ヤマハ YZF-R7の特長と買取相場の傾向
ヤマハ YZF-R7は、過去2度発売されたスポーツバイク。最初のモデルは、1998年にインターモト(ミュンヘンショー)でスーパーバイクレース仕様のものが展示され、翌1999年に市販モデルが海外市場で販売されました。
初代YZF-R7は、ヤマハが1989年にスーパーバイクレース参戦用のベースマシンとして展開していたFZR750Rの後継機になり、型式はFZR750Rの「OW-01」を受け継ぎ、「OW-02」となっています。
この初代YZF-R7は、世界で限定500台しか販売されず、当時の新車販売価格は約400万円という高級車でした。しかし、レプリカブームの終息により、一代限りで販売終了となります。
2021年には、YZF-R7の名を冠した新たなモデルが発表され、大きな話題を集めました。型式「8BL-RM39J」の2代目モデルは、初代とは異なり、MT-07をベースモデルとした公道仕様のフルカウルスポーツバイクです。欧州市場では2021年、国内市場では2022年に販売が開始されました。
2024年8月30日時点でのヤマハ YZF-R7の買取相場は29.6万~83.6万円です。2024年3月15日時点での2代目モデルのメーカー小売価格は税込105万4,900円となっており、状態が良ければ新車価格に近い値段での買取も可能です。中古市場でも人気が高く、過去5年間の価格推移は比較的安定しています。
ヤマハ YZF-R7を高く買い取ってもらうためのポイント
YZF-R7の売却を考えている方は、事前に以下のポイントを押さえておきましょう。
ポイント1:型式
先述したように、YZF-R7には初代モデル(OW-02型)と2代目モデル(8BL-RM39J型)の2種類があります。
初代モデルは、DOHC5バルブ水冷並列4気筒ユニットを搭載しており、排気量は749cc。燃料供給方式はデュアルインジェクションで、ボア・ストロークは72mm×46mmです。最高出力は11,000回転で106馬力、最大トルクは9,000回転で72.6Nmという高性能を誇ります。
フレームには、アルミ製ツインスパーフレームを採用し、バルブとコンロッドはチタン製を組み込んでいます。また、足回りには、前後どちらもオーリンズ製のフルアジャスタブルサスペンションを装備しているのも見逃せないポイント。シングル仕様のシートで、公道よりもレース参戦のベースマシンというポジションのバイクです。
2代目モデルは、688ccのDOHC4バルブ水冷パラレルツインエンジンを搭載し、最高出力は8,750回転で73馬力、最大トルクは6,500回転で67Nmです。重量は188kgで、駆動系統にアシストスリッパークラッチを標準装備。さらに、41mm径の倒立フォークやラジアルマウント仕様のブレーキキャリパーをフロントサスペンションに搭載しています。
初代YZF-R7は世界で500台しか生産されず、日本に輸入されたのは数十台だといわれています。その希少性から、現在では当時の新車価格を超えるプレミアム価格で取引されており、2024年9月6日時点での買取平均価格は619万円です。
一方、2代目YZF-R7はプレミアム価格こそ付かないものの、買取平均価格は73.7万円と高水準を維持しています。
ポイント2:走行距離
バイクの査定における走行距離の基準は業者によってさまざまですが、一般的には5,000km、1万km、2万km、3万kmが目安だといわれています。特に、走行距離が5万kmを超えると、買取価格は大幅に下がる傾向です。
ただし、走行距離が長いとされる基準はバイクの排気量によって異なります。例えば、YZF-R7のような750ccクラスのスポーツバイクの場合、走行距離が2万kmを超えると長めだと判断されるでしょう。
2024年9月6日時点の走行距離別の平均買取価格を見ると、走行距離1万km未満であれば多くの場合70万円台での買取が期待できます。しかし、2万~3万kmになると平均60.4万円、3万~5万kmでは平均55.5万円まで価格は下がる傾向です。
ポイント3:ボディカラー
初代YZF-R7のカラーは「ホワイト/レッド」の1色のみでしたが、2代目モデルにはさまざまなカラーバリエーションがあります。初登場時には「ディープパープリッシュブルーメタリックC」と「ヤマハブラック」が展開され、同年に400台限定の記念モデルとして「シルキーホワイト」が登場しました。
また、2023年には「ブルーイッシュホワイトパール1」、2024年には「マットグレーメタリック3」と「ブラックメタリックX」が追加されています。
2024年9月6日時点のカラー別買取平均価格では、ホワイト系が最も人気です。また、初期からラインナップされている「ディープパープリッシュブルーメタリックC」も、YZF-R7らしいカラーとして引き続き高い人気を誇っています。