YAMAHA SR400まるごと。

YAMAHA SR400まるごと。

1978年の初代登場から、間もなく40周年。ヤマハのSR400は、日本を代表するロングセラーモデルのひとつだ。極めてシンプルでスタンダードかつベーシックでありながら、SR400は時代を超えて愛されながら、“らしさ”を保ち続けてきた。

ココがSR!
1
魂を目覚めさせるような
キックスタートへのこだわり

SR400は、1978年の初代から一時生産終了となった2017年販売モデルまで一貫して、キックのみのエンジン始動方式にこだわってきた。デコンプレバーを操作して、キックペダルを踏みこむ。そのアナログな“儀式”は、鉄馬の魂を目覚めさせるかのようで、SR400に乗る楽しさを感じられる瞬間のひとつ。

魂を目覚めさせるようなキックスタートへのこだわり

ココがSR!
2
シンプルで飽きがこない
普遍的なスタイリング!

「バイクらしさ」の定義はライダーごとに異なるが、とはいえSR400が持つスタイリングが伝統的なバイクの姿そのものであることは間違いない。現代にあっては、かなりクラシックな部類に入るが、シンプルで飽きがこない、つまり流行に左右されないルックスで、長く所有するのにも向く。

シンプルで飽きがこない普遍的なスタイリング!

ココがSR!
3
伝統を守り続けてきた
機能パーツのデザイン!

シルエットだけをクラシックにまとめるのではなく、クロームメッキ仕上げのスチール製前後フェンダーや、1970〜1980年代を感じさせるハンドルスイッチをはじめ、細部にまで伝統的なパーツを盛り込んであるのがSR400。真正レトロモデルだ。

伝統を守り続けてきた機能パーツのデザイン!

ココがSR!
4
適度な鼓動感が心地よい
空冷単気筒の味わい!

初代登場時には「鼓動感が中途半端」などと酷評されることもあったようだが、空冷単気筒エンジンが生む鼓動感は、現代的なバイクと比べれば味わい深い。ゆっくり走っているときも、バイクに乗る気持ちよさを体感させてくれるのがSR400だ。

適度な鼓動感が心地よい空冷単気筒の味わい!

ココがSR!
5
時代や流行を超越して保ち続けられる価値

時代や流行を超越して保ち続けられる価値

そもそも初代登場時は、バイクが多気筒化あるいは高性能化に向かおうとしていた時代。その後も、レーサーレプリカやビッグスクーターなど、さまざまなバイクのブームがやってきた。しかしSR400は、それらの流行に左右されて廃止されたり、あるいは大幅刷新されたりすることなく、40年にわたって歴史を刻み続けてきた。

シンプルだけど奥深い
バイクの原点は、SR400にある

近年、バイクの世界ではヘリテージという新たなカテゴリーが確立され、ヤマハは便宜上、SR400を「スポーツヘリテージ」にカテゴライズするようになった。しかし実際のヘリテージとは、かつてのバイクが持っていた雰囲気を、現代的な技術を積極的に使いながらよみがえらせたようなバイクのこと。そう考えると、1978年の初代からほぼ姿カタチを変えることなく歴史を歩み続けてきたSR400は、ヘリテージ(=英語で遺産や歴史的価値など)という言葉が持つ本来の意味にはとても近いが、一方でバイクカテゴリーにおけるヘリテージとは少し異なる。

ではネオクラシックなのかというと、これもまた少し違う気がする。ネオクラシックとは、かつてのバイクをモチーフとして設計されたバイクのことだが、SR400の場合はモチーフではなく、かつてのバイクそのもの。たしかに現代となってはかなりクラシックだが、ネオとは言えないかもしれない。

ヘリテージやネオクラシックは近年の人気カテゴリーとなっているが、SR400はそんな流行のはるか前に誕生し、どんなブームが訪れようとも左右されず、基本的なルックスと車体構成を大きく変更することなく40年にわたって新車ラインアップに並んできた。これがまず、SR400のスゴいところだ。

それだけに、現代的なバイクと比べてSR400は、かなりクラシカルかつベーシックで、機能や性能の点で優れているところはどこにもない。しかしそのシンプルさやアナログ感は、現代的演出によってつくられた偽物ではなく、1970年代から守られ続けてきた本物だから、どこか誇らしい。

SR400は、極めてベーシックであるがゆえに、乗ればバイクの本質をじんわり感じることができる。シンプルだからこそ、カスタムベースにも最適で、バイク整備の基礎を学ぶのにも向く。じつはバイクに関する多くのことが、ここに詰まっているのである。

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