ヤマハ TMAX530の特長と買取相場の傾向
ヤマハ TMAX530は、2013年から2019年まで発売された大型スクーターです。スクーターでありながら、スポーツバイクのDNAを受け継ぐスポーツコミューターをコンセプトとしています。そのため、街乗りだけでなく、ロングツーリングやサーキット走行にも最適な設計が特長です。
TMAX530は、2001年に発売された「TMAX500」をベースとしています。TMAX500は、オートマチックスポーツという独自のカテゴリを開拓し、2001年のグッドデザイン賞で金賞を獲得するなど高い評価を得ました。このTMAX500は2013年にフルモデルチェンジし、排気量をアップさせて誕生したのがTMAX530です。
TMAX530は初登場時には、排気量530ccの水冷並列2気筒エンジンを搭載しています。最高出力は34kW/6,750rpm、最大トルクは53N・m/5,250rpmで、優れた性能を誇ります。燃料供給はフューエルインジェクション方式を採用し、燃費は時速60kmでリッター当たり28.6km、燃料タンクの容量は15Lです。また、新設計の無段変速機(CVT)により、抜群の加速性能も大きな魅力の一つです。
車両サイズは全長2,200mm、全幅765mmで、シート高は800mm、車両重量は215kg。身長が低い方は足つきに不安を感じるかもしれません。
TMAX530は、ABS搭載機と非搭載機がそれぞれ発売されましたが、2017年のフルモデルチェンジ以降はABSが標準装備された2つのバリエーションが登場。標準仕様の「TMAX530 SX」と、グリップヒーターなどを追加装備した「TMAX530 DX」です。しかし、2020年に後継モデルである「TMAX560」が発売されたことで、TMAX530は生産終了となりました。
2024年8月30日時点でのTMAX530の買取相場は27.2万~79.4万円です。また、2024年9月13日時点での過去5年間の買取価格は比較的安定しており、対前年比で-2%、対3前年比で+18%です。
ヤマハ TMAX530を高く買い取ってもらうためのポイント
TMAX530の売却を考えている方は、事前に以下のポイントを押さえておきましょう。
ポイント1:型式
先述したように、TMAX530は2017年にフルモデルチェンジを行ない、型式は2016年までの「EBL-SJ12J」から「2BL-SJ15J」に変更されました。
2BL-SJ15Jには、標準装備のTMAX530 SXと充実装備バージョンのTMAX530 DXの2種類があります。これらを比較すると、2BL-SJ15Jは電子制御スロットルを採用し、トラクションコントロールを実装しています。また、スマートキーの使い勝手も向上しているのも見逃せないポイント。
2024年9月13日時点での買取平均価格は、EBL-SJ12Jが59.8万円、2BL-SJ15JはSXが64.3万~76.3万円、DXが68.3万~77.9万円です。
ポイント2:グレードアップモデル
EBL-SJ12Jには、通常モデルとは別にグレードアップモデルが存在します。2013年には、ゴールドカラーに塗装されたホイールや専用シートを採用した特別カラーモデル「TMAX530 ABS BLACK MAX」が発売され、2014年にも継続して販売されました。
同年にはもう一つのグレードアップモデル「TMAX530 ABS BRONZE MAX」も登場し、マットブラウンのカラーと「MADE IN IWATA JAPAN」のエンブレムが特長です。
また、2015年には「TMAX530 ABS IRON MAX」が登場し、スエード調のシートやクロノウォッチをイメージした専用メーターを装備しています。このモデルも2016年にも販売されました。
ポイント3:走行距離
一般的に、走行距離は査定の重要な評価ポイントといわれています。しかし、2024年9月13日時点でのデータを見ると、TMAX530では走行距離による価格差はそれほど生じていません。
EBL-SJ12Jの場合、最も平均価格が高い4,999kmまでの68.5万円と、最も低い5万km以上の55.5万円の間には、およそ13万円の差しかありません。2BL-SJ15Jにおいてはさらに価格差が少なくなっています。SXで最も平均価格が高いのは4,999kmまでの71万円、最も低いのは1万~2万kmの63万円です。DXで最も高いのは4,999kmまでの82万円で、最も低いのは3万~5万kmの69.2万円です。
ポイント4:ボディカラー
TMAX530にはいくつかのカラーバリエーションがあります。初登場時のカラーは「ブルーイッシュホワイトカクテル1」と「ブラックメタリックM」の2色でした。2016年には「ブラックメタリックM」の代わりに「マットライトグレーメタリック3」が追加されています。
2017年には、SXで「マットシルバー1」と「ダークグレーメタリックS」、DXで「マットダークパープリッシュブルーメタリック1」と「ダークグレーメタリックS」の2色が展開されました。このカラー展開は2018年にも採用されましたが、2019年のカラーチェンジでSXは「マットダークパープリッシュブルーメタリック1」、DXは「マットライトグレーメタリック4」と「マットダークグレーメタリック8」が登場しました。
2024年9月13日時点の各カラー別の買取平均価格を見ると、EBL-SJ12Jではホワイトが60.7万円、グレーが60万円、ブラックが53.7万円となっています。2BL-SJ15Jでは、SXは最新カラーであるブルーが81.6万円と最も高く、DXではシルバーが79.9万円、ブルーが78万円です。