ヤマハWR250Rの特長と買取相場の傾向
ヤマハWR250Rは、「オフロードにおけるYZF-R1」をコンセプトとし、2007年に誕生しました。YZF−Rは、ヤマハのバイクのなかで最もスポーティーなブランドです。
そのなかのフラッグシップモデルにあたるYZF−R1は、ヤマハの技術が詰まった代表的なバイクといえます。そんなYZF−R1をもとに生まれたヤマハWR250Rは、オフロードバイクと思えないほどの性能を備えていました。
250ccの水冷4ストロークDOHC単気筒4バルブエンジンを搭載し、オフロード用としては高回転のショートストローク設計で、1万回転で31psの最高出力を誇ります。
さらに、国内のオフロードバイクとしては初めてアルミ製フレームを採用しているのも特徴です。このフレームには競技用バイクの技術が詰まっており、エンデューロレースにも対応できるほどの剛性を持ち合わせています。
また、足回りのストローク270mmのフルアジャスタブル倒立フォークのおかげで、細やかなコントロールが可能となっています。これだけの性能を備えていながら、扱いやすいのもヤマハWR250Rの魅力でしょう。
高回転エンジンらしい加速力はあるものの、やわらかくトルクが立ち上がるため、コントロールを失う心配はありません。そのためツーリングや市街地走行などあらゆる場面で活躍します。車体はスリムで、一見するとストリートリーガルモデルとは思えません。
2017年の生産終了までの間にモデルチェンジすることはありませんでしたが、グラフィックを何度か変更しています。2010年モデルは、スポーティーとハイパフォーマンスを強調したデザインでした。
2011年にはYZシリーズのイメージを反映し、ダイナミックな印象のデザインへと変更します。その後、2014年は「Flashy&Sharp」、2017年は「Simple&Bold」などテーマに沿ったグラフィックを採用したこともありました。
ヤマハWR250Rは高性能バイクとして生産終了してからも中古市場での人気が高く、買取相場は14.7〜59万円(2024年9月20日時点)です。
ヤマハWR250Rを高く買い取ってもらうためのポイント
ヤマハWR250Rを高く買い取ってもらうためには、次のようなポイントがあります。
ポイント1:走行距離
走行距離は長いほど買取価格が減額となる傾向です。一般的に、走行距離が5,000kmまでのバイクなら、走行距離による買取価格への影響はほぼありません。走行距離が3万kmを超えた辺りは、多くの方がバイクの売却を考えるタイミングです。
買取価格への影響もありますが、状態が良ければ大きな減額にはならないでしょう。走行距離が5万kmとなると、多くの場合バイクのさまざまな箇所に不具合が生じます。メンテナンスが必要となり、費用もかさむでしょう。
買取価格も大きな減額となる可能性があるため、バイクをなるべく高く買い取ってもらうためには、5万kmを超える前に売却するとよいでしょう。
ただし、走行距離による買取価格への影響は、バイクの排気量によっても変わります。排気量の少ないバイクほどエンジンの消耗が早く、短い走行距離でも買取価格への影響が大きくなりがちです。
一般的に、ヤマハWR250Rのような250ccクラスのバイクは、走行距離が2万kmを超えると買取価格への影響が出始めるといわれています。
ヤマハWR250Rをなるべく高く買い取ってもらうためには、走行距離が2万kmを超える前に売却するのが無難です。
ポイント2:メンテナンス
状態の良いバイクなら、走行距離が長いものや年式の古いものでも高く買い取ってもらえる可能性があります。バイクの状態を保つためには、日頃のメンテナンスが重要です。バイクのメンテナンスで重要なのは、オイル交換です。
頻度の目安として、半年に1回は交換するとよいでしょう。オイルフィルターの交換も必要ですが、こちらは1年に1回交換すれば問題ありません。エアフィルターは、走行距離1万kmごとの交換が必要です。
ほかにも、月に1回程度の洗車やサビ取りなども忘れないようにしましょう。また、あまりバイクに乗らない場合でも、良い状態を保つために2週間に1回程度エンジンをかける必要があります。
ポイント3:修理・リコール履歴
バイクにはリコール制度があり、設計や構造上の不具合が発覚したモデルは、メーカーが無償で修理します。一般的に、修理歴があるバイクの買取価格は低い傾向にありますが、リコールによる修理は例外です。
むしろ、リコール対象車であれば、修理が行なわれているほうが買取価格は高くなる可能性もあります。ヤマハWR250Rも、型式JBK-DG15Jのものが2016年にリコール対象車となっています。
リコール内容は、動力伝達装置に不具合があり、走行中にエンジンオイルが漏れる可能性があるというものでした。
最悪の場合、オイルが後輪タイヤに付着して転倒するおそれもあるため、修理を依頼すればクラッチプッシュレバーのオイルシールを交換してもらえます。リコールによる無償修理には期限がありません。
ヤマハWR250Rを高く買い取ってもらいたい場合、問題箇所を修理してから買取してもらうほうがよいでしょう。