BMW S1000Rの特長と買取相場の傾向
2014年に登場したBMW S1000Rは、スーパースポーツの「S1000RR」をベースに、ストリート仕様に仕上げられたモデルです。「ロードスターシリーズ」にラインナップされているこのマシンは、卓越した走行性能で知られています。
高次元な走行性能を支えるのは、軽量かつ高剛性のアルミ製ブリッジフレームに搭載された、排気量999㏄のDOHC4バルブ水冷並列4気筒ユニット。登場時のスペックは、最高出力が10,000rpm/156PS、最大トルクは9,250rpm/112Nmと高い性能を誇ります。
走行性能をさまざまなシーンにフィットさせるライティングモードは、「ロード」「レイン」「ダイナミック」「ダイナミックPro」の4種類から選択が可能。
また、クラッチ操作不要でシフトアップ可能なギアシフトアシスタントや、クルーズコントロールも標準装備され、快適なライディングを実現しています。
BMW S1000Rは、スポーツマシンの走行性能を持ちながら、低中速度でも安定した出力とハンドリングの良さにより、市街地やワインディングロードでも扱いやすいマシンとして人気です。
BMW S1000Rの買取価格は、46.8万~141.1万円(2024年9月20日時点)で、買取金額は型式・走行距離・車両の状態によって変動します。
BMW S1000Rを高く買い取ってもらうためのポイント
BMW S1000Rを少しでも高く売却するためには、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
ポイント1:年式
BMW S1000Rは、2014年の発売以来、マイナーチェンジやフルモデルチェンジを繰り返し、走行性能を進化させてきました。
2017年の最初のマイナーチェンジでは、エンジン性能が向上し、最高出力は160PSから165PSに、最大トルクは112Nmから114Nmへとアップ。排出ガス規制EURO4に対応しつつ、走行性能の向上を実現しています。
さらに、2021年の初めてのフルモデルチェンジでは、エンジン性能を維持しつつ、5㎏の軽量化とEURO5への適合に成功しました。ミッションの改良でエンジンの回転数の低下や燃費向上を図るとともに、騒音を抑制するなどの改良も図られています。
2023年モデルは、エンジン周りの変更はないものの、装備がさらに充実。日中でも点灯するデイタイム・ライディング・ライトの採用により被視認性が向上し、6.5インチモニターで車体状態をリアルタイムで把握できるようになりました。
BMW S1000Rに限らず、バイクは年式が新しいほど性能が向上するため、買取価格は高くなる傾向にあります。経過年数が短いとボディや各パーツの消耗が少なく、車両状態が良い場合が多いのがその理由といえるでしょう。
BMW S1000Rの年式ごとの買取価格を見てみると、初代モデルの2014年式は平均65.2万円、2015年式は平均69.0万円、2016年式は平均66.1万円と60万円台が相場です。
しかし、モデルチェンジ後の2017年式は、平均72.4万円と少し価格が上がります。その後も、2018年式は平均81.5万円、2019年式は平均80.0万円、2020年式は平均92.7万円と、年式が新しくなるほど価格が上がっていきます。
また、フルモデルチェンジ後の2022年式は137.5万円、2023年式では153.2万円と、かなり高額です。
なお、現在の最新モデルも、次のモデルチェンジが行なわれると型落ちとなってしまい、買取価格が下がる可能性があります。そのため、売却を検討している方は早めの査定がおすすめです。
ポイント2:走行距離
走行距離は、そのマシンの使用状況を把握する材料となり、買取価格に大きく影響します。
一般的には、一定の走行距離を超えるごとに買取価格は下がるといわれており、「5,000km未満」「1万km未満」「2万km未満」「3万㎞未満」「5万㎞未満」「5万㎞以上」といった区切りがよく使われます。
BMW S1000Rの走行距離ごとの買取相場は 、5,000㎞未満で平均145.8万円、1万km未満で平均108.6万円、2万km未満で平均85.3万円、3万km以下で平均73.5万円、5万km未満で65.1万円、5万km以上で57.7万円です。
個々の車両の状態によっても査定額は変わりますが、走行距離が2万kmを超えると、買取価格は平均で100万円を下回る傾向があります。
ただし、走行距離だけで買取価格が決まるわけではありません。定期的なメンテナンスにより、年式に応じた走行性能を維持していれば、たとえ走行距離が長くても大きく価格を下げる可能性は低くなるでしょう。
ポイント3:ボディカラー
ボディカラーは、マシンの個性を決める一つの要素となるため人気の差が出やすく、買取価格にも影響します。
一般的には、ブラック系やグレー系、ホワイト系などの万人受けする落ち着いたカラーリングは安定した需要が見込めるため、買取価格も高くなりやすいといわれています。
一方で、原色系やその他のカラーは、まれに高値が付くケースもありますが、多くの場合、低い査定となる傾向です。
BMW S1000Rの代表的なブラック・グレー・ホワイト系のカラーには、「ブラックストームメタリック」「フローズン・ダーク・ブルー・メタリック」「ライト・ホワイト」「カタラノ・グレー」などがあります。
原色系では「サン・マリノ・ブルー・メタリック」「レーシングレッド」、さらに3色を配したトリコロールカラーも数パターンラインナップされています。
BMW S1000Rの場合も、やはりブラック・グレー系は安定した人気があり、買取価格も高めです。例えば、グレー系は平均128.8万円、ブラック系は平均118.2万円と高い価格が見込まれます。
一方で、原色系の買取価格はブラックやグレーに比べると全体的に低くなる傾向にあります。しかし、トリコロールカラーは例外で人気が高く、平均105.4万円で取引される場合が多いようです。