トリシティ155の特徴と買取相場の傾向
ヤマハのトリシティ155はトリシティ125の派生モデルとして2017年に発売された3輪タイプのバイクです。
最大の特徴は、日本メーカーの3輪バイクとしては珍しい前二輪のユニークなデザインです。ヤマハが開発したLMW(リーニング・マルチ・ホイール)技術により、左右のフロントタイヤが独立して動くためバイク特有の軽快なハンドリングはそのままに、二輪バイクにはないタイヤと路面間の接地性および安定感を実現しました。
2014年に販売開始されたトリシティ125と外観に大きな違いはありませんが、排気量がアップしたことでさらに力強い走りが可能になり、タンデム走行や長時間の走行でも快適なドライビングを楽しめます。さらに高速道路に乗ることもできるため、行動範囲の広さも魅力の一つです。
トリシティシリーズは2020年に排気量において上位モデルとなるトリシティ300がリリースされるなど幅広いユーザーから支持されています。また、LMW技術を用いたバイクとしては、2018年にも845ccの「NIKEN」が発売されました。
トリシティ155の買取相場は8.2万円~31.4万円(2024年8月9日時点)で、買取金額は年式や走行距離、車両の状態によって変動します。独特なフォルムで独自のポジションを保っているトリシティ155ですが、国内にライバルとなる車種が少ないため中古車市場でも安定した需要が見込めます。
トリシティ155を高く買い取ってもらうためのポイント
トリシティ155を高額で査定してもらうために、押さえておきたいポイントについてご紹介します。
ポイント1:年式
トリシティ155はモデルチェンジやマイナーチェンジにより快適性や操作性がアップしています。
例えば、2019年にシートの高さが15mm低くすることで、足つき性と座り心地を改善しました。2023年モデルではアイドリングストップシステムの装備や燃費向上、ホイールベースの延長による直進性の向上などがおもな変更点です。そのため年式が高くなるほど買取価格も高くなる傾向があります。
しかしながらトリシティ155自体の人気が高いため、2017年モデルなどの初期モデルでも高値で取引される場合があります。
ポイント2:走行距離
バイクを査定するうえで走行距離は大きなポイントになります。中古車の購入を考えるときに走行距離をまずチェックするという方も少なくないでしょう。一般的には走行距離が短いほど買取価格も上昇します。
もちろん走行距離だけで買取価格が決定するわけではなく、走行距離が長くてもエンジンの状態や走行性能が評価されるのであれば、買取価格のアップが期待できます。
ポイント3:ボディカラー
販売当初のボディカラーは、マットブラック2、ホワイトメタリック6、マットビビッドパープリッシュブルーメタリック1の3色のみでしたが、2019年にマットグレーメタリック3が登場しました。2020年にはブルーイッシュグレーソリッド4、さらに2023年モデルはマットイエローイッシュグレーソリッド1が追加され、2024年モデルからはマットライトグリーニッシュグレーメタリック1がラインナップされています。
ホワイトやブラック、グレーなど色は人気が高いため高評価につながりやすい傾向です。他の色も人気はありますが、査定額が少し低くなる傾向にあります。
ポイント4:内装・外装
人気のパーツ品を装備したカスタム車に高値が付く場合もありますが、基本的には販売当時のノーマル状態のほうが高く査定される傾向です。
そのため、純正パーツを社外パーツと交換している場合は、査定前に純正パーツに戻しておくことをおすすめします。もし、交換が難しい場合は車体と一緒に査定に出すとよいでしょう。
トリシティ155はユーザーにとってうれしい装備も充実しています。例えば、スマートキーシステムやシート下トランク内のLED照明、SNSや通話の着信通知をセンターパネルに表示する機能を備えたスマートフォン連携システムなどです。
これらの装備が正しく動作するかどうかは査定額に影響するため、売却前に必ずチェックしておきましょう。
ポイント5:トライク化
トライク化とはバイクを三輪に改造することです。バイクをトライク化することで、登録上「普通自動車」に分類されることになります。トライク化には多くのメリットがあり、例えば、普通自動車免許での運転が可能、ヘルメットの着用が不要、自動車専用道路の走行が可能になる、などです。
トリシティにおいては、フロントの二輪部分をトライク化するためのキットが販売されています。トライクは独特の魅力から一定のユーザーから支持されています。
トリシティ155を高く売るための注意点
トリシティ155はまだまだ年式の新しい車種ですが、査定時に買取価格をアップさせるポイントについてご紹介します。
きれいにしてから査定に出す
バイクのボディは見た目がきれいでも日々の走行や駐車状態によって意外と汚れているものです。査定に出す前には洗車をしたり汚れを拭き取ったりするなどして、きれいな状態にしましょう。
査定士は車両状態を見極めるため、日頃きちんとメンテナンスしているかという点にも注目します。車両がきれいだと大切に扱ってきたことがわかるため、査定評価が上がる効果を期待できます。
定期的にメンテナンスをする
バイクの査定において走行性能は大きなポイントであるため、見た目にはわかりにくいエンジンや各装備の状態を厳しくチェックします。
定期的なオイル交換やフィルター交換は、バイクショップで行なえる比較的簡単なメンテナンスですが、エンジンの性能維持に大きく貢献します。
快適な走行性能は日頃のドライビングにも影響するため、査定を受けるかどうかにかかわらず定期的なメンテナンスを心がけましょう。
売却するタイミングを考える
バイクの買取価格は日を追うごとに下がることが一般的です。特に新モデルが販売されると旧モデルの価値は大きく下がる傾向にあります。そのため、売却しようと思ったその日が最も買取価格が高くなる傾向にある、ということになります。
ただし、季節によって買取価格が変動することもあるため注意が必要です。特に新生活が始まる春は需要が高まるため査定額も高くなる傾向があります。このタイミングを狙って売却を計画することも一つの方法として、考慮に入れておくとよいでしょう。