ホンダFTR223の特長と買取相場の傾向
ホンダFTR223は、フラットトラッカースタイルの軽二輪モデルで、1986年に発売されたFTR250のイメージを継承しています。FTR250が発売された当時は、レーサーレプリカタイプの全盛期だったため、同モデルの人気はそこまで盛り上がらずに生産終了となりました。
しかし、1990年代後半になるとストリートカスタムブームが起こり、FTR250はベースモデルとして脚光を浴びました。そこでホンダは、FTR250を引き継いだFTR223を2000年に発売したのです。
FTR223は「フラットトラッカーが持つスタイルと走破性を現代のストリート(街中)に合わせ蘇らせること」をコンセプトとしており、 FTR250とまったく同じバイクだったわけではありません。
軽量でコンパクトな空冷4ストロークOHC単気筒223ccエンジンを搭載し、吸気量を増加させ、吸排気両方向の管長を伸ばすことで、低・中速域のトルクを高めています。フレームは、軽量ながら高い剛性を持つセミダブルクレードルタイプを採用しています。
構成はシンプルですが、フレームの美しさにこだわった設計です。リアブレーキはドラム式を採用し、伸びのある加速を味わえる5速ミッション、始動が簡単なセルフスターターを搭載しています。
フロントにテレスコピックフォークサスペンション、リアにモノショックサスペンションという構成で、フラットトラックでの走破性と街中での安定性を実現しました。
スタイリングは、トラッカースタイルに欠かせないゼッケンプレート型のカバーが特徴的です。幅広タイプのハンドルバーやスリムなフューエルタンクも目を引きます。
ホンダFTR223は車両価格が安価なこともあり、当初の想定どおりカスタムベースとして人気を集めました。2007年に生産終了となっていますが、中古市場では多く出回っています。
発売当初のメーカー希望小売価格が33.9万円(トリコロールカラー)と32.9万円(ソリッドカラー)であったのに対し、買取相場は4.8万~29.3万円(2024年9月20日時点)程度です。
ただし、ホンダFTR223はビギナーを含む幅広いライダーから人気があり、中古市場でも常に一定の需要があります。今後の買取相場の上昇が期待でき、状態が良い車両であれば高く買い取ってもらえる可能性があるでしょう。
ホンダFTR223を高く買い取ってもらうためのポイント
ホンダFTR223を高く買い取ってもらうためのポイントは、おもに次の3つです。
ポイント1:走行距離
走行距離はバイクの買取価格を左右し、一般的に走行距離の長い車体ほど買取価格が下がります。ただし、走行距離が買取価格に与える影響は、バイクの用途によって異なります。
例えば、スクーターなどの通勤や通学に使うバイクは、走行距離が長いと買取価格から減額されるでしょう。一方、ツーリングを目的とするような日常使いの少ないバイクであれば、走行距離は買取価格に大きく影響しません。
ホンダFTR223は、フラットトラッカースタイルであり、どちらかといえば後者に当てはまるバイクです。そのため、走行距離が長くても買取価格が減額されない可能性もあるでしょう。
また、ホンダFTR223のような4ストロークエンジンを搭載したバイクの寿命は、およそ10万kmです。さらに、バイクの排気量によっても寿命は異なり、250cc以下のバイクは5万~8万kmが目安となります。
ただし、一般的には5万kmを超えると買取価格に影響が出始め、10万kmを超えると買取額がつかない可能性もあります。
ホンダFTR223を高く買い取ってもらうためには、買取価格の減額が少ないとされている3万kmを超える前に査定に出すとよいでしょう。
ポイント2:カスタム
一般的にカスタムバイクでも買取は可能です。特に、有名ブランドのパーツを使用していると、高く買い取ってもらえる可能性があります。また、生産終了しているバイクをカスタムしている場合も、買取価格の上乗せが期待できるでしょう。
一方、質の悪いノーブランドのパーツを使用してカスタムをしていると、買取価格が上がらないどころか、減額となるおそれもあります。ノーブランドのパーツを使用してカスタムをしている場合は、純正パーツに戻してから査定に出したほうがよいでしょう。
ただし、ホンダFTR223はカスタムすることを考慮して作られたバイクです。カスタムをしていても買取価格が減額されない傾向があるため、そのまま買取してもらうのが無難でしょう。その際、純正のノーマルパーツが手元にあれば、併せて査定してもらうと高価買取につながります。
ポイント3:外装の状態
バイクは傷やへこみなどがあっても買取してもらえます。ただし、ホンダFTR223は中古市場での出回りが多いため、新車に近い状態のほうが高く買い取ってもらえる可能性があります。
パーツを交換すれば済む場合は、買取前に自分で修理するとよいでしょう。一方、タンクのへこみなど素人が扱うのは難しい箇所を自分で修理すると、プロによる手直しが必要となり、かえって買取価格が下がるおそれもあります。
修理が難しいときは、そのままの状態で査定に出すのが無難です。