ホンダストリームの特長と買取相場の傾向
ホンダストリームといえば、2000年から2014年まで発売されていたホンダのミニバンタイプの自動車が有名です。しかし、実は1981年に同じ「ストリーム」という名称のバイクが同社から発売されていました。
ホンダストリームは49ccの空冷2スト単気筒エンジンを搭載しており、一見すると一般的なスクーターのようです。しかし、ホンダストリームは新しいカテゴリに属するスリーホイールのバイクであり、スクーターではなくスリーターと呼ばれています。
スリーターという言葉は、スリーホイールでスイング機構があり、2輪の軽快さと4輪の快適さを兼ね備えた乗り物という意味で定義されています。ホンダストリームの大きな特徴は、フロントホイールと駆動するリアホイールが分離している点です。
その連結部にナイトハルト機構を採用しているため、コーナリングの際にフロントボディのみが左右にスイングします。そして、リアの駆動軸にデファレンシャル・クラッチを装備し、安定したコーナリングを実現しました。
さらにロングホイールベースであることにより、超低速走行でも優れた直進安定性を発揮します。以上のような特徴のおかげで、ホンダストリームはスクーターとは一味違う新しい感覚の走りを可能としました。
また、ホンダストリームは乗用車のような快適性を備えているのも特徴です。小径ホイールとロングホイールベースのおかげでフットスペースが広く、ライディングポジションも十分に確保できます。
バックレスト付きの大型シートは、3段階まで調整可能です。フロントにボトムリンク、リアにユニットスイングというサスペンションと、エンジンの振動を遮断するダブルリンク式エンジンマウントにより、乗り心地の良さも実現しています。
ホンダストリームはほかにも、機能性に優れたうえで、扱いやすくなるようにさまざまな設計が施されています。例えば、ワンタッチ操作のパーキングロック機構があるため一般的なバイクのようなサイドスタンドが不要で、楽に駐車できます。
パーキングロックされていることを知らせるパーキングインジケーターや、オイル補給時期を知らせるタイマー式のオイルインジケーターを搭載しているのもポイント。
5kgまで積載できる大口径開閉式のフロントトランクと、2kgまで積載できるグローブボックスがあり、荷物の収納にも困りません。スタイリングは曲線と直線が調和しており、やわらかでありながらシャープな印象も感じられます。
ホンダストリームは、モデルチェンジすることなく1983年に生産終了しました。しかし、ホンダのスリーターシリーズはその後、ジャイロXやジョイ、ジャスト、ロードフォックスなど次々と新しいモデルが発売されました。
発売当時の標準現金価格は19.8万円で、買取相場は3.7~17万円(2024年8月30日時点)程度です。
ホンダストリームを高く買い取ってもらうためのポイント
ホンダストリームを高く買い取ってもらうためには、以下のポイントに注意しましょう。
ポイント1:年式
バイクは一般的に、年式の新しいものほど高く買い取ってもらえる傾向にあります。一方、年式が古いバイクは高価買取が期待できないだけでなく、状態が悪いと買取不可の場合もあるでしょう。
ホンダストリームの場合も1983年に生産終了しており、最新の年式であってもすでに40年ほど前となるため、買取不可となるおそれがあることは念頭に置いておきましょう。
ただし、状態が良ければ買取してもらえる可能性は十分にあります。実際にホンダストリームの取引実績も確認でき、年式が不明のものでも買取されていることがわかります。
ポイント2:走行距離
バイクを高く買い取ってもらうためには走行距離も重要です。一般的に、走行距離は短いほうが高価買取が期待できます。また、以下の走行距離によって段階的に買取価格が変わる傾向もあります。
・〜5,000km
・~1万km
・〜2万km
・〜3万km
・3万km〜
走行距離によっては買取価格に数万円以上の差が生じる場合もあるため、なるべく高く買い取ってもらうためには1万の桁の数字が変わる前に買取に出すとよいでしょう。また、バイクは排気量によってエンジンの消耗の仕方が異なり、寿命にも差が生じます。
一般的に、排気量の少ないバイクのほうがエンジンの消耗が早く、50cc以下のバイクは2万〜3万kmで寿命を迎えることもあります。ホンダストリームを高く買い取ってもらうためには、上記走行距離を超える前に査定を依頼しましょう。
ポイント3:メンテナンス
バイクを高く買い取ってもらうためには日頃のメンテナンスを怠らず、良い状態を保つことも重要です。ギアチェンジのいらないオートマチックであるホンダストリームは、駆動系パーツの消耗が激しく、良い状態を保つためには定期的な交換が重要となります。
工具があれば、自分で分解して定期的な点検や交換も可能です。ウエイトローラーやプーリー、Vベルト、クラッチシューなどを確認し、消耗していれば交換しましょう。交換が必要ない場合でも、清掃しておくと良好な状態を保ちやすくなります。