NoNaさんが投稿したツーリング情報

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    おっさんの休日探訪記
    〜晴れ人間たちの力、雨を遠ざける奇跡の二日間〜
    隊長の「いがらー」から「10月の3連休、キャンプ行こうと思うけどいく?」と連絡が入る。雨が降ろうが槍が降ろうが、地球規模の天変地異が起きない限り行くに決まっている。
    何故ならば、前回、中途半端なデイキャンプなどいうものをしてしまったからである。

    前回ワタシの思いつきでデイキャン(モトクルブログ〜変わらない想いを胸に、煙樹ヶ浜の水平線を眺めならか〜)をした時、急きょ集まった3人は、言葉にはしなかったが強く思った。
    「やっぱり、泊まりたい…」
    「水平線に沈む夕日と満天の星空をら眺めて飲むワイン最高だろうなぁ…」
    「波の音を聴きながら眠ると快眠できだろうなぁ…」
    そして、「20時の漢(おとこ)「じゅにあ」が、20時から来るって言っていたのに、私たちは早々に帰ってしまったよな…」などを強く思っていた。
    すぐさま、今回のツーリングキャンプのタイトルを考え「水平線に煌めく星影、リベンジ煙樹ヶ浜」と招集をかける。

    週初め忍び寄る台風23号(ナクリー)。しかし、ワタシは楽観していた。何故ならば、私たち「0332R+」(「0332R+」とは、幼馴染に近いおっさん3人とプラス女子1名で結成されたツーリング仲間のチーム名)の4人は全て晴れ人間なのだ。4人が揃う今回のキャンプツーリング。台風なんてきっと南の方へ吹き飛んでゆくだろうと思いながらも、小心者のワタシは数日前から天気予報アプリを頻回にチェックする。

    当日の朝、曇天の中「さっちー」から雨に打たれる微妙な顔をした赤いカエルのスタンプがグループLINEに送られてくる。続いて「じゅにあ」の返信は「今日はアカンか」すぐさま、返信を返す「雨はやむ」と。そう、やまない雨はないのである。
    もし、中止という選択をして部屋から雨降ってきたなぁと外を見るか、それとも雨が降ることをわかっていながらもキャンプ場で雨降ってキタァと騒ぐのが楽しいか、どちらを選択しても良いが、人生やらなければ面白くないのだ、そんな生き方(活き方)ができればと思っている。
    昼まで屋内で仕事をして外に出ると晴れ間が少し見えてきているではないか。雨雲レーダーを確認すると、所々で一時的に強い雨が降っているし、煙樹ヶ浜のピンポイント予報では、夕方と晩飯時と夜中に明らかに降ってくる。

    今回はそれぞれ仕事や用事などがあるので来れる時間に現地集合。ワタシは15時過ぎに到着し雨を意識しながら、まず避難場所のタープを張り設営を進める。
    雨はまだ降らないようだ。

    今回のキャンプ飯は鴨鍋にした。トライポッド(三脚)に鴨鍋用に購入した日本昔ばなし風の木蓋鍋を吊るし、Aプライスという料理人御用達の店で買っていた大量の鴨肉を切り分け鍋に投入、もちろん長ネギは炭火で炙る。鍋が煮えた頃にはすっかり日も落ちランタンに火を灯していた。
    うつわに注がれた出汁をひと吸い「美味すぎる」みんなの頭の上に天使が飛ぶのが見えそうだ。アツアツの鴨肉とネギを頬張り鴨出汁をすする。そして熱くなった口の中をビールで満たし冷ます繰り返し。半分ほど食べ進めたころ、半生の蕎麦を投入、「さすが、わかってるねぇ」と「じゅにあ」が呟く。
    そう蕎麦は茹で上げるタイミングが重要だ。うだうだ喋っている間にそのタイミングを失ってはいけない。「今だ〜」と一斉にうつわに蕎麦を取り分ける。我ながら完璧だ。
    料理に夢中で雨のことはすっかり忘れていた。

    そうそう、今回はおっさんに加え初キャンプがしたいとのことで、車でゲストがひとり参加している。隊長の知り合いで20代の学生だ。鴨鍋と蕎麦を通じて、これこそ大人の遊び力だということを体感してもらえた事だろう。

    鴨ポテンシャルに一同驚きながら、「じゅにあ」が、ガサゴソと新聞紙に包まれた長細い何かを出してくる。
    秋・新聞紙・長細い・炭火と来るとそれはもう疑う余地がない。新聞紙の包がほどかれ、銀色に輝くソレの全貌が明らかになる。
    秋刀魚だ。
    隊長のいがらーと初キャンプの若者が焚き火台の炎を調整する。火力が高すぎても低すぎても秋刀魚にとってはよくない。隊長が巧みに炎を操り丁寧に焼き上がる。味はもう伝える必要がない。
    そろそろ雨が降るだろうと思うが、まだ、雨は降ってこない。

    気心知れた4人とゲストひとり、あらためて話す事も無いので、飲みながら会話の中心は「うわぁやばい、これうまいわぁ」か「やっぱり焚き火は最高やなぁ」それと「ちょっとトイレ行ってくるわ」を各々何ターンか繰り返すのみで、ゆるやかに刻(とき)が過ぎてゆく。

    このキャンプ場にはシャワールームがあり、24時間いつでも200円払えば3分間の幸せを得ることができる。テントで寝る前にシャワーで身を清めるなんて贅沢な事だろう、しかし、ひとつ問題があった「最高だー」とシャワーを浴びて3分経つと前触れもなくピタッとシャワーが出なくなる。自宅のお風呂では気が済むまでシャワーを浴び納得して止める。しかし、3分経つとワタシの意思には関係なく止まってしまうので、不完全燃焼感はハンパない。3分では物足りず、あと200円追加してシャワーを浴び、サイトに戻り各々テントに潜り込む。
    夜中は少し降るだろうと思いながら就寝。

    翌朝、やっぱり雨は降ってこない、それどころか、「じゅにあ」は、家よりも睡眠の質が良いとスマホが教えてくれたとの事。
    昨晩、入れてしまえと食べきれなかった余った肉やネギなど野菜を全部鍋にぶち込み、明朝は鴨雑炊?にしようと焚き火の残火でグツグツと煮込んでいた。早朝、鍋を開けると見たことがない色をした粘度の高い物体が完成していた。「じゅにあ」が自前のメスティンで米を炊き、なんの躊躇もなくその物体に炊き立ての米を放り込む。
    味見のため恐々とスプーンで一口…。
    「これは!」
    昨日の鴨鍋が長渕剛ソロギター弾き語りならば、明朝の雑炊は、メンバーが一体何人なのかわからない米米CLUBライブと言った感じの複雑な味わいになっており、箸がとまらない。

    雨雲レーダーを見るとさすがに雨が降って来そうだ、撤収中に雨が降ってくると、テンションが下がるのでいつ雨が降って来ても良いようにタープだけ残して片付けを始める。
    ゲストの若者が「あんなに美味しいものをたくさん頂いたので」と言いながら、せっせと働く、いい心がけだ、将来きっと大物になるだろう。
    やはり、雨はポツリとも降らない。

    名残惜しいが、昼頃にキャンプ場を出発し、海沿いを走る、日の岬→白崎海岸→広川ICコースで早い目に家路に向かう。
    課金までしている天気予報アプリの精度が悪いのか、それとも、4人とも本物の晴れ人間なのか。台風が接近しているのに、まったく、雨に降られることがない奇跡の二日間だった。
    (おわり)

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