ホンダ NS-1の特徴と買取相場の傾向
ホンダのNS-1は、1991年に発売された50ccの2ストロークスポーツモデルです。中型モデルと同様に、前後17インチホイールが採用されているフルサイズの原付スポーツバイクで、NS50Fの後継機にあたります。
ホンダ NS-1の特徴は、フルカウル化とヘルメット収納機能を備えた点です。通常のバイクの燃料タンクがある部分に収納スペースを配置しており、この手法は後のNC700シリーズなどでも採用されました。燃料タンクはシート下に移され、給油口はリアカウルの上部に設置されました。
エンジンはNS50Fから継承されたAC08E型で、当時の規制上限である7.2psを発揮し、1リッター換算で145ps以上という高出力を持ちます。ホンダ NS-1は、フルサイズらしい乗りやすさと収納性の高さ、それでいて原付一種という気軽さから人気を博しました。
ホンダ NS-1は1998年に最後のモデルを発表し、1999年に生産終了となりました。買取相場は、9.1万円~33.5万円(2024年8月30月時点)となっており、型式や車体のコンディションなどにより価格が変動します。
ホンダ NS-1の買取価格が高くなるポイント
少しでも高い買取価格を付けてもらうには、査定時にチェックされるポイントを知っておくことが大切です。ホンダ NS-1の買取査定額にかかわるおもな5つのポイントを解説します。
ポイント1:モデル
ホンダ NS-1は、1991年の初期モデルから1994年頃まで販売されたモデルを前期モデル、それ以降を後期モデルに二分できます。
前期モデルは、250ccクラスの人気レーサーレプリカNSR250Rを彷彿とさせるスタイリングが特徴でした。大柄な車体やヘッドライト、カラーリングなどがNSR250Rに似ています。
後期モデルは前期の車体設計を受け継ぎつつ、400ccのRVFに似たデザインに変更され、二灯ヘッドライトが特徴です。また、点火方式が変更されてより強力な点火が可能になり、リードバルブやマフラーの改良で出力特性も向上しました。
新規モデルや、後期モデルのフルノーマルなどが、高い人気を誇ります。
ポイント2:年式
ホンダ NS-1は1991年から1998年まで計8モデルを発表しており、先述したように前期モデルと後期モデルに大別されます。
一般的に、バイクは年式が新しいほうがより高値が付きやすい傾向がありますが、車種によっては年式の古いバイクのほうが需要が高い場合もあり、ホンダ NS-1はどの年代も需要が高めといえるでしょう。
二灯ヘッドライトの後期モデル、特に最終モデルの人気が高い一方で、前期モデルや、RVFに似たデザインにチェンジした1995年式も、バイクの状態によって高値で取引されるケースがあります。
ポイント3:カラー
カラーは、初期モデルに採用されているブルー&ホワイトや、シルバー系の人気が高い傾向です。
ホンダ NS-1は白、青、赤の3色を使ったいわゆるトリコロールを使ったモデルが多いですが、このトリコロールはバイクの買取価格が高いカラーとされています。また、「ホンダ NS-1といえば」といういわばイメージカラーでもあり、より高値が付きやすいといえます。
ポイント4:走行距離
一般的に、走行距離の短いバイクのほうが、買取価格は高くなる傾向があります。走行距離が長いほどエンジンなど各部品の消耗が進んでいると考えられるためです。
また、バイクは排気量ごとに寿命となる走行距離の目安があり、50ccは5万km程度とされています。バイクが小さいためエンジンへの負荷や消耗は大きく、3万km程度で限界がくることも珍しくありません。
そのためか、ホンダ NS-1は走行距離が短いほど高値が付きやすい傾向があるものの、2~3万kmあたりから買取価格の差は小さくなります。
なお、走行距離が短くても年式が古ければバイクが稼働していない可能性があり、買取価格が下がるなど、必ずしも走行距離が短いほど高値になるわけではありません。
ポイント5:コンディション
製造からの経過年数が長いホンダ NS-1は、バイクの保管状況やメンテナンス状況が買取価格に大きく影響します。エンジンが一発で始動する状態が望ましいところです。
また、事故歴や修復歴の記録がしっかりあることも大切です。修復歴などがある場合にはそれによる車体への影響(加速時の揺れなど)が少ないほうがよいでしょう。その他、サスペンションがスムーズに動くなど、走行に問題ないコンディションであることが高値につながります。
ホンダ NS-1をより高く売るための注意点
ホンダ NS-1の買取価格を少しでも高くするために、意識したいポイントをご紹介します。
丁寧なメンテナンスと洗車
ホンダ NS-1は製造から年月がかなり経過しているため、ある程度の劣化があることは否めません。そこで、どれだけ丁寧にメンテナンスされ、良い状態を保っているかがポイントになります。オイル交換やエンジンのチェックを適切に行ないましょう。また、査定に出す前に丁寧に洗車し、きれいにしておくことも大切です。
ボディの状態をチェックしていると小さな傷などが気になるかもしれませんが、セルフでの修理はおすすめしません。プロであれば簡単に美しく直せる傷も素人だと悪化させる可能性があり、逆に代償が高くつく可能性もあるためです。
カスタムパーツと純正パーツを両方とも査定に出す
バイクの買取査定では、一般的にフルノーマルのほうが高く評価される傾向にあります。
一方で、ホンダ NS-1はカスタムパーツも多く展開されており、カスタムを楽しんでいたユーザーが多いバイクの一つです。カスタムの完成度が高い場合や絶版となった希少パーツを使用している場合などは、査定額が高くなる可能性もあります。
カスタムバイクを楽しんでいる方は、純正パーツとカスタムパーツの両方を併せて査定依頼するとよいでしょう。