ホンダ ゴリラの特長と買取相場の傾向
1978年に初登場したホンダ ゴリラは、1960年代後半から2017年まで販売された人気車種「モンキー」と同じ50ccクラスのレジャーバイクです。モンキーと共通の部品を使用しながら、燃料タンクが大きいため、「大きいモンキー」という意味合いで「ゴリラ」と名付けられました。
車体は、バックボーン型フレームにSOHC2バルブの空冷4ストローク単気筒エンジンを搭載し、最高出力は2.6馬力です。また、4速リターン式トランスミッションを採用しており、モンキーの3速仕様に対し、長距離走行が可能です。燃料タンクの容量は9Lで、モンキーの5Lに比べて倍近く大きく設定されています。
足回りには、フロントにテレスコピックフォーク、8インチタイヤ、ドラムブレーキを装備。リアはスイングアーム式で、ツインショックを採用しています。1985年モデルでは、最高出力が3.1馬力に向上し、1988年モデルまで販売されました。
その後、1998年に再登場し、再び3.1馬力のエンジンと9Lタンクを装備して販売されましたが、2007年モデルで生産終了となりました。
ホンダ ゴリラの買取相場は、2024年9月20日時点で1.6万円から34.2万円です。車体の年式や状態によって価格は変動します。
ホンダ ゴリラの買取価格が高くなるポイント
生産中止期間を除き、約20年間販売されたホンダ ゴリラは、年式や状態などによって買取価格が大きく変動します。ここでは、ホンダ ゴリラの買取価格に影響を与えるおもなポイントを紹介します。
グレード
ホンダ ゴリラにはハイグレードモデルは存在しませんが、標準モデルに加えて、特別仕様モデルがいくつかあります。1988年モデルの「ホンダ ゴリラ ホワイトスペシャル」と、1999年モデルの「ホンダ ゴリラ スプリングコレクション」です。
ホンダ ゴリラ ホワイトスペシャルは、パールミルキーホワイトのおしゃれなスタイリングと、クロームメッキ仕上げの高級感あるボディが特長です。一方、ホンダ ゴリラ スプリングコレクションでもクロームメッキを多く使用し、こちらは3,500台限定で発売されました。
特に、台数限定のホンダ ゴリラ スプリングコレクションは、華やかなデザインと希少性から根強い人気があり、プレミアム価格で取引されるケースもあります。
型式
ホンダ ゴリラには、1978~1999年式の「Z50J型」と、1999~2007年式の「AB27型」の2種類があります。買取相場では、年式の新しいAB27型のほうが高値になる傾向があります。
しかし、Z50J型だからといって必ずしも評価が下がるわけではありません。たとえZ50J型で走行距離が長くても、状態が良ければAB27型よりも高値が付くケースもあります。
また、ホンダ ゴリラはモンキーのカスタムパーツを流用できるため、カスタム車両が多いのも特長です。カスタムの完成度やパーツによって、さらに高値につながる可能性もあります。
走行距離
バイクの買取では、走行距離が重要な要素となります。ホンダ ゴリラも例外ではなく、走行距離が短いほど高値が付く傾向にあります。
しかし、走行距離が50,000kmを超えている車両でも、高値で取引される場合もあり、走行距離だけで査定額が決まるわけではありません。年式が古く走行距離不明のホンダ ゴリラは多く存在しますが、コンディションやカスタムの状況によっては高値になる可能性もあります。
反対に、走行距離が短くても、フレームの歪みや多数のキズがある場合、査定額が下がるケースもあります。年式が古いのに走行距離が短ければ、適切にエンジンが稼働していなかったとみなされ、評価が低くなる場合もあるでしょう。メンテナンス状況や走行距離と年式のバランスが、買取査定では重要なポイントです。
カスタム
一般的に、バイクの買取市場ではフルノーマルの状態が好まれます。ホンダ ゴリラをカスタムしている場合は、純正パーツを保管しておき、査定時に出すことが重要です。なかには、カスタムパーツを評価する業者もいますが、純正部品がそろっているとさらに査定額アップが期待できるでしょう。
一方で、ホンダ ゴリラはカスタムベース車としても人気です。特に、完成度の高いコンプリートカスタム車両は、非常に高値で取引されるケースもあります。
車体外観
車体を美しく保つことは、高値での買取につながります。立ちゴケによる小さなキズはそれほど問題になりませんが、やはりキズのない車体のほうが高評価を得やすい傾向です。
また、年式が古いほど、保管環境による劣化状況も査定額に影響します。紫外線によってシートや樹脂部分が劣化したり、雨の影響でメッキがサビたりすると、査定額が下がる可能性が高くなります。そのため、新車時からバイクカバーを使って保護するなどの対策が重要です。
ホンダ ゴリラをより高く売るための注意点
ホンダ ゴリラをできるだけ高値で売るためのポイントを、以下で紹介します。
自分でキズなどを修理しない
売却前に自分で補修を試みる方もいますが、慣れていないと仕上がりが悪くなってしまう可能性があります。また、軽度の汚れや小さなキズが、マイナス査定の大きな要因になるケースはあまりありません。経験豊富なプロがあとで補修を行なうため、そのまま査定に出すことをおすすめします。
事故歴や修理歴を隠さない
長年人気があるホンダ ゴリラには、年式が古い車体も多いため、なかには事故歴や修理歴があるものもあります。バイクに事故歴や修理歴がある場合は、正直に申告することが重要です。虚偽申告が発覚すると、大きなトラブルに発展する可能性もあるので、信頼できる取引を心がけましょう。