カワサキZRX1100の特長と買取価格の動向
1996年12月に発売されたZRX1100は、ZZR1100系の1,052cc水冷直列4気筒を搭載するビッグネイキッドです。海外市場での販売が見込まれたモデルだったZRX1100は、国内ではローソンレプリカを思わせるビキニカウルのイメージとともに、ハイパフォーマンスモデルという位置付けでした。
エンジンはZZR1100系とされていますが、厳密にはGPZ900R用の左サイドカムチェーンを源流とするGPZ1100用のものです。国内仕様では100ps、海外向けは106psを発揮しました。また、同時期にラインナップされたZRX1100Ⅱは、ビキニカウルを廃した丸目ヘッドライト仕様となっています。
ZRXシリーズは、1995年からZZR400用のエンジンを搭載したZRX(400)を販売していましたが、ZRX1100は大きな仕様変更もなく、2000年モデルまで生産されました。
ZRX1100の買取価格は、2023年3月から6月にかけて一時的に値下がり傾向にありましたが、その後は中古相場全体で値上がりが続いています。このため、今後も高騰を続ける可能性があります。2024年8月30日時点での買取価格は28.2万円~89.1万円です。
カワサキZRX1100を高く買い取ってもらうためのポイント
大切に乗ってきたバイクに少しでも高い買取価格を付けてもらうには、査定時にチェックされるポイントを知っておくことが大切です。ここでは、カワサキZRX1100をより高く売却するためのポイントを紹介します。
ポイント1:モデル
カワサキZRX1100には、同時期に発売されたZRX1100-Ⅱが存在します。こちらはビキニカウルなしの丸目ライトが特長です。どちらも大きな仕様変更はなく、2000年モデルまで生産されました。
なお、ZRX1100が1999年までに約1万台販売されたのに対し、ZRX1100-Ⅱはわずか1100台のみの販売で終了しています。人気でいえばZRX1100、希少性でいえばZRX1100-Ⅱという点が買取価格に影響する可能性もあります。
ポイント2:年式
ZRX1100は、初登場の1997年から生産終了の2000年まで、大きな仕様変更はなかったものの、カラーリングや細部の変更などでマイナーチェンジが行なわれました。
基本的には、年式が新しく、走行距離が短いバイクほど高値で売れる傾向があります。しかし、バイクの査定では、年式や車種に基づいて基本的な買取額が設定され、そこからバイクの状態に応じて減額されていくのが一般的です。年式が新しくても状態が悪ければ、大幅な減額となる場合があるため、年式だけで価格を一概には決められません。
一方で、年式が古くても状態の良いバイクは高値で取引される可能性があります。日頃のメンテナンスが行き届いていて、傷が少なく、走行状態が良好なバイクであれば、多少は年式が古くても高い買取価格が期待できるでしょう。
ポイント3:走行距離
一般的に、走行距離が短いほど各パーツの劣化が少なく、高く売れる傾向にあります。日本では、5,000km単位で評価されるケースが多く、1万km、2万km、3万kmが重要な分かれ目です。
ZRX1100は排気量1,052ccの大型バイクであり、走行距離の目安は排気量によって変わってきます。一般的に、大型バイクはエンジンにかかる負担が少なく、同じ距離でも中型や小型バイクに比べて劣化が少ないとされています。そのため、排気量が1,000ccを超えるZRX1100の走行距離の目安は、10万km程度です。
このことから、ZRX1100を高く売りたい場合は、10万kmに近づく前に査定に出すのがポイントです。
ポイント4:ボディカラー
1997年発売のZRX1100は「ミッドナイトパープル」と「メタリックセレストシルバー」の2色展開でした。
1998年には「ライムグリーン」と「エボニー」が追加され、ドライブチェーンもゴールドに変更されました。
1999年には「エボニー/パールコスミックグレー」と「ライムグリーン」の2色展開となり、2000年では「キャンディライトニングブルー」と「ライムグリーン」の2色です。
バイクの売値や査定額は、次の購入者のニーズによって決まります。しかし、一般的に単色の場合、全体的に高く売れやすいのは高級感があり落ち着いた色調のマッド系やグレー、ガンメタリックです。また、視認性が高く、事故を防ぎやすいとされるレッドも人気で、価値も高くなっています。
一方、2色以上のカラーリングでは、トリコロール、赤のガンメタリック、カワサキカラー(ライムグリーン/黒)が特に高額になる傾向です。
こうして見てみると、ZRX1100の場合はボディカラーによる買取価格の差は少ないといえるでしょう。
ポイント5:メンテナンス
査定時に好印象を与えるバイクは、故障箇所や大きな傷、欠損がなく、全体的に良好な状態のものです。そのため、日頃からしっかりとメンテナンスを行ない、良好なコンディションを維持していれば、年式が多少古くても高値で売却できる可能性が高まります。
バイクに乗る頻度が少ない場合は、オイル交換などの定期的なメンテナンスに加えて、以下のポイントに気を付けるとよいでしょう。
・乗らない期間中はカバーをかけて保管する
・月に1回は洗車を行なう
・2週間に1回はエンジンをかける
また、点検整備記録簿がそろっているのも、適切なメンテナンスが行なわれている証拠となり、バイクの状態が良いことをアピールできます。