
仕事終わりに車に乗って帰宅していると小雨がパラついていた。
そのまま家に帰らずジムに行って、自粛でたるんだワガママボデーを鍛えてきました。
トレーニングを終え、ヘトヘトになりながら帰る頃には雨も止み、路面も乾いているので「あれ、これバイク乗れるんじゃね?」とエジソンですら考え付かなかった事を閃く。
待て待て、まだバイクに乗れると決まっていない。逸る気持ちを抑え、イントルーダーを視界に入れると、
「いや、これ乗れるで。てか乗らんの?マジで?」
そんな声が聞こえた。
多分それは神の声だったと思う。やたらイケボやったしな。うん。
そんなわけで、刹那に見せた梅雨の隙をついて、軽くバイクに乗ってきた。
暗闇を風と並走していると、ヘッドライトに浮かぶは無数の虫たち。
頻闇を照らす一筋の光に虫達はざわめき、スポットライトに照らされたが如く蠢き踊る。
ここは一月前には考えられなかった世界。昆虫アタックはこの時期の風物詩。
しかしジェッペルを被る俺に一分の隙もなく、虫はシールドに跳ね返され小さな命を散らす。
「ふはは、見よ!連邦軍の技術の粋を集めた最新のシールドの威力を!このプラッチックをガンダリウム合金と名付けよう!」
みたいな感じで変なテンションになっていた。
すると、一際大きな虫がシールドに守られていない首にアタックを仕掛ける。
めっちゃ痛い!それはさながら秘伝仏骨。この虫を三崎健吾と名付けよう。
そう思っていると、 その虫は首を這ってシールド内部に侵入してきた。
「ひゃぁああ~っ!!」
本当にこんな情けない声が出た。
虫が顔を這う感覚は得も言われぬ不快感!
あぁ、今もその感覚が残っている。
今夜は全裸で寝よう。