ホンダ インテグラの特長と買取相場の傾向
ホンダ インテグラは、ホンダが「ニューミッドコンセプト」シリーズの1モデルとして開発したバイクです。
「ニューミッドコンセプト」とは、通勤や市街地走行などの日常的な使い方で扱いやすく、かつ味わい深く快適なクルージングが楽しめる、燃費性能に優れたマシンを提供することを指しています。
「コミューター(通勤)用途だけのマシンでは物足りない」「日常的な用途とFUNライディングの両方を楽しめるマシンが欲しい」というニーズに応え、NC700X・NC700Sと同時に登場したのがホンダ インテグラです。
初代モデルは2012年4月に登場しました。搭載された水冷・4ストローク・OHC・4バルブ・直列2気筒700㏄エンジンは、燃費性能に優れ、燃料タンクの小型化にも成功したことで、車体レイアウトの自由度もアップしました。
トランスミッションには、ホンダが開発したバイク有段式自動変速機構「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」を採用しています。的確なシフトアップ・シフトダウンを行なう「ATモード」、任意にシフトスイッチで変速できる「MTモード」が設定されており、さまざまな走行環境に対応可能です。
また、「ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)」も標準装備されるなど、高い利便性や実用性を備えつつ、モーターサイクルとしての楽しさも両立させています。
2012年の発売以降、何度かのカラーチェンジやフルモデルチェンジが行なわれ、さまざまなタイプのモデルが追加されましたが、2017年に惜しまれつつ生産終了となります。
なお、2019年の道路交通法施行令の一部改正により、AT限定大型二輪免許の「総排気量0.650リットル以下」という項目が撤廃されました。これにより、DCT搭載の「ホンダ インテグラ」は全年式、AT限定大型二輪免許で運転可能となっています。
ホンダ インテグラの販売当時の新車価格は、2012年式で77万円、2014年式で83万円でした。中古車の買取相場は平均して22.3万円~57.3万円(2024年8月23日時点)ですが、マシンの状態によって大きく変動する可能性があります。
ホンダ インテグラを高く買い取ってもらうためのポイント
バイクをできるだけ高い価格で買い取ってもらうには、押さえておくべきポイントがいくつかあります。ここからは、ホンダ インテグラを売却する際に高額査定を受けるための具体的なポイントを解説します。
ポイント1:グレード
ホンダ インテグラは、2012年発売の初代モデルでは1グレードのみの展開でしたが、特別・限定仕様やモデル追加・モデルチェンジにより、いくつかのグレードが存在します。
まず、2013年には、ニューカラーを採用した受注期間限定500台のスペシャル・エディションを発表。翌2014年2月にはフルモデルチェンジを実施し、排気量も669㏄から745㏄に拡大しています。同時に、スポーティーなデザインを施した「インテグラS」も新たにラインナップに加わりました。
同じく2014年の4月には、ETC車載器とグリップヒーターを新しく装備した「インテグラ E Package」と「インテグラS E Package」が追加されています。
このように、ホンダ インテグラは販売期間こそ短かったものの、装備やデザインの異なるいくつものグレードが存在し、それぞれに個性がありました。各モデルの特長をしっかりメンテナンスし、維持することが高額買取につながるでしょう。
ポイント2:年式
ホンダ インテグラは、年式によって2012年モデル・2013年モデル(いずれも型式EBL-RC62)と、2014年モデル(型式EBL-RC71)の3タイプに大別されます。
買取価格は、より新しい2014年式に高値が付きやすく、2013年式・2012年式と価格が下がる傾向が見られます。
ただし、買取査定は、走行距離や車体の状態などに大きく左右されるため、どの年式でもマシンの状態をできるだけ良好に保つことが重要です。
ポイント3:走行距離
バイクの価値は年数とともに下がりますが、同時に走行距離も重要なポイントです。一般的に、バイクの走行距離が長くなるほど、買取価格は低くなります。
走行距離別の買取価格は、2万㎞までの場合は高額が付きやすく、3万㎞・5万kmと増えるにつれて、価格は下がる傾向です。
また、ホンダ インテグラは排気量669㏄および745㏄の大型バイクで、寿命となる走行距離の目安は5万~8万km程度。特に走行距離が5万kmを超えると、高額査定は難しくなります。
買取価格を少しでも高くしたい場合は、走行距離が長くなる前に売却したほうがよいでしょう。ただし、買取の際は走行距離だけでなく、マシンの年数や年式とのバランスも考慮されるため、現在の状態を総合的に判断されます。
走行距離が長い場合は、バイクのメンテナンスを十分に行ない、少しでも良い状態で査定してもらえるように心がけましょう。
ポイント4:ボディカラー
ホンダ インテグラの初代モデルは、ホワイト・レッド・ブラックの3色展開でした。モデルチェンジ後も基本的にホワイト・レッドの2色が継続されています。
2013年発売のスペシャル・エディションでリリースされたカラー「マットガンパウダーブラックメタリック」は、2014年のモデルチェンジ後もインテグラSとして引き続きラインナップに加わりました。
ボディカラー別の買取価格では、基本色のホワイト・レッド・ブラックでは大きな差は見られませんが、「ブラックメタリック」には高額査定が付くケースもあります。
スタイリッシュなカラーのため人気が高く、ボディのメンテナンスだけでなく、機能面の維持管理も徹底することが高額買取につながります。