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東京だけど東京じゃない
美しさに囲まれた島 |
東京の竹芝埠頭をさっき出たばかりのフェリーは、もう東京湾のど真ん中。途中、横浜港に寄って向かう大島までは約8時間。とにかく、のんびりとした船旅を味わえるのだ。 まずは腹ごしらえと、食堂でカレーをペロリ。その後はお決まりのフェリー探検(笑)。甲板では対岸の夜景を一人占めしてしまった。
さて、ひと通り楽しんで部屋に戻ったけれど大島のことを考えると興奮して眠れない。まるで小学生みたい。ガイドブックを見ながらうとうとしているうちに到着30分前!? 甲板に出てみると、そこには思わず「ホントにココは東京?」って叫ぶくらいに澄んだ海と空があった。すぐ近くに大島も見える。まだ上陸もしていないのに「来て良かったなぁ〜」とうっとり。しかし、あっという間に到着してしまいあわてて降船するハメになってしまった。
大島の天気は、これ以上ないと言っていいほどの晴天で、バイクを受け取ると、もう我慢できないとばかりにエンジンをかけて出発した。港についたのは朝6時。まだ静かな港町を抜けて、大島一周道路を気持ちいい風を受けながら走る。
海沿いから山までバリエーションある道をしばらく進むと、前方に巨大なバームクーヘンが出現! 予想していたよりもずっとデッカい地層切断面に睡眠不足もどこへやら。ちょっと停まって朝日に照らされた「悠久の時間の営み」に思いを馳せるというガラでもないことをしてみたりした。でもやっぱりバームクーヘンに見える。おいしそ〜!
つぎの目的地は大島の南側にある波浮港。まだまだ時間はたっぷりあるので、道をそれてちょっと海岸に降りてみた。溶岩?からできた砂浜は真っ黒、普通の砂よりも歩きづらいかもしれない。とにかく久しぶりの浜辺を楽しめて満足。
まずは、一周道路沿いにある波浮港見晴台に到着。ここから見ると、山に囲まれた港が一望できる。少し戻って港に降りると、穏やかな港風景が広がっていた。さらに進むと、古い木造の町並みが続き、その奥に旧港屋旅館がある。看板猫?に出迎えられて見学させてもらった。
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走りもトコトン楽しめる
大島のスケールはおっきい |
踊子の里の猫ちゃんに別れを告げ、つぎは北へと向かう。海沿いを進んで筆のカタチをした筆島が見えてくると、そこからは気持ちのいいワインディングが始まる。目指すは大島のメインディッシュ?である大砂漠。頭のなかにはもちろんあの曲が流れていた。「あなたといれば〜♪」。
ところが! あまりにも気持ちよく走りすぎて、つい砂漠入り口を通り過ぎてしまった。つぎの目的地、桜株のすぐ手前まで来てやっと気づき、あわててUターン。どうにか入り口までたどり着いた。
さっそくバイクで乗り入れ、どんどん奥へ入っていった。1kmくら進んだところで辺り一面砂ばかりに。あまりにスケールが大きすぎる。なんだか東京っていうか日本じゃないみたい……すっご〜い! とりあえず走りまわって堪能。表面は柔らかく、奥が固い砂漠はよく滑る。調子に乗って危うく転けてしまうところだった。転ける前にやめておこう。
で、また桜株まで戻ってきた。さっきまでのひらけた感じとはうって代わり、うっそうと茂った森のなかにある桜株は、まるでトトロが住んでいそう。たまにリスがかさこそと動いてビックリする。マイナスイオンたっぷりといった感じ。
桜株からすぐ近くにある大島公園では、ちっちゃなシカ、キョンがたくさん。いつもはエサをあげられるみたいなんだけど、今回は残念ながらエサがなかった。それでも、何匹かは寄ってきてくれて、触らせてくれた。近くで見ると本当にちっちゃ〜い。かわいい、連れて帰りた〜い! やっぱりダメでした。ほかにクジャクも放し飼いされていたけど、追いかけたら逃げられちゃった。 |
やっぱり島での食べ物は
新鮮な魚に決まりでしょ |
ふと時計を見てみると、もう午後1時。どうりでお腹がすくはずだ。さっきからグーグーいってる。その音にビックリしてキョンも逃げちゃった、ということはないけど、いい加減ご飯を食べることにしよう。
食べるところはもう決定ずみ! フェリーのなかで見つけていたすし処さん吉だ。やっぱり島に来たら魚でしょ?ってとこ。あまりに新鮮すぎて、シャリの上から逃げ出したトコブシにはビックリしたけど、やっぱり新鮮な魚はウマイ。東京だといったいいくらするんだろう(笑)
お腹もいっぱいになったところで、食後の運動。でもバイクで走るんじゃなくて、またまた動物。だってさっきキョンにエサをあげられなかったんだもん。場所はさん吉の斜め前にあるリス村。リスとウサギにもエサをあげて大満足! その後は、郷土芸能館に行ってアンコの衣装でおめかしをした。でも、閉館直前でショーや体験はナシ、残念。
そろそろ日も落ちてきたので、夕日を見ながら走れるサンセットパームラインへ向かう。海岸沿いを走るこの道は、本当に気持ちいい。道路脇には文字どおりヤシの木が植えてある。なんだか南国風味満点でゆったりと夕日を楽しめたコースだった。
あまりに夕日をじっくりと見てしまったので宿に着くころにはもう真っ暗。宿で出迎えてくれたのは豪勢な食事たち。新鮮な魚がたくさん! それだけでもうれしいのに、目の前の椿油で揚げたての天ぷらを楽しめるのだ。大島特産のアシタバがおいしい。温泉に入ったあとは卓球も楽しめるし、もう言うことなし! |
濃霧にあきらめかけた
三原山登頂 |
朝起きると外は真っ白、濃い霧がかかって雨も強く降っていた。昨日はあんなに天気が良かったのに……日ごろの行いが悪かったかな?と思いながらのろのろと出発の準備。
一応用意していたカッパを着て、予定の三原山山頂ではなく、すぐそばまでバイクで行ける割れ目噴火口を目指した。到着してほとんど埋まってしまった火口を見ているうちに、だんだんと雨がやんできたので、もしかしたらと思い三原山頂口へ。
山頂口に着くと雨は完全にやんでいた。けど、霧はまだ濃くて晴れそうもない。でも、さっきまで頂上付近まで見えていたという駐在さんの声に、片道約45分の登頂を決意した。
途中視界が10m先も見えないほどの濃い霧に何度も諦めかけながらも、予想以上にきつい上り坂を登り、やっと三原神社。せっかくだからと参拝すると。きゅうに霧が晴れて青空が! ウソのようなホントの話。
火口展望台から火口を覗いて、急いで下山。予定外の割れ目噴火口に行ったので昼食の時間を考えると、帰りのフェリーにギリギリなのだ。登山口の「歌乃茶屋」でアシタバそばを食べて、御神火スカイラインを通って元町港へと急いだ。
バイクを預けないといけない出港1時間前には少し遅れたけれど、どうにかセーフ。足湯につかりながら、つぎは2泊3日くらいで絶対にまた来ようと思った大島だった。 |
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