の家なんかもたくさん残っている。古いままの寺社もある。昭和よりもずっと昔の時代まで、一気にタイムスリップしちゃったような気分だ。
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