ホンダ CBR600RRの特長と買取相場の傾向
ホンダのCBR600RRは、CBR600F4iの後継モデルとして2003年に登場したフルカウルスポーツバイクです。「Innovative Wonder」というコンセプトに基づいて開発されました。高回転型の水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒599ccエンジン搭載で、出力の高さと扱いやすい出力特性を両立させることにより、サーキットでの性能と公道での扱いやすさを高次元で実現しています。
ホンダ CBR600RRは一度のモデルチェンジと数度のマイナーチェンジを経て、2013年にカタログから外れてしまいます。しかし、2020年に再デビューを果たしました。その際にはハイパワー化したユニットや最新電子デバイスを搭載したことで大きな話題となりました。
ホンダCBR600RRの買取相場価格は、2024年8月30日時点で20.9万~101万円です。初登場から長い歴史のあるバイクのため、買取価格には大きな幅があります。状態の良いものであれば、買取価格が100万円近くになることも決して珍しいことではありません。また、過去5年間の推移を見ると、型式によっては2023年から2024年の間に少し価格が下がっているものの、全体的には緩やかに上昇しています。
ホンダ CBR600RRを高く買い取ってもらうためのポイント
ホンダCBR600RRの査定価格を決めるポイントは傷や故障の有無、走行距離だけではありません。以下についてもあらかじめよく理解しておきましょう。
ポイント1:型式
ホンダCBR600RRには2つの型式があります。一般的にPC37型と呼ばれる型式と、PC40型と呼ばれる型式です。
PC37型は2003年初登場時の型式で、正式な型式番号はBC-PC37です。スペックは先述したとおり599ccの水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒エンジンを搭載しており、ボア・ストロークは67.0mm×42.5mm、最高出力は11,500回転69馬力となっています。燃料供給方式はフューエルインジェクション、燃料消費率は時速60kmで29.0km/Lです。車体は中空構造アルミダイキャスト仕様の軽量高剛性ダイヤモンド型フレームをしており、車両重量は199kg、全長2,010mm、全幅695mm、シート高820mmです。
PC37型は2005年にフルモデルチェンジしました。その際にはメインフレームを中心とした5.6kgの軽量化や倒立フロントフォークの採用などが行なわれています。
2007年のフルモデルチェンジによって新たに登場したのがPC40型です。PC40型はその後モデルチェンジと排ガス規制への適合を行なっているため、3つのバージョンが存在します。
2007年の国内排出ガス規制に適合させたモデルはEBL-PC40です。フロントカウルデザインの変更や約8kgの大幅な軽量化などが行なわれています。エンジンスペックなどはBC-PC37と変わりませんでしたが、2009年のマイナーチェンジにより排気系の見直しとECUのセッティング変更が行なわれました。そのため、2009年以降のEBL-PC40は最高出力が57kWと78PSになっています。
2020年に再デビューしたモデルもPC40型ですが、正式な番号は2BL-PC40です。基本構成は2009年以降のPC40型と同じであるものの、電子制御技術やウイングレット、フル液晶メーターなどが追加されています。また、最高出力は89kWと121PSにパワーアップしました。
2024年には2020年に施行された排気ガス規制に適合するためのマイナーチェンジが行なわれ、型式番号が8BL-PC40になりました。排気系の取り回し変更などがあるものの、エンジンスペックなどは2BL-PC40と変わりません。一方、メーターパネルはフルカラーになっています。
買取相場価格を見てみると、スペックが高く新しいPC40型のほうがPC37型よりも高い傾向です。PC40型の平均買取価格が80~90万円であるのに対し、PC37型は40万円程度です。こうした型式による相場の違いを踏まえて査定を依頼するのが、高く買い取ってもらうためのポイントです。
ポイント2:国内モデルと海外モデル
海外展開もしているホンダCBR600RRには、国内市場向けのものと海外市場向けのものがあります。両者の違いは車重と最高出力です。例えば、2013年のEBL-PC40では車両重量が189kg、最高出力57kW、最高出力回転数12,000rpmであったのに対し、2014年の海外モデルは車両重量196kg、最高出力88kW、最高出力回転数13,500rpmです。
買取相場価格を見ると、PC40型の海外モデルは評価が高く、2024年9月現在で約90万円の相場価格となっています。一方、PC37型の海外モデルの買取相場価格は約50万円です。海外モデルを所有しているオーナーなら、査定の際にきちんと伝えておくとよいでしょう。
ポイント3:カラー
ホンダCBR600RRにはさまざまなカラーバリエーションがあります。2003年初登場時のカラーはイタリアンレッドでしたが、同年にはキャンディタヒチアンブルーとブラック、2005年にはフォースシルバーメタリックとパールファイアーオレンジ、グラファイトブラックが追加されました。2007年のモデルチェンジではパールサンビームホワイトが追加されたほか、2008年にはグリントウェーブブルーメタリック、2009年にはトリコロールのパールサンビームホワイトなどが登場しています。
買取相場価格を見ると、人気があるのはトリコロールカラーです。また、赤系統も比較的買取価格が高い傾向です。人気のカラーのホンダCBR600RRを売却する場合、それをアピールすると高く買い取ってもらえる可能性が高くなります。