スズキ SV650の特長と買取相場の傾向
スズキ SV650は、ネイキッドタイプの大型バイクです。1999年に発売されましたが、当初日本ではあまり人気が出ませんでした。一方、ヨーロッパでは、基本性能の良さが高く評価され、スズキを代表するモデルへと成長しました。
そんなSV650が、ABS仕様車として日本市場に再登場したのは2016年のことです。派手さはないものの、その無骨さに愛着を感じるファンも多くいます。搭載しているエンジンは2気筒の90度V型ツインエンジンで、低速域から高速域まで全域で力強さを発揮します。
また、スリムな車体も大きな魅力で、重量199kgにもかかわらず、400ccクラスと思えるほどのコンパクトさです。シート高も785mmと、日本人の体格に合った高さで作られています。
スズキ SV650は、そのリーズナブルさでも高い評価を得ており、2024年8月現在、現行モデルのメーカー小売希望価格は80万3,000円(税込)です。
そのため買取相場価格は、約32万~約45万円とそれほど高くはありませんが、中古市場でも比較的人気のある車種のため、過去5年の価格推移に大きな変化はありません。高く買い取ってもらえるバイクではないものの、状態が悪くない限り、それほど価格が下落することもないといえます。
スズキSV650を高く買い取ってもらうためのポイント
ここからは、スズキSV650を少しでも高く売るためのポイントを解説します。
ポイント1:バリエーションモデル
SV650には、SV650S、SV650Xというバリエーションモデルが存在します。
SV650Sは、SV650と同時に発売されました。ネイキッドスタイルのSV650との違いは、フロントカウリングを採用し、ヘッドライトが2灯式になっていること、セパレートハンドルを採用していることです。SV650同様、日本ではあまり人気が出ませんでしたが、ヨーロッパでは大ヒット。2003年には輸出専用モデルとしてフルモデルチェンジし、2008年まで販売されました。
買取価格の平均は、約12万~約24万円と、SV650と比較して低い傾向があります。
SV650Xが日本市場に登場したのは2018年です。SV650をベースに、ネオレトロスタイルにカスタムされたバイクで、カフェレーサースタイルを取り入れています。
2024年8月現在、SV650Xのメーカー小売希望価格は84万7,000円(税込)です。買取価格の平均は約34万~約46万円と、SV650よりもやや高い傾向があります。
ポイント2:年式
SV650には、1999年~2001年のVP52A型、2016年~2021年のVP55B型、2022年~のVP55E型があります。VP55B型はABS仕様車として復活したもの、VP55E型は2022年11月から施行された排ガス規制に対応したものです。
それぞれの買取相場を見てみると、当初発売されていたVP52A型の平均価格は約15万~約16万円、ABS仕様車として再登場したVP55B型の平均価格は約30万~約42万円、排ガス規制に適合したVP55E型の平均価格は約47万~約52万円です。
ポイント3:カラー
SV650には、さまざまなボディカラーのモデルが存在します。2016年にABS仕様車として日本で新たに発売された際のカラーは、パールグレッシャーホワイト、パールミラレッド、マットブラックメタリックNo.2の3種類でした。その後も、ブラック系、レッド系、ブルー系、シルバー系、ホワイト系の新たなカラーが登場しています。
2023年モデルのカラーバリエーションは、リフレクティブブルーメタリック、グラススパークルブラック/ソリッドアイアングレー、グラススパークルブラックの3種類です。
さまざまなボディカラーのモデルがあるSV650ですが、買取価格において色による大きな違いはありません。ただ、黒は平均買取価格がほかの色よりも少し高く、約45万円です。
ポイント4:走行距離
SV650のような大型バイクの場合、走行距離の寿命はおおむね5万~8万kmだといわれています。そのため、少しでも売りたい場合、それよりも早く売却するのがおすすめです。
SV650の場合、走行距離4,999kmまでの買取平均価格は約50万円です。しかし、5,000~2万kmだと価格は40万円台になってしまいます。また、2万~5万kmだと30万円台になり、5万km以上になると約23万円まで下がります。
グレードやバイクの状態などによって価格は変動するため、一概にはいえませんが、なるべく走行距離が少ないうちに売ることで、高く買い取ってもらえる可能性が高まるでしょう。
ポイント5:純正パーツ
SV650には、さまざまなカスタムパーツがあり、海外製のパーツや1999年に発売されていた旧国内モデルのパーツなどが流通しています。
しかし、カスタムした場合でも、純正パーツは捨てずに保管しておきましょう。ノーマルな状態に戻せるかどうかで査定額に違いが出るためです。また、純正パーツがあれば、カスタムパーツがプラス査定されることもあります。
基本的に、査定において高く評価されるのは、純正パーツがすべてそろった状態でカスタムされていること、もしくはフルノーマルの状態のバイクであることを覚えておきましょう。