ホンダ CRM250ARの特長と買取相場の傾向
ホンダ CRM250ARは、CRM250Rのモデルチェンジ版として1997年に登場したマシンです。多くのオフロードファンから支持されていましたが、翌1998年モデルをもって生産終了となりました。
その特長としてまず挙げられるのは、Activated Radical(AR)燃焼エンジンを搭載していることです。AR燃焼システムは、シリンダーの内部に残った残留ガス内の遊離基(ゆうりき)を利用し、シリンダー内に導かれた新しい混合気に自己着火させるというものです。元来であれば自己発火は食い止めるべきものでしたが、AR燃焼システムではむしろ幅広い範囲で発生させることにより、燃焼効率や燃費の向上などに一役買うようになっています。さらに排ガス中の炭化水素(HC)を低減することにも成功しました。
エンジンは水冷2ストローク単気筒エンジンを搭載しています。排気量は249cc、最高出力は8000rpmで最大トルクは6500rpm、燃費は時速60kmで36km/L、燃料タンク容量は11Lです。
全長は2,195mm、全幅は825mmとなっており、シート高は895mmです。
ホンダ CRM250ARの買取相場価格は、2024年9月16日時点で15.6万~50.9万円です。新車販売価格が47.9万円だったことを考えると、現在でも中古市場で高い人気を誇っていることがわかります。なお、買取相場は型式や走行距離、状態によっても変わってきます。
ホンダ CRM250ARを高く買取ってもらうためのポイント
先述したように、ホンダ CRM250ARの買取相場価格には大きな幅があります。査定において分かれ目となるポイントは、以下のとおりです。
ポイント1:年式
ホンダ CRM250ARが生産されたのは1997年と1998年です。1997年モデルと1998年モデルには、エンジンスペックなどの仕様に違いはありません。平均買取額もほとんど変わらず、2024年9月16日時点で1997年式が32.5~42.1万円、1998年式が33.5~41.8万円です。ただし、過去5年間における価格推移を見ると、1997年式のほうが価格が上昇傾向にあります。1998年式は対前年比で-1%、対3年前比で-14%ですが、1997年式は対前年比で+27%、対3年前比で+20%買取平均価格が上がっています(2024年9月16日現在)。
ポイント2:走行距離
ホンダ CRM250ARの総排気量は250cc以下です。250cc以下の場合、一般的には走行距離15,000~2万kmが買取価格に影響をおよぼすといわれています。ホンダ CRM250ARの走行距離別買取平均価格を見ると、4,999kmまでの平均価格は48.2万円です。それが5,000~1万kmとなると42.7万円、1万~2万kmだと42.3万円となっています。さらに、2万kmを超えると平均買取価格は30万円台に下がっています(いずれも2024年9月16日時点)。あまり乗っていない場合には、なるべく早く査定に出すのがおすすめです。
ポイント3:ボディカラー
ホンダ CRM250ARには4つのカラーバリエーションが存在します。1997年式のカラーは白、黒、赤を基調としたロスホワイトと、黒、青、黄色を基調としたリノバイオレットです。1998年にはロスホワイトよりも黒の配分が多くなったブラックと、黄色の配分が少なくなったリノバイオレットが登場しました。
2024年9月16日時点におけるカラー別の買取平均価格を見ると、人気があるのはリノバイオレットで47.7万円です。
ポイント4:状態
バイクの状態は査定額を決める際の重要なポイントです。傷が少ないなど、状態が良ければ良いほど査定額も高くなる傾向にあることはいうまでもありません。ただし、オフロードバイクであるホンダ CRM250ARの場合、まるで新車のような状態で査定に出されることはあまりありません。そのため、軽い傷があっても比較的高い買取価格を提示してもらえる可能性が高いです。事故車や不動車であっても30万円近くの値が付くケースもあります。
ポイント5:フルノーマルかどうか
中古市場においては、カスタムしたバイクよりもフルノーマルのバイクのほうが買取価格が高くなる傾向にあります。そのため、すでにカスタムしている場合には、純正パーツも一緒に出しましょう。そうすることで査定においても高評価を得られます。その際、自身でカスタムパーツを純正パーツに戻す必要はありません。なぜなら、パーツの脱着には相応の技術が必要となるからです。
また、カスタムしているからといって必ずしも査定価格が下がるわけではありません。例えば、OHLINSやbremboのようなメーカーの高級パーツやファッション性を高めるパーツ、スペックを高めるパーツを装着している場合には、査定価格が上がることもあります。一方、汎用パーツやサーキット用のパーツにしている場合、査定価格が下がってしまう可能性が高いでしょう。