ホンダ NC700Xの特長と買取相場の傾向
ホンダ NC700Xは、2012年にデビューしたミドルクラスのクロスオーバーモデルです。同年に登場したNC700Sやインテグラのエンジン、フレーム、足回りを共有しており、ホンダが「ニューミッドコンセプト」として開発したモデルの一つとなっています。優れた燃費性能と快適なツーリング性能、そして日常の使い勝手の良さが特長です。
ホンダ NC700Xは、669ccの水冷並列2気筒エンジンを搭載。シリンダーを62度前傾させることにより、前方のタンク部を容量21Lのラゲッジスペースとして活用できる独自の設計となっています。また、ABS搭載モデルや、自動変速のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)モデルもあり、幅広いユーザーから支持されています。
エンジンは、低速から中速域での力強さと燃費の良さを両立させ、特に燃焼効率を極限まで高め、41.0km/L(60km/h定地走行テスト値)を達成しました。
中古車の買取相場は、17.2万円~48.2万円(2024年9月20日時点)です。ただし、車体の状態や年式によって価格は変動する可能性があります。
ホンダ NC700Xを高く買い取ってもらうためのポイント
ホンダ NC700Xをより高く売るためには、査定時にチェックされるポイントを押さえておくことが大切です。
ポイント1:モデル
ホンダ NC700Xは、2012年モデルと2013年モデルの2種類に分けられます。
2012年モデルには「ノーマルタイプ」「ABS」「Dual Clutch Transmission ABS」「Type LD」「Type LD ABS」「Type LD Dual Clutch Transmission ABS」の6種類がラインナップされています。
2013年モデルは「Type LD Dual Clutch Transmission ABS」の特別・限定仕様の1種類で、NC700Xの最終モデルとなりました。
買取価格で特に高値が付きやすいのは2013年モデルで、平均買取額は44.5万円です。2012年モデルでは「Type LD Dual Clutch Transmission ABS」が43.2万円と比較的高く、次いで「ABS」が37.3万円、ノーマルタイプは33.7万円となっています。
ポイント2:走行距離
中古バイクの買取価格に大きく影響する要因の一つが、走行距離です。走行距離が短いほど高値が付きやすく、反対に長くなると買取価格が下がる傾向にあります。
例えば、走行距離が5,000km以内で手入れが行き届いている場合、査定額に大きな影響はありません。しかし、3万kmを超えると走行距離が査定額を下げる要因となる場合があります。必ずしも減額されるとは限りませんが、影響が出始めると思ってよいでしょう。5万kmを超えると、さらに査定額が下がりやすくなります。これは、長距離走行によってパーツが消耗し、劣化しているとみなされるためです。
そのため、バイクを買取に出す際は、走行距離が短いほうが高額査定が期待できます。ホンダ NC700Xの買取データでも、5万kmを超えると査定額が下がる傾向です。
ただし、走行距離が短くても保管状況が悪く、コンディションが劣悪なバイクは高値での買取は期待できません。日頃からメンテナンスを心がけるようにしましょう。
ポイント3:ボディカラー
ホンダ NC700Xのボディカラーは年式によって異なります。
2012年モデルは、「マグナレッド」「ダークネスブラックメタリック」「パールサンビームホワイト」「デジタルシルバーメタリック」の4色展開です。
一方、2013年モデルは、アドベンチャーをイメージした特別カラーの「カムフラージュグリーン」の1色のみで、150台の限定販売となりました。
買取価格では、「カムフラージュグリーン」や「マグナレッド」に高値が付きやすい傾向です。反対に、「パールサンビームホワイト」や「ダークネスブラックメタリック」は、若干価格が下がる可能性があります。
ただし、買取価格は、車体の状態や走行距離によっても変動するため、ボディカラーだけが大きく影響するわけではありません。
ホンダ NC700Xを高く売るための注意点
ホンダ NC700Xを高値で売却するには、いくつかのポイントに注意する必要があります。
まず、バイクを売る前にしっかり整備しておきましょう。パーツに不具合がないか、汚れやキズはないかを確認し、洗車やワックスがけをして美しい状態で持ち込むことが重要です。整備されたバイクは、丁寧に取り扱われてきた印象を与え、買取価格にもプラスの影響を与える可能性が高くなります。
次に、整備記録簿やカスタムパーツの交換履歴は大切に保管しておきましょう。記録が残っていれば、査定士はバイクの状態を把握しやすくなり、適切な査定が受けられます。
また、バイクのカスタムを行なっている場合は、純正品を保管しておくのがおすすめです。買取の際、ノーマルな状態が好まれる傾向にあり、純正パーツがあれば買取額に良い影響を与えます。ただし、カスタムによっては買取額がアップする場合もあるため、純正パーツも一緒に持ち込むようにしましょう。
なお、バイクの需要は季節によって変動し、特に春や夏に高まります。新生活開始やGWの連休に合わせて購入を検討する人が多く、少しでも高値で売りたい場合は基本的に温かい季節に買取を依頼するのがおすすめです。