
雨のバイクは危険度が増すので、なかなか乗ることが憚れる。
しかし、わかってはいるがバイクが俺を呼んでいる気がする。
バイクだけではなく、風が、雨粒さえも……。
無意識に右手がスロットルをまわす動作をしている。
気付けば、30のおっさんがエアバイクを運転しているではないか。
あぁ、これが禁断症状というやつか。
このままでは、電車の中でもエアバイクに乗って右手は忙しなくスロットル操作をしてしまうだろう。
それは嫌だ。変人にはなりたくない。
少しくらいなら、遠出はしなくても、近場なら……。
そうだ、通勤ぐらいはバイクに乗ろう!
カッパもあるし、長靴も買ったし、防水対策はできている。
あとは安全運転を心掛ければ、ということで本日は雨の中バイク通勤。やったぜ!
途中、対向車(大型トラック)が轍に溜まった水を勢いよく俺に浴びせかけた。
それはまるで拡散メガ粒子砲を喰らったかのような感覚に陥ったが、雨合羽というサイコフィールドがある俺には無意味だった。
ところで、突然の雨でカッパもなくてびしょ濡れになったら損した気分になる。
その時に「どうせびしょ濡れやから、漏らしちゃえ」となったら、これは得なのではないだろうか。
つまり、雨が降って損した気分になるが、トイレに立ち寄らなくても大丈夫なのと、汚れは雨が流してくれるからダメージはない。スッキリもするしね。良いことづくめじゃないか!
まぁ、人として終わりなんですけどね。