ハーレーダビッドソン XLH883の特長と買取相場の傾向
ハーレーダビッドソン XLH883は、ハーレーダビッドソンのスポーツスターシリーズにおけるモデルの一つです。走行性を重視したモデルであるスポーツスターシリーズはワンメイクレース(同一モデル・同一仕様でのレース)が開催されるなど、特に日本で人気のあるファミリーです。
このスポーツスターシリーズには、通称「パパサン」と呼ばれる排気量883ccのモデルと、排気量1202ccのモデルの2種類があります。XLH883は排気量883ccのモデルで、1988年から2003年までの16年間にわたって生産されていました。
XLH883の特長としてまず挙げられるのは、そのスタイリッシュなデザインです。エンジンの存在感が強調されたスリムなデザインに多くのファンが虜となっています。取り回しのしやすさから、女性にも人気です。また、空冷エンジンを搭載していることも大きな特長の一つで、XLH883に乗ると、空冷エンジン独特の鼓動感や排気音を感じることができるでしょう。
なお、純正モデルは基本的に一人乗り仕様であり、タンデムはできません。しかし、そのほうがデザインが美しいという意見もあり、評価の分かれるところです。
XLH883の買取価格の相場は、48万~128万円程度です。現在でも中古市場における人気が非常に高いため、買取相場は比較的安定しています。
ハーレーダビッドソン XLH883を高く買い取ってもらうためのポイント
ハーレーダビッドソン XLH883には、さまざまなグレードや年式があります。また、自分の好きなパーツでカスタムしているという人も多いでしょう。査定に出す際にはどのようなポイントが査定額に影響するのか、しっかりと頭に入れておくことが大切です。
ポイント1:グレード
XLH883は、2004年以降に発売されたXL883の旧モデルにあたります。XLH883はXL883よりも重量が軽く、軽快にハンドリングできます。ただし、エンジンをフレームに直接取り付けるリジッドマウントのため、運転中はバイク全体が大きく振動する点がデメリットです。
XLH883をより伝統的な見た目に近づけ、リラックスできる乗り心地にしたのがXLH883Hハガーです。ハーレーの代名詞でもある「ロー&ロング」スタイルを受け継いでいます。
XLH883とXL883、XLH883Hを比較した場合、買取相場の平均価格はXL883が少し低めです。ただし、取引の多い価格帯で見ると、それぞれ50万円程度とそれほど大きな違いはありません。コンディションの良い状態のXLH883やXLH883Hであれば、高額買取を期待できます。
ポイント2:年式
XLH883(XLH883H)は、何度もモデルチェンジが行なわれています。例えば、1989年にはCVキャブレターに加速ポンプが搭載され、1991年にはトランスミッションが4速から5速へと変更されています。また、ガソリンタンクは1993年にラバーマウントになり、1997年には容量も8.5リットルから12.5リットルへと変更されました。
現状XLH883(XLH883H)は、このような年式によって買取価格の差が大きく出るわけではありません。しかし、1986年式・1987年式は若干買取価格が低い傾向にあります。
ポイント3:走行距離
ハーレーのXLH883に限ったことではありませんが、走行距離は多いよりも少ないほうが査定価格において有利です。XLH883の場合は5万kmを境に価格が下落する傾向にあります。そのため、売却を考えている人は走行距離5万kmを目安にするとよいでしょう。
一方、走行距離が不明であるにもかかわらず、それなりの査定価格がついているケースも多く見られます。これは、ハーレー乗りに根付いているカスタム文化が影響していると考えられます。カスタムの過程でメーターを取り換えた場合、走行距離が不明になってしまうため、走行距離が不明でも全体の状態が良ければ比較的高値がつくケースもあるのです。
ポイント4:内装・外装
先述したように、愛車を自分なりにカスタムして乗ることは、ハーレーにおいては珍しくありません。そのため、ハーレーの場合はカスタムによって査定額が上下することもあります。
例えば、シートやウィンカー、ハンドルなどはカスタムしているからといって査定額の評価に影響はありません。一方、タンクやフェンダー、キャブレターのカスタムは評価が下がってしまうケースもあるので注意が必要です。また、カラーリングも査定額に影響が出る場合があります。
カスタムしていることで評価が上がるのは、マフラーやサスペンション、エンジン、ホイール、ブレーキなどです。これらはカスタムパーツそのものに人気があるため、査定額も上がると考えられます。ただし、これらのカスタムが必ずしも高評価につながるわけではありません。
特に、奇抜なカラーやデザインがボディに施されている場合は買い手がつきにくいため、査定額が下がる可能性があります。より高く買い取ってもらいたい人は、カスタム後も純正パーツも保管しておいて、査定時に一緒に出すとよいでしょう。