BMW S1000RRの特長と買取相場の傾向
「BMW S1000RR」はBMW Motorradによるスーパー・スポーツ・マシンで、メーカー自らがスーパーバイクの最高峰と自負しているモデルです。
2009年のスーパーバイク世界選手権(WSBK)に参戦後、2010年に初代モデルが市販化。それまでのBMWのイメージを大きく変えるインパクトがあったといわれています。
初代モデルでは、総排気量999㏄の水冷4ストローク並列4気筒エンジンを搭載。可変インテークマニホールドやチタンバルブを採用し、最高出力156ps(日本仕様)・最大トルク110Nmを発揮します。
特徴的なのは「3+1」のエンジン・モード設定により、手元で出力モードを簡単に切り替えられるスイッチです。「レイン」「スポーツ」「レース」という3つのモードに「スリック(サーキット使用に限定)」を加えた4つのモードがセットされており、ライダーの要求にダイレクトに応えます。
「BMW S1000RR」は2010年の初代モデル発売後、2012年にフルモデルチェンジしました。その後も2015年・2017年・2019年に仕様変更があり、2023年に登場した現行モデルを「第6世代」と称する流れもあります。
2023年モデル最大の特長はウイングレットの採用で、ダウンフォースによって加速時の前輪の浮き上がりを抑制し、フロントフォークが路面をしっかりキャッチ。超高速域での空力性能に貢献し、効率的に駆動力を加速力へと変換可能です。
また、スクリーンは曲面からバブルタイプに変更。スライドコントロールとブレーキスライドアシストを備えた舵角センサーや電装系の改善など多彩な進化を遂げています。
現行モデルの新車価格は264万6,000円からとなっています。車種全体の買取価格としては100~200万円程度となるケースが多いようですが、車体の状況など条件によって大きく変わる可能性がある点に留意しておきましょう。
BMW S1000RRを高く買い取ってもらうためのポイント
愛車の「BMW S1000RR」を希望どおりに査定してもらうには、査定時にチェックされるポイントを知っておくことが大切です。ここからは「BMW S1000RR」をより高額で買い取ってもらうためのポイントを解説します。
ポイント1:グレード
「BMW S1000RR」は発売された年式によって、装備内容の異なるグレード構成が設定されている場合があります。
例えば2010年発売の初代モデルでは、「アクティブライン」と「プレミアムライン」という2タイプがありましたが、日本国内向けには「プレミアムライン」のみが導入。
続く2012年のモデルチェンジ時は「アクティブライン」「プレミアムライン」の両グレードが展開されました。
2023年以降の現行モデルでは、国内向けは3タイプ用意されており、ダイナミックパッケージに鋳造ホイールを採り入れたベーシックグレードのほか、「Mスポーツ」やダイナミック・ダンピング・コントロール(DDC)なしの「レース」が展開されています。
「BMW S1000RR」はグレードにより装備内容が異なり、高額買取にはマシンの特長となる装備を維持できているかどうかが重要なポイントになります。
ポイント2:年式
何度か触れたように「BMW S1000RR」は2010年の初代モデル以降、2023年の現行モデルまで5回のモデルチェンジを行なっています。
しかし、実はモデルチェンジのない年でも、毎年のようにカラーチェンジなどが実施されており、年式としては2010年以降現行モデルまでの各年式が存在しています。
特に2023年の現行モデルでは、初のウイングレット採用などデザイン面でも一目でわかる変更がありました。新型形状スクリーンやスライドコントロール機能採用など他の年式にはない特長も備えていることから、買取価格も高くなるでしょう。
全体的に見ると、新しい年式ほど買取価格は高くなります。ただ2010年の初代モデルは、年式が古いながらもやや高めに査定がつくこともあるようです。
「BMW S1000RR」は年式による使用やカラー、デザインなどの細かな変更点があるため、その年式ならではの特長を活かせるように、メンテナンスしておくことが大切です。
ポイント3:走行距離
一般的にバイクの寿命は、走行距離によって決まるといわれています。つまり走行距離の多いバイクほど寿命に近いと判断され、実際に買い取りの場合は走行距離の少ないほうが高額査定につながっています。
ただ、マシンによって排気量や機能は異なります。特に「BMW S1000RR」のような大型バイクの場合は、走行距離5万~8万㎞が寿命としての目安になるとされています。
また、バイクの買取価格は走行距離と年式のバランスも重要です。年式が古く、走行距離が少なすぎる個体は、あまり動かしておらずメンテナンスもされていないと判断されることもあります。一方、サーキット走行を頻繁に行なっていると、年式の割に走行距離が多くなり、またバイク自身の寿命を縮めてしまう可能性もあります。
できるだけ高く売却するには、走行距離を抑えつつ、扱い方やメンテナンスまで気を配ることをおすすめします。
ポイント4:ボディカラー
「BMW S1000RR」の現行モデルは、ベーシックカラーの「ブラックストリームメタリック」、「レーシングレッド」、Mパッケージ専用の「ライトホワイト」の3色展開です。「ライトホワイト」はホワイトを基調にレッド・ブルーが入ったトリコロール仕様になっています。
初代モデル以降、年式によって新しいカラーが採用されているため、カラーバリエーションは多くなっています。2011年モデルでは「シャインイエローメタリック」といったユニークなカラーも登場しました。
「BMW S1000RR」のボディカラー別の買取価格を見ると、「レッド」の査定額がやや高い傾向にあります。しかしホワイトやブルー・ブラックといったカラーも査定額が低いわけではなく、幅があるようです。
バイクの買取価格に大きく影響するのは、年式や走行距離、そしてバイク全体の状態です。日常的な手入れやメンテナンスをしっかり行なうことで、査定価格アップにつなげましょう。