ホンダジャイロXの特徴と買取相場の傾向
1982年、ホンダはスリーターシリーズの第2弾として、荒地や雪道の走行を想定したレジャーバイク、ジャイロXを発売しました。ジャイロXの車名「GYRO」は、Gが「偉大な(Great)」、Yが「あなたの(Yours)」、Rが「娯楽の(Recreational)」、Oが「独特の(Original)」を意味し、未知の可能性を表す「X」が加わったものです。
のちにジャイロキャノピーやジャイロUPといったビジネスモデルが展開され、ジャイロXもビジネス用途として認識されるようになりました。
ジャイロXは、後輪が2つあり、それぞれが駆動輪であるため、小回りが利くディファレンシャルクラッチを備えています。2002年にはスタンダードとベーシックの2タイプが登場し、2008年には4ストロークエンジン搭載のモデルに変更。2017年には排ガス規制対応し生産が継続され、現在も3輪ビジネススクーターとして利用されています。
ジャイロXの新車価格は、ベーシックタイプが税込40万4,800円、スタンダードタイプが税込42万6,800円です。買取相場は、車両の状態や走行距離などにもよりますが、2.6万円~17万円となっています(2024年8月30日時点)。
ホンダジャイロXの買取価格が高くなるポイント
モデルや年式など、ホンダジャイロXの買取価格に影響するポイントをご紹介します。
ポイント1:モデル
ジャイロXにはスタンダードとベーシックの2つのモデルがありますが、スタンダードのほうが高値での買取が期待できます。スタンダードモデルのほうが装備が充実しており、特にビジネス用途での使い勝手が良いためです。
ベーシックモデルは2002年6月に導入されました。このモデルはスタンダードの基本機能を維持しつつ、ウインドシールドとリアキャリアを省くことで価格を抑えた仕様です。このため、コストパフォーマンスを重視するユーザーに向けた選択肢として提供されています。
ポイント2:年式
ジャイロXは1982年に発売されて以降、ビジネス需要の高まりも受けながら、発進時の出力特性の向上やボディの強度アップなど改良を重ねてきました。
1999年以降は排ガス規制に対応したモデルを発表しています。改良を重ねた新しい年式のもののほうが、高値が付きやすいです。現行のモデルは2020年の排出ガス規制をクリアしており、買取においてプラスの要素となります。
ポイント3:カラー
ジャイロXの初期型のカラーは、レッドのみでした。その後ホワイトやブラック、ブルーなども販売されました。現在販売されているジャイロXのカラーは、ファイティングレッドとシャスタホワイトの2色です。
ジャイロXはこの2色が長いこと定番となっており、それ以外のカラーはすなわち年式が古いことを示しています。ジャイロXの場合はカラーよりも年式や走行距離が買取価格に影響するといえます。
ポイント4:走行距離
バイクの買取価格は、走行距離が短いほど高くなる傾向があります。走行距離が長いと部品が消耗しやすくなるためです。特に50ccのバイクは、エンジンへの負荷が大きく、寿命は約5万kmとされ、3万km程度で限界になることもあります。
ジャイロXの場合、5,000km以下のものは買取価格が少し高い傾向にありますが、1万kmを超えると下がっていく傾向にあります。
ポイント5:コンディション
塗装の剥がれや損傷などの外観、異音やオイル漏れがないかなどのエンジン周りなど、バイクのコンディションも重要な査定ポイントです。特に年式の古いバイクについては、エンジンが一発で始動するかどうかも大切です。
日頃から丁寧に手入れし、サビがないなど美しい状態の車両のほうが、買取価格も高くなるでしょう。
ホンダジャイロXをより高く売るための注意点
ホンダジャイロXの買取価格を少しでも高くするために、管理や査定依頼時に意識したいポイントをご紹介します。
こまめなメンテナンス
査定士から高評価を得るバイクは、故障や大きな傷、部品の欠損がない良好な状態のものです。日頃のメンテナンスをしっかり行ない、良い状態を維持していれば、古い年式でも高く売れる可能性があります。
使用頻度が低いバイクの場合はカバーをかける、月1回の洗車、2週間に1回のエンジン始動などを心がけるとよいでしょう。また、点検整備記録簿を用意することで、査定士にバイクの状態を正確に伝えやすくなります。
査定前に洗車を行なう
バイクを少しでも高く売るためには、もう乗らないとしても査定前に洗車するのがよいでしょう。ステッカーが貼られている場合は、車体を傷つけないように剥がしておくと好印象です。
洗車でバイクをきれいに保つことは査定士の印象に影響し、丁寧に扱われてきたかどうかを判断する材料になります。汚れたままだと、メンテナンス不足を疑われることもあります。
純正パーツも査定に出す
ジャイロXはビジネス向けのイメージが強いですが、レジャー用途としても人気があります。ミニカー登録ができるバイクであり、カスタムを楽しむ人も多いでしょう。このような場合、純正のパーツも一緒に査定に出すと良いです。
基本的に、バイクの買取査定ではフルノーマルの状態が評価されます。純正パーツを持っているなら、査定時に一緒に出すだけで有利になります。一方で、カスタムのセンスが良ければそのままでも高値になる可能性もあるため、査定時に確認してみましょう。