ホンダ フォーサイトの特長と買取相場の傾向
1984年発売のスペイシー250フリーウェイ、1986年発売のフュージョンといった250㏄の大型スクーターを1980年代からリリースしていたホンダ。その流れをくむモデルとして1997年に発売されたのが、「先見の明(foresight)」という名を持つホンダ フォーサイトです。
フリーウェイやフュージョンで培ったノウハウを活かし、取り回しの良さと機動性を備えたモデルです。通勤・通学に便利でありながら、ロングツーリングでも快適な乗り心地を味わえ、スポーツ感覚とスタイリッシュなデザインを融合したモデルとなっています。
搭載されているのは、水冷・4サイクル・単気筒エンジン。これにより、市街地走行時の低・中速域から、高速走行時の高速域まで、低振動性・静粛性を実現しています。無段変速機構の採用もあり、扱いやすく快適でスムーズな走行が可能です。
また、簡単な操作で安心感の高いブレーキシステムとしてホンダが開発した前・後輪連動ブレーキシステム「コンビ・ブレーキ」を採用しており、これは250㏄スクーターでは初めてとなります。左ブレーキレバーで後輪ブレーキを操作すると、前輪側にも最適化された制動力が配分される仕組みとなっており、より効果的なブレーキ性能を発揮します。
車のようなオートキャンセルウインカーの搭載も、ホンダ フォーサイトならではの機能です。
デザイン面では、フロントからリアまで流れるようなラインで構成。ウインドスクリーンの下部や、フロントノーズの両サイドにエアスクープを設け、走行時の不快な巻き込み風を防止します。また、ハンドルにもウインドスクリーンを実装しています。
幅広で低位置のシートは、座り心地と足の安定感を追求しつつ、シート下には40Lの大容量ラゲッジスペースを確保。専用ヘルメットを2個収納できるほか、野球のバットやテニスラケットなど900mmまでの長尺物も収納可能で、まさにビジネスからレジャーまで使い勝手の良い仕様となっています。
初代モデル発売後はマイナーチェンジを重ねつつ、軽二輪を対象とした平成10年排出ガス規制に適合したフォーサイト SEを1999年にリリース。2003年には、細部を見直して価格を引き下げたフォーサイト EXをラインナップに加え、翌年にグリップヒーターを搭載したモデルを発表したのち、生産終了となりました。
ホンダ フォーサイトの初代モデルの新車価格は47.9万円です。平均的な中古車の買取相場は2.1万円~19.3万円(2024年9月5日時点)となっていますが、型式・マシンの状況など条件により大きく変動する可能性があります。
ホンダ フォーサイトを高く買い取ってもらうためのポイント
できるだけ高額で買い取ってもらうためには、知っておきたいポイントがあります。ここでは、ホンダ フォーサイトの査定額を上げるための具体的なポイントを紹介します。
ポイント1:グレード
ホンダ フォーサイトは、初代モデルから最終モデルまでの間、マイナーチェンジを繰り返しました。初代モデルのほか、国内の排出ガス規制に対応したフォーサイト SEと、装備はそのままで価格引き下げを実現したフォーサイト EXの3タイプがあります。型式も初代モデルがMF04、SEとEXがBA-MF04とそれぞれ異なっています。
各モデルの買取価格は、初代モデルが最も低く、SE・EXになるほど高くなる傾向です。ただし、これらは同一モデルでのグレードという位置付けとは少々異なり、発売年も違うことから、経年や排出ガス規制の有無などが関連している可能性があります。
ポイント2:年式
上記で紹介したグレードとも被りますが、ホンダ フォーサイトは1997年の初代モデルのあと、1998年・1999年にマイナーチェンジが行なわれました。同じく1999年にはフォーサイト SE、2003年にはフォーサイト EX、2004年にはマイナーチェンジと、合計6つの年式が存在します。
グレードのところでも述べたように、初代モデルよりもSE・EXのほうが高額査定されやすい傾向です。ただし、初代モデルで1999年式よりも1997年式のほうが高額買取された事例もあることから、一概に新しい年式のほうが高額になるとも言い切れません。
査定額は年式だけでなく、バイクのメンテナンス状態などが大きく影響するので、日頃から維持管理をしっかり行なうようにしましょう。
ポイント3:走行距離
バイクの買取価格は、走行距離が長くなるほど下がってしまうのが一般的です。ホンダ フォーサイトの場合も、おおむね走行距離に比例して買取価格は下がる傾向にあります。
250㏄の中型バイクでは、走行距離5~8万kmが寿命の目安です。ただし、メンテナンス状況や扱い方次第では、2~5万kmで寿命を迎えるケースや、10万㎞以上走るケースもあります。高額買取を実現するには、バイクを少しでも良い状態にしておくよう、日常的なメンテナンスを大切にしましょう。また、売却を決めたら経年劣化を避け、なるべく早く売るのもポイントです。
ポイント4:ボディカラー
ホンダ フォーサイトのカラー展開は、初代モデルではシルバー系・ブラック系・ホワイト系が中心となり、年式に応じてレッド系・ブルー系・グレー系が加わっています。
買取価格では、初代モデルでホワイト系、SEでレッド系の価格がやや高く、一方、EXではカラーによる大きな価格差はほとんど見られません。
ただし、買取価格に大きく影響するのはバイク本体の管理状況なので、査定前には洗車するなどして、きれいな状態で見てもらうようにしてください。