ホンダApeの特長と買取相場の傾向
「The Basic Fifty」というキーワードのもと、よりシンプルで親しみやすい車体構成を目指し作られたホンダApe。正式名はホンダApeですが、Apeをベースとした車体に、排気量が増えパワーアップしたホンダApe100が遅れて登場したことを受け、わかりやすくするためにホンダApe50とも呼ばれています。
ホンダApeは原付免許や普通自動車免許でも乗ることが可能な50ccエンジンで、バイク初心者の方にもぴったり。国内排出ガス規制にも対応しており、環境への配慮もしっかりと行なっているバイクです。
足回りにはストロークの長いテレスコピック正立フォークを装備し、リアにはプロリンクスイングアームを採用しています。これにより、乗り心地の良さと、路面追従性が高い安定した走行が可能となりました。
一方でホンダApe100は、直立型の空冷4ストローク・単気筒100ccエンジンを搭載しています。ホンダApeに比べおよそ2倍の最高出力を受け止めるべく、フレームや足回りの強度がアップしました。さらに、2人乗りができるように、ダブルシートを採用しています。
また、ホンダApe50とホンダApe100は、ともにリターン式5速ミッションを搭載。オートマチック主流の原付が多いなか、ミッション操作でギアチェンジを楽しめるという魅力もあります。
ホンダApeは2008年モデルを最後に、2017年に生産終了となりました。中古車の平均買取相場は8.6万円~21.3万円(2024年8月30日時点)となっています。
ただし、買取価格は車両の状態や走行距離によっても変動する可能性があることを把握しておきましょう。
ホンダApeを高く買い取ってもらうためのポイント
ホンダApeをより高額で買い取ってもらうためには、どのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。ここからは、高く買い取ってもらうためのポイントを5つ紹介します。
ポイント1:仕様・グレード
2001年2月に原付1種スポーツバイクとして発売されたホンダApeは、2007年の仕様変更の際、排ガス規制対応にともなってインジェクション(PGM-FI)化されました。さらに、2008年には前後ブレーキを油圧ディスクに変更したモデル、Ape50 Type Dを追加しています。
2002年2月には、ホンダApe(50cc)をベースとした、原付2種モデルのホンダApe100が登場。2008年9月には排ガス規制にともなう仕様変更に加え、油圧ディスクブレーキとアルミ製のキャストホイールを採用したApe100 Type Dが新たにラインアップに追加されました。
ホンダApe50の査定価格を見ると、2007年の仕様変更前後においては大きな相違はありませんが、2008年モデル以降は2万円程度相場が上昇しています。一方でホンダApe100においては、仕様変更前後で相場に変化は見られません。
またホンダApe50、ホンダApe100ともに、上位モデルとなるType Dのほうが高く売れる傾向にあります。
ポイント2:年式
バイクの買取では、年式が新しいほど走行距離が短いと考えられ、高価買取が期待できます。ただし、買取額は年式のみで決まるのではなく、年式と走行距離とのバランスにより変動します。
年式が新しくても走行距離が長い場合、買取額は減少します。対して、年式が古いにもかかわらず走行距離が短い場合は、走行距離が短いから高価買取が期待できると考える方もいるかもしれません。しかし、この場合は「定期的に走っていない」「エンジンをかけていない状態が続いている」と判断され、買取価格は減少します。
年式が新しくても古くても、走行状態の良好さやボディの状態などを総合して査定価格が決定すると考えておきましょう。
ポイント3:走行距離
一般的に、バイクの走行距離が長いほど買取価格は低下する傾向にあります。走行距離が長いほど各パーツが激しく消耗しており、バイクの寿命が短くなっていると考えられるからです。
買取の際、走行距離は一般的に5,000kmまで、1万kmまで、2万kmまで、3万kmまで、3万km以上に分けて査定されます。バイクのコンディションにもよりますが、走行距離が5,000kmまでであれば、比較的高い価格で買い取ってもらえるでしょう。
また、バイクの寿命となる走行距離は、排気量によっても異なります。排気量50ccのホンダApeと100ccのホンダApe100の場合、最低限のメンテナンスを行なっている車体の寿命となる走行距離の目安は5万km程度とされています。
普段のバイクの扱い方によって寿命は変動するため、日頃からしっかりとメンテナンスを行ない、エンジンに負担がかかりにくい運転を心がけましょう。
ポイント4:ボディカラー
ホンダApe50のボディカラーは、リバーサイドブルー、グラファイトブラック、クラシカルホワイトの3色です。ホンダApe50 Type Dは、デジタルシルバーメタリック×バイブラントオレンジ、グラファイトブラック×キャンディーフェニックスブルーのカラー展開となっています。
ホンダApe100はファイティングレッド、シャスタホワイトの2色。ホンダApe100 Type Dはグラファイトブラック×マグナレッド、シャスタホワイト×グラファイトブラック、グラファイトブラック×ナッソーブルーメタリックの3色展開です。
ボディカラーが買取価格に大きな影響をおよぼすかというと、一概にそうとは言い切れません。黒や白といったベーシックカラーが人気のタイミングがあれば、マット系やシルバーに人気が集まるタイミングもあります。人気カラーはトレンドによって常に変化していくことから、ボディカラーによる査定への影響は大きくないと考えられるでしょう。
ポイント5:純正モデル、純正パーツの保管
ホンダApeは、Ape50・Ape100ともに10年以上販売していたため、中古市場に出回っている台数も非常に多く、飽和しているのが現状です。
そのような状況で、売却の際により高値で買い取ってもらうためには、バイクを純正の状態にしておくことが一つの大きなポイントになります。ホンダApeに限らずどのモデルにおいてもいえることですが、純正でカスタムされていない車両は人気が高くなり、査定額が高くなる傾向にあります。
カスタム車両も人気のあるものはありますが、人により好みが分かれるため、万人受けするわけではありません。そのため、基本的にはカスタムパーツよりも純正パーツを装着している車体の需要が高く、比較的高額を狙うことも可能でしょう。改造しているバイクを売りたい場合は、純正パーツに戻して売却する、もしくは純正パーツと一緒に売却するとよいでしょう。