ミドルクラスの程よいサイズは
日本の道路事情に好マッチ
パラレルツインエンジンを搭載するFシリーズのGSが登場したのは2008年のこと。F650GSとF800GSという2モデルで、どちらも排気量は800ccであるもののそれぞれ異なるチューニングがされていた。前者は幅広い層が扱いやすいベーシックなパッケージで、後者はハードなオフロード走行も視野に入れたモデルだった。なおF650GSというネーミングはシングルエンジンを搭載していたモデルも存在しており(次ページ参照)、混同を防ぐ意味もありマイナーチェンジのタイミングに合わせてF700GSと名称を変えることとなる。
ミドルクラスを担うF-GSは圧倒的な扱いやすさと、GSならではの世界観の両立に成功しており、オンオフロード問わず日本の道路事情にマッチしていると言える。R-GSでも言えることなのだが、技術の進歩に伴い年々エンジンレスポンスが向上してきているが、どちらかというとその土地、時の空気を楽しみながら、まったりとした旅を楽しむならば初期型のF650GSがお薦め。一方未舗装路をガンガン走り抜けるならば新しめのF800GSが適している。昨年のEICMA(ミラノショー)では次期モデルとなるF750/850GSが発表された(日本導入時期未定)ため、中古流通相場も多少なりとも影響が出てくるはずだ。F-GSの購入を視野に入れているならば、その動向にも注視しておきたい。
Fシリーズで搭載されるパラレルツインエンジン。F650(700)GSとF800GSで共通のものだが、後者の方がパワー、トルクともに引き上げられたセッティングだ。次期モデルのF750/850GSでは360度クランクから270度位相に変更される。