ホンダDioの特長と買取相場の傾向
ホンダの原付スクーターDio(ディオ)は、1988年に初登場して以来、多くの人々に愛されてきました。「ディオ」という名称は、1988年に発売された2ストエンジン車と、2003年の4ストエンジン車のみに使われ、そのほかのモデルには「ライブディオ」や「ディオチェスタ」などの異なる名前が付けられています。
初代Dio(AF18型)は、49ccの空冷2スト単気筒エンジンを搭載し、スポーティなデザインとメットイン機能を備えていました。1990年にはマイナーチェンジが行なわれ、チューブレスタイヤが導入されています。1994年に発売された3代目ライブディオでは、エンジンの配置を変更し、燃料タンクの容量が増加しました。
その後、10年以上経って新しいDioが登場します。しかし、4世代目のスマートディオの価格上昇を受けて、コスト削減を目的に中国の新大洲本田で生産を行なうようになり、価格は11.9万円に抑えられました。このモデルは強制空冷式4スト49ccエンジンを搭載し、前後連動のコンビブレーキも装備。2008年にはフューエルインジェクションが導入されるなど、その後も仕様変更を続けられましたが、Dioシリーズは最終的に2013年まで販売され、35年の歴史に幕を下ろしました。
ホンダDioの買取相場は、2024年9月20日時点で、~8万円となっています。
ホンダDioの買取価格が高くなるポイント
長い歴史を持つホンダDio。ここでは、買取価格に影響するポイントを紹介します。
派生モデル
ホンダDioは、1988年と2003年のモデルにその名称が使われていますが、Dioシリーズはほかにもさまざまなモデルが展開されています。例えば、大型のフロントバスケットを備えた「ディオチェスタ」、足付きの良い低めのシートを特長とする「ディオフィット」、水冷4ストローク50ccエンジンを搭載した「スマートディオ」などです。
2007年に発売された「スマートディオZ4」では、4ストローク50cc用の電子制御燃料噴射装置を世界で初めて搭載しました。また、2011年以降には「ディオ110」が登場し、新設計の空冷4ストロークOHC単気筒110ccエンジンを搭載した原付二種スクーターとして発売されています。このモデルは年式が新しく、機能も向上しているため、比較的高値になりやすい傾向があります。
年式
ホンダDioは、次の5つの年式に分けられます。
・1988~90年式:AF18型
・1991~97年式:AF27型スーパーディオ
・1994~01年式:AF34/35型ライブディオ
・2001~07年式:AF56/57型スマートディオ
・2004年~06年式:AF62型
・2008~13年式:AF68型
AF18型とAF27型スーパーディオ、AF34/35型ライブディオには空冷2ストロークエンジン、AF56/57型スマートディオには水冷4ストロークエンジンを搭載し、AF62型とAF68型には空冷4ストロークエンジンが採用されていました。一般的に、年式が新しいほど技術やデザインが最新のものとなり、買取価格が高くなる傾向があります。ただし、年式はあくまでも目安であり、状態の良い車両や人気のモデルであれば、より高値につながる可能性もあります。
走行距離
一般的に、走行距離が短いほどエンジンや部品の劣化が少なく、買取価格が高くなる傾向があります。特に50ccのバイクはエンジンへの負荷が大きく、寿命は約5万kmとされ、3万km程度で限界を迎える場合もあります。
Dioの場合は、走行距離の短さに加え、車両の状態などほかの項目でもプラスの要素があれば評価が上がりやすくなりますが、走行距離のみでは価格はそれほど変動しません。
ボディカラー
カジュアルに街乗りを楽しめるDioは、これまでに多くのカラーを展開してきました。パープル系やホワイト系、グレー系、ブラック系など、それぞれのカラーが人気を集めています。
また、ホンダDioスペシャルは限定カラーモデルを複数発売しています。2010年には「ヘビーグレーメタリック―U」、2011年には「パールツインクルブラック」など、いずれも1,000台限定で販売されました。これらの限定カラーは希少性が高いため、コレクターやバイク愛好家の間で特に注目されており、そのため中古市場での買取価格も高くなる傾向にあります。
車両の状態
車両の全体的な状態は、買取価格に大きく影響します。外装のキズや凹み、内装の汚れ、エンジンの調子、タイヤの状態など、さまざまな要因が評価の対象となります。特に、外装に小さなキズや汚れがあるだけでも査定が下がるケースがあるため、定期的な洗車やメンテナンスは非常に重要です。
エンジンオイルや冷却水、ブレーキパッドなどの消耗品の交換を怠らず、適切なメンテナンスを行なえば、車両の状態を良好に保てます。これにより、高い買取価格が期待できるでしょう。
ホンダDioをより高く売るための注意点
ホンダDioの買取査定額を少しでも高くするために、査定に出す際に意識したいポイントを紹介します。
継続的なメンテナンス
査定で高評価を得るバイクは、故障や大きなキズ、部品の欠損がない良好な状態のものです。日頃からメンテナンスを欠かさず、状態をしっかり保つことが重要です。
バイクの使用頻度が少ない場合は、冬の間はカバーをかける、月に一度洗車をする、2週間に一度エンジンをかけるといった工夫をするとよいでしょう。また、整備記録簿を用意しておくと、査定士にバイクの状態を正確に伝えやすくなります。
査定前の洗車
バイクを少しでも高く売るには、もう乗らない場合でも査定前に洗車しておくのがおすすめです。ステッカーが貼ってある場合は、車体にキズを付けないよう注意してはがせば、印象が良くなります。
洗車をしてバイクをきれいに保つと、査定士に好印象を与え、丁寧に扱われてきた証拠として評価される場合が多くあります。逆に、汚れたままだとメンテナンス不足を疑われる可能性があるため注意が必要です。