
Rokko
生まれ育ちも住居も職場も神戸です。
若い頃は自転車で野宿サイクリング大好きでした。現在も電チャ通勤してます。
一昨年還暦を迎え、人生の残量もあと25%くらい。スマホなら「低電力モード」を勧められるころ。バイクに乗れなくなってから後悔したくないので、自分のやりたいことに躊躇はしたくないです。
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医学の分野で、内科、外科、歯科、小児科などは日常的にお馴染みですが、「麻酔科」って何やってるのかほとんど分からないですよね。「ちょっと眼科に行ってくる」はあるけど「ちょっと麻酔科に」はないですもんね。でも、麻酔科は、ちゃんと医学の一分野を担ってる。外科医が「ついでに勉強しとく」ような知識じゃないことが分かります。
写真は、世界で初めて全身麻酔をかけて乳がんの手術をした華岡青洲の治療院・春林軒と記念館です。前から一度訪ねてみたいと思ってました。
青洲は研究の末、植物を調合して「通仙散」という麻酔薬を生み出した人です。でも全身麻酔って投与量を間違えると危険で、人体実験を申し出た母親は亡くなり、妻は失明。それでも研究をやめなかったのは凄まじい執念というか使命感というか。
乳癌の手術だけでも143人を施術して、術後生存期間は平均3〜4年、最高は41年だったそうです。外見から乳癌がわかるって、もうかなり進んでるはずで、もうあちこちに転移してしまってますよね。そう考えるとこの記録は驚異的じゃないですか。200年以上前の江戸時代ですよ。
ただ残念なのは、「通仙散」の詳しい調合が門外不出だったこと。青洲は1000人も門下生がいたにも関わらず、製造法は一部の弟子にしか伝えず、秘密を守ることを血判まで取って徹底していました。「1人でも多くの患者を救いたい」なら、作り方を公開してみんなで改良していけばいいのに、と思うんですが、そこはやっぱり江戸時代。オープンイノベーションの概念まではまだ持てなかったのでしょうか。