ヤマハYZF-R1の特徴と買取相場の傾向
ヤマハYZF-R1は、峠道などのツイスティーロードを楽しめるバイクとして1998年にデビューした、ヤマハが誇るフラグシップモデルです。海外市場向けのモデルとしてリリースされ続けてきたため、20年以上日本では発売されていませんでしたが、2020年に待望の日本デビューを果たしました。
ヤマハYZF-R1の特長の一つが、レース仕様のエンジンシステムによる優れた走行性能です。通常、レース用バイクと一般公道用バイクのエンジンが同一化されることは稀ですが、ヤマハYZF-R1はレース用と同様の並列4気筒エンジンを採用しています。加速性能に優れているだけでなく、コーナーも十分なスピードで走行できる操縦性の高さがあり、初心者からベテランまで快適に乗り回せます。
そのほか、軽量コンパクトなLEDデュアルヘッドランプとポジションランプ、視認性の高いフルカラー4.2インチTFT液晶メーターパネルなども、機能性の高さを表しているポイントです。
ヤマハYZF-R1には、上位モデルという位置づけのヤマハYZF-R1Mもあります。違いは足回りで、R1では機械調整式のサスペンションが採用されているのに対し、R1Mには電子制御式サスペンションが使われています。
ヤマハYZF-R1の新車価格は通常モデルのヤマハYZF-R1で236万5,000円(税込)、ヤマハYZF-R1Mで319万円(税込)です。中古相場は、179.7万円(2024年8月30日現在)となっていますが、型式や走行距離、車両の状態によって変動すると考えられています。
ヤマハYZF-R1を高く買い取ってもらうためのポイント
バイクをなるべく高く買い取ってもらうには、買取査定において査定士がチェックしているポイントを理解しておくことも大切です。ここでは、ヤマハYZF-R1をより高く買い取ってもらうためのポイントを解説します。
ポイント1:グレード
先述のとおり、ヤマハYZF-R1には通常モデルとYZF-R1Mモデルがあります。比較するとYZF-R1Mのほうが上位モデルとされており、走行性能がより強化されていると考えられます。
具体的にはドライカーボン製アッパーカウル・テールカウルによる軽量化や、走行状況に応じて伸側・圧側減衰力を制御する「オーリンズ製電子制御サスペンション」の搭載などです。また、車体のシリアルナンバー入りエンブレムといった高級感のある仕様もポイントです。
中古買取相場としては、通常モデルよりもYZF-R1Mのほうが査定価格は高い傾向にあります。そのため、グレードによる機能性の違いが価格に影響する可能性が考えられます。
ポイント2:年式
ヤマハYZF-R1は2020年の国内での販売開始以降、2022年と2024年にモデルチェンジを行なっています。ただし性能自体に変更はなく、カラーチェンジのみのリニューアルです。
年数ごとのカラーのラインナップは以下のとおりです。
2020年:ディープパープリッシュブルーメタリックC・ブラックメタリックX
2022年:ディープパープリッシュブルーメタリックC・ヤマハブラック・シルキーホワイト(記念カラー)
2024年:ディープパープリッシュブルーメタリックC・ブラックメタリックX
外見や機能性における変化はありませんが、年式によって価格が変動する可能性があります。一般的には年式が新しいほうが査定価格は高く、古くなるほど査定価格は下がります。より高く買い取って欲しい場合は、なるべく型落ちする前に売却するとよいでしょう。
ポイント3:走行距離
年式と走行距離を合わせて確認することで、車体の状態をより正確に把握することが可能です。メンテナンスの状況にもよるため一概にはいえませんが、走行距離が長くなるほどバイクの査定価格は低くなる傾向にあります。
走行距離の基準は排気量によっても異なり、排気量998ccのヤマハYZF-R1Mの場合は5~8万kmが寿命の目安と考えられています。ただし、繰り返しになりますがバイクの寿命はメンテナンスの状況によっても異なります。日頃からメンテナンスを行なっており車体の状態が良い場合は、基準よりも高い査定価格が期待できるでしょう。
ポイント4:車体の状態
車体の状態はバイクの査定価格に大きく影響します。車体のキズや凹み、フレームの歪みなどがあると買取価格は下がってしまうでしょう。
特にフレームの歪みがある場合「事故車」と認定され、買取価格が大きく下がる傾向にあります。フレームはバイクが安定して走行するために重要な部品であるためです。状態によっては販売できない場合もあるでしょう。ただし、査定価格が低くなる可能性はあるものの、買取自体は行なっている業者もあります。
一方、軽微なキズや凹みがある場合も査定価格は下がる傾向にあります。バイクのキズによっては自分で修理しようと考えるケースがあるかもしれませんが、修理はせず、そのまま査定してもらうのがおすすめです。
セルフ修理は塗装のムラや違和感が出ることもあり、かえって査定額を下げてしまう場合もあります。簡単なパーツ交換以外は、無理なセルフ修理は避けるとよいでしょう。