ホンダCBX400Fの特長と買取相場の傾向
国内バイク市場で、4気筒エンジン搭載モデルがブームを巻き起こしていた1981年に発売されたのが、ホンダCBX400Fです。
当時、新設計だった総排気量 399cm3のDOHC・16バルブ・4気筒エンジンは、燃焼室がコンパクト化されていました。それにより混合気の高圧縮化が可能となり、燃費効率が向上しています。優れた動力性能と燃費経済性を兼ね備えたホンダCBX400Fのエンジンは、当時のバイクのなかでも先進的でした。
ブレーキにはデュアルピストンキャリパーを採用し、それに合わせた特殊鋳鉄製ディスクプレートも採用しています。このブレーキは、ドラムブレーキとディスクブレーキのメリットを兼ね備えたインボードタイプでした。
また、クッション特性が変化するプログレッシブリンケージサスペンションを採用しているのも注目すべきポイントです。このリアサスペンションは、通常時はソフトでありながら、コーナーなど負荷がかかる場面ではハードになるよう設計されています。
さらに、軽量で剛性の高いフレームによって、ホンダCBX400Fは操縦のしやすさと安定した走りを実現しました。1980年代のネイキッドバイクの定番といえるデザインが特徴で、タンクからサイドカバー、リアカウルへとつながるフォルムは目を引きます。
ホンダCBX400Fは発売と同時に人気車種となりましたが、1983年に後継機となるホンダCBR400Fが登場するとともに生産終了になりました。
しかし、ホンダCBX400Fの人気はその後も衰えず、1984年に再販されることになり、1987年まで販売されています。
1981年当時における新車の販売価格は、ソリッドカラー仕様車47万円、ツートンカラー仕様車48万5,000円です。中古車の現在の平均買取相場は112.9万円~219.4万円(2024年8月30日時点)となっています。
ホンダCBX400Fを高く買い取ってもらうためのポイント
ホンダCBX400Fを高く買い取ってもらうためには、次のポイントを押さえておくことが大切です。
年式・モデル
年式の古いバイクや限定モデル、生産終了モデルは希少価値が高いため、高価買取となる可能性があります。ホンダCBX400Fもすでに生産が終了しており、希少価値が高くなっています。
なかでも、1984年に発売した通称「2型」は、中型バイクのなかでもトップクラスの高価買取が期待できるモデルです。2型は1981年発売の1型から、ホイールカラーなどのグラフィックが変更されています。
平均買取相場は、1型が149.5万円~189.7万円(2024年8月30日時点)であるのに対し、2型は286.7万円~417.9万円(2024年8月30日時点)です。
また、ホンダCBX400Fには「ホンダCBX400Fインテグラ」という派生モデルもあります。1982年に発売されたホンダCBX400Fインテグラは、当時日本初のフェアリングと方向指示器キャンセル機構を標準装備したモデルでした。
このフェアリングの設計により風の影響を受けにくく、長時間のライディングによる疲労も軽減され、快適な走りを実現しています。
ホンダCBX400Fインテグラも近年高価買取が期待でき、平均買取相場は152.3万円~220.1万円(2024年8月30日時点)です。
走行距離
走行距離も買取価格に影響する要素の一つで、一般的に走行距離の短い車体のほうが買取価格は高くなる傾向にあります。
ただし、あまりバイクに乗らなかったという理由で走行距離が短い場合は、バイクのパーツの劣化がみられるなどで、買取価格が下がるおそれもあるため注意しましょう。
また、バイクの走行距離による買取価格は、以下の基準で変動するといわれています。
・~5,000km
・~1万km
・~2万km
・~3万km
・3万km~
ホンダCBX400Fをなるべく高く買い取ってもらうためには、基準の境目に注意するのがポイントです。
また、排気量によっても、バイクの寿命となる走行距離が異なります。ホンダCBX400Fのような400ccクラスのバイクは、5万~8万kmが寿命といわれています。買取価格を下げないためには、この基準を超える前に売却に出すことも重要でしょう。
純正パーツ
バイクをカスタムして楽しむ方もいますが、カスタムバイクは万人受けするとは限りません。買取の際に査定額が下がる場合もあり、カスタムしたホンダCBX400Fも例外ではありません。
そのため、なるべく高値をつけてもらうためには、純正パーツに戻してから査定に出すことをおすすめします。自分で純正パーツに戻せない場合は専門店に依頼するのも良いですが、査定の際に純正パーツをともに持ち込むと減額を避けられるでしょう。
ただし、カスタムバイクのなかでも完成度の高いものは、プラス査定になる可能性があります。特に、ホンダCBX400Fのような生産終了しているモデルは、中古市場で一定の需要があります。旧車の買取に力を入れている買取業者なら、高価買取も期待できるでしょう。
メンテナンス
バイクは基本的に、状態の良いものほど高く買い取ってもらえるため、日頃のメンテナンスが重要になります。エンジンオイルやオイルフィルター、エアクリーナーの定期的な交換などを怠らないことが大切です。
日々の洗車も重要ですが、洗車キズが気になる方もいるでしょう。洗車キズのような細かいキズ程度なら、キズ消し用のコンパウンドを使って、自分できれいにしても問題ありません。
ただし、再塗装が必要な擦りキズなどは、自分で塗装を行なうと買取額が下がってしまうおそれがあるため注意が必要です。
また、比較的新しいバイクの場合は、専門店で再塗装してから買取に出したほうが高く買い取ってもらえる可能性があります。
一方、ホンダCBX400Fのような古いモデルのバイクの場合は、キズがあっても買取価格への影響が少ないため、そのまま査定に出したほうがよいでしょう。再塗装や交換をしてしまうと本来の魅力が損なわれ、かえって買取価格が下がる可能性があります。