ヤマハ JOGの特長と買取相場の傾向
ヤマハ JOGは、50ccクラスのスクーターとして40年以上にわたり販売されているロングセラーモデルです。長年愛され続けてきた理由の一つは、時代の流れに合わせてマシンの走行性能や装備を進化させてきたことにあります。
初代モデルが発売されたのは1983年です。エンジンは、空冷2ストロークピストンリードバルブ単気筒で、最高出力4.5PSという当時ではハイパワーの走行性能を誇り、49kgの超軽量ボディでキビキビ走れるスクーターでした。
しかし、法規制により2001年以降のモデルでは、1999年まで上昇し続けていた最高出力がパワーダウンしました。また2007年モデルでは、キャブレターからフューエルインジェクションに変更され、エンジンも水冷式4ストロークSOHC3バルブへと大きく変更されました。
パワーは落ちるもののメーカー努力により、最新モデルでも最高出力4.5PS、燃費は80km/Lと、50ccクラスのスクーターとしては優れた走行性能を維持しています。
また、装備面でも時代に合わせて変化してきました。ヘルメット着用義務の制定によりシート下に収納スペースを設置、また、盗難防止の観点からシャッター付きメインスイッチを装備するなど、防犯対策も強化しています。
こうした時代のニーズに合わせて進化を続けるヤマハ JOGは、中古車市場でも人気です。買取価格は~11.2万円(2024年8月30日時点)で、具体的な金額は型式や走行距離、車両の状態によって変動します。
ヤマハ JOGを高く買い取ってもらうためのポイント
ヤマハ JOGをできるだけ高く売却するために、押さえておきたいポイントをご紹介します。
ポイント1:型式
愛車の買取相場を知るうえで型式は非常に重要です。ヤマハ JOGはモデルチェンジを繰り返してきたため、型式によって装備やエンジン性能が異なり、買取金額も変動します。
例えば、ヤマハ JOGの初代モデル「27V型」や2代目の「2JA型」は、販売からかなりの年数が経っており、買取価格は低くなる傾向があります。しかし、一方で希少性が高いため、事故車や不動車でも3.6万円ほどの値段が付くケースがあるようです。
「3KJ型」は、状態が良ければ4.6万~6.7万円程度での買取が見込まれ、「3YJ型」では5万円が相場です。
無駄な装備を省いて低価格化を実現した「SA01J型」や、防犯対策が強化された「SA04J型」「SA12J型」「SA16J型」は、状態が良ければ2.0万~5.2万円、さらに事故・不動車の場合でも0.4万~4.6万円で取引されることがあります。
キャブレターからフューエルインジェクションへの変更や、空冷式から水冷式エンジンへと大幅なモデルチェンジを遂げた「SA36J型」と、それ以降の「SA55J型」「SA57J型」の相場は0.8万~11.2万円です。事故・不動車の場合でも0.1万~5.2万円の価格が付くケースも見られます。
2018年に発売された最新モデル「AY01型」の買取相場は4.8万~23万円と高額で、事故・不動車の場合でも0.7万~10万円が相場です。
一般的に、型式が古いほど買取価格は下がる傾向にありますが、古いモデルでも事故・不動車であっても一定の買取金額が付くケースがあるため、車両状態が良くない場合でも査定を受けることをおすすめします。
ポイント2:走行距離
一般的に、走行距離が短いほど買取価格は高くなる傾向がありますが、ヤマハ JOGの場合、多くのモデルがあり、同じ走行距離でも型式によって相場が変わることがあります。
初期モデルの「3KJ型」「3YJ型」では、5,000km以下や1万km以下の走行距離であっても大きな価格の差はなく、相場は4.2万~6.8万円です。「SA01J型」「SA04J型」「SA12J型」も同様で、距離による差は少なく、2.8万~3.4万円が相場です。
一方、「SA16J型」以降のモデルは流通台数が少しずつ増えるため、走行距離により価格が異なります。特に、原付バイクの走行寿命の目安ともいわれる2万kmを境に価格が下がる傾向があります。
「SA16J型」「SA36J型」「SA55J型」「SA57J型」は、2万km以上の走行距離で平均して2.0~5.8万円程度です。
しかし、2万km以下の走行距離では最高価格が異なります。「SA16J型」は5.2万円、「SA36J型」は9.2万円、「SA55J型」は8.0万円、「SA57J型」は11.2万円が相場です。
最新モデルの「AY01型」は人気が高く、最高価格は23万円に達し、5万km以上の走行距離でも6.6万円の高値が付くことがあります。
このように、走行距離によって買取価格に幅があるのは、型式や走行性能などの要素が影響するためです。走行距離が長くても、型式相応の走行性能を維持しているなら買取価格が大きく下がる心配はないでしょう。
日頃からエンジンをかけて走らせたり、定期的なメンテナンスや消耗品の交換を行なったりして走行性能を維持することが大切です。
ポイント3:ボディカラー
男女問わず支持されてきたヤマハJOGは、発売以来、モデルチェンジやマイナーチェンジによってさまざまなボディカラーを展開してきました。
落ち着きのある「ブラック」や「ベリーダークブルーカクテル」、汎用性の高い「シルキーホワイト」「ファインシルバー」、または「オレンジメタリック」「ダルレッドメタリックD」「ペールパープリッシュブルーメタリック」「イエローソリッド」など、個性的な色調もラインナップされています。
ボディカラーは、買取価格に影響する重要な査定ポイントです。まれに個性的なカラーリングが人気を集めることがありますが、一般的にはブラックやグレー、ホワイトなどの無難なカラーのほうが買取価格は高くなります。
ヤマハ JOGの場合も、型式によってはブラック・グレー系のカラーが、原色系よりも1万~2万円ほど高く査定されるケースがあります。